「戦場のような熱気」クライマーズ・ハイ totyさんの映画レビュー(感想・評価)
戦場のような熱気
いやぁ、予想以上に緊迫したドラマでした。
途中インサートされる現在のシーン(登山)で、やっと息をつくという(あれも大事なストーリーなんだが…)そんな緊迫感が続く。
145分釘づけでした。
事故現場でなく、新聞編集室という空間で濃密に繰り広げられる意地の張り合い、心の削りあい。
ピラミッド型ヒエラルキーの中で繰り広げられる阿鼻叫喚のドラマの見応えにしびれた。
組織と付かず離れずの遊軍記者である堤真一。彼が日航機墜落事故の全権キャップとなったことがドラマを面白くしている。
次長とも記者とも一定の距離を持つキャップが、ジャーナリストとしての自分の原点にこだわり、こだわるが故に軋轢を産む。
そんな男の過去がまた彼を追いつめていく。
「大久保連赤」(大久保清事件、連合赤軍事件)の栄光にあぐらをかく上層部。地方紙ゆえの悲哀に苦しめられる前線記者。どちらからも恨まれ疎まれる全権。エゴとヘドロのような販売部。
それらが嵐のように襲ってくる1週間のドラマ。
実に熱い熱い145分でした。
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