「俺たちに明日はあるのか。」ハプニング 小太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
俺たちに明日はあるのか。
オープニング。ビルから大勢の人が落ちてくる。鈍器で頭を殴られたような衝撃。なんなんだ。この不条理。解明されるのか。
これはシャマラン監督、初のホラー作品と言っていいかもしれない。
正常な人間が、ある瞬間、突然にしゃにむに自己の命を断とうとする。人間の理解を越えた話だ。
いろいろな案が提示されながら、生き残る人と死ぬ人の区別は全く分からない。
でも、実は人間が分かる事など微々たるもので、よく分からない世界で平静に暮らしているのだ。日常が微妙なバランスで成り立っている事に気づかされる、恐ろしい話だ。
シャマラン監督のファンの中には、全部説明される事に慣れている人がいるが、たまには、こんな打ち上げっぱなしの話もいいではないか。考えても実は、答えがない。答えは必要ない。思うに、作品内の情報は全てフェイク。答えの出せない人間が考えたものが、答えに直結している訳がない。
世の中は不条理。不条理こそホラー。我々はホラーの世界で生きているのか。
まぁ、怖かったで済ませましょう。考えすぎると心を病んでしまいそうだ。
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