かいじゅうたちのいるところのレビュー・感想・評価
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絵本の世界観そのままに
小さい頃から大好きだった絵本。
それがそのまま実写化されて、いやほんと、そのまま絵本から飛び出てきたかのようなかいじゅうたちにびっくりしました。
それにマックス役のマックスも、マックスのママも絵本の雰囲気に合っていると思います。
内容は子供には難しいかな~、大人でも詩的世界観が苦手な人には不向きかな。
この映画は、完結されてないまま終わる部分が多いですが、そこに何があるのか、考えるのもまたこの映画の醍醐味だと思いました。
それと、今回は吹き替え版で観ましたが、この映画の場合、吹き替えでもありだと思います。
原作の絵本を手に取って、もっとこの世界観を知りたくなる映画
ベストセラーの絵本作品を原作とした映画。主人公のマックスは姉と遊んでもらえず、母親も仕事や新しい恋人に夢中でなかなか構ってもらえない。寂しさからか癇癪のように暴れ出すマックスの姿は年相応の反応だと思う。ある日、感情の爆発が頂点に達し家を飛び出してしまうマックスは、小舟で海原を辿り、「かいぶつ」たちが住まう島に到着する。
かいじゅうたちはCGではなく、日本の昔のゴジラみたくスーツアクター(ようは着ぐるみ)で撮られているので、なんとも味わい深い映像になっているなーと感じた。これがCGだったら、あまり映画の世界に入り込めなかった。
基が絵本だから子供たちにむけたメッセージ性の強い作品なんだろうけど、ちょっと漠然とした部分が多かったかなと思う。
(大海原を渡るシーンからはてっきり夢かと思っていたけど、ここらへんは明確に表現されていない)原作絵本を読んでからもう一度鑑賞したら、原作が読み手に届けたいメッセージなども理解できてまた違う感じ方があるのかな。
奇怪なビジュアル!!
王様と呼ばれる癇癪持ちの少年と、DQN揃いのかいじゅうたちの奇怪な映画ですが、ビジュアルのインパクトだけでダラダラとして、勝手にしょんぼりするだけでつまらないです。
コミュニケーションのむずかしさ
自分の気持ちを相手に伝えるのは難しい。相手を大事に思うからこそ、わかってほしい。ときには「どうして わかってくれないの!?」とイラ立ってしまう。
素直になるのは(主人公マックスのように)子供でも、案外むずかしいのかもしれない。
かいじゅうたちもマックスも、とにかくかわいい。音楽も素敵。
面白くはないです
かいじゅう達が人間とは異なる思考や価値観を持って生きてる上、繊細な心理描写が欠けてるため、かいじゅう達が何を考えてるか分かりづらく、共感できにくくなってる。かいじゅう達の声と表情を見て、喜んでるなあ、怒ってるなあ、悲しんでるなあ、とは客観的に分かるけど。
それと、それぞれのかいじゅう達が抱えてるエピソードが全て途中で放置されており、ストーリーがちゃんと構成されてない。ハッピーエンドはもちろん、バッドエンドにすらなってない。ただの宙ぶらりんで、続編が楽しみになるような期待を煽る展開ですらない。まるで、連続ドラマで急遽打ち切りが決まり、強引に終わらせた感じ。
お子様もご覧になれるほんわかムービーかと思いきやそこはやっぱりスパ...
お子様もご覧になれるほんわかムービーかと思いきやそこはやっぱりスパイク・ジョーンズ、シュールだけどセンスのよい世界観の中で複雑に揺れる少年の繊細な心を巧みに見せていく、大人向けの上質なファンタジーです。
"かいじゅう"たちが住む島は決して美しい処ではなく、枯れ葉の舞う森林に何もない広大な砂漠など、淋しさを抱える孤独な少年の内面を反映している。そこに住んでる七匹の"かいじゅう"たちもユニークで、鋭い牙や爪がいかにも凶暴そうだけれど、毛むくじゃらで短足姿が何とも愛らしくて憎めないキャラばかり。CGで何でも創れる時代に着ぐるみの演技は温かみを感じます。
マックスを「王様」と勘違いする彼らも実は繊細な心の持ち主で、群れ(?)の中での交友に様々な問題を抱えている。つまりは、八歳の悩める少年マックスが、単純だけど複雑な彼らの問題を目の当たりにし、"小さいけれども大きな何か"を互いに見つけだす、というようないたってシンプルなお話。それをシンプルに見せないところがスパイク・ジョーンズの巧さで面白い。
カレン・オーとかいう姉ちゃんが手掛けるアコースティックな劇中歌の数々も、そのシーンそれぞれに恐ろしくマッチして作品を大きく盛り上げています。
こどものころに
「見なきゃよかった…」私も初めはそう思いました。
ただ数年後に、どうしても忘れられないシーンを思い出し再び観た後での印象は、不思議な事に、まるで違うものになりました。
こんなに複雑な感情をぐちゃぐちゃにして、童心を蘇らせる映画を、私は他に知りません。
子育て若しくは、子供と関わる機会の多い方々ならば嫌という程分かると思いますが、子供っていつでも可愛いわけじゃないんですよね。
いや実際には、可愛くて仕方ないのですが、自分の要求を剥き出しにして全力でぶつかって来るところとか、泣き叫ぶところとか暴れる時には正直、可愛い反面、物凄く憎たらしく思ってしまう時もあるんです。(我が子よ、ごめんね。)
本人達(子供達)だって、駄々をこねたくてゴネているわけでは無いことも、重々承知してはいるのですが、親は親でしんどくなる時もあるものですよね。
そんな時に、ふと観直したらこの映画に対しての印象が、私には嘘のように変わりました。
大袈裟に言うと救われました。
大人の様に、物事を器用に対処出来なければ、自分の気持ちを上手に表現する言葉や術を知らないがゆえに、家族にさえどんな風にして、今の気持ちを伝えたら良いのか分からない。
でもどうにかして自分の気持ちを分かって欲しくて、泣き叫んでいた頃が、私自身にも確かにあったな…。
好きな物たちでいっぱいにした自分だけの特別な空間(秘密基地)に、お母さんを呼んだのも、お母さんを喜ばせたかったからだよね。
お姉ちゃんと一緒に遊んでた時だってそう、一緒に楽しみたかったからに決まってる。
ケンカをしたくて、一緒に遊ぶ子なんてどこにもいないはず。
子供だって、大人だって、みんな一人ぼっちは寂しいんだ。
だから誰かと一緒に、いたいんだ。
最後のケーキには、うるっときました。
お母さんも、我が子の喜ぶ顔が見たいんだ。
お互いの事を、大切に思っている気持ちは一緒。
こどもでいられる時間は、ずっとじゃない。(というより、あっと言う間に成長します。)
一緒に過ごせる今が、凄く貴重なんだ。
悪い事をしたらしっかり叱る。
その代わり、心細そうな時には、しっかりと抱きしめて「大事に想っているよ」という事も、今の内にきちんと伝えたいと思うと同時に、親への感謝の気持ちも伝えよう。
そう思えた映画でした。
私自身には観直して良かった映画でしたが、人にはお薦めしません。(^_^;)
私にとっては試練
最近、結構、意識してスパイク・ジョーンズを観ているわけですが、それは、何も彼が好きなわけではなく、むしろ、なぜ自分は彼を好きになれないのか、それを確かめる試練みたいな感じになっています。世の中的には高評価なようだし、新作『her』も好調みたいだし、何か自分がつかめていないところがあるのではないかと毎回トライするわけですが、今回も残念なことに、あまり良いとは思えなかったですね。
たしかに私、原作のファンでもあり、その原作との違いとかが気にならなかったと言えば、そんなことはないのですが、でも、映画は映画、そこらへんの線引きはしているつもりで、他の作品でも原作との違いはあまり問題にしないでみているつもりです。
それでもやはり、今回の作品を楽しめなかったのは、純粋に映画として面白いか否かということなんだろうと思っています。
終盤のキャロルの変貌の瞬間は、ここからグッと盛り上がるのか、という映画的期待が少しあったのですが、それも尻すぼみのような感じになってしまったように思います。
耳心地の良い音楽と、夕陽の中の景色と、紗がかかった映像、このいわゆる美しさだけで、何とかしようとしているのが、どうも引っかかります。心地よいのかもしれないけれども、心に響きはしない、そんな印象です。怪獣たちとの遊びも楽しそうにしているけれども、こちらは楽しい気持ちにならない、そんな感じです。
『アイム・ヒアー』のところにも書きましたが、やっぱりスパイク・ジョーンズは映画があまり好きではないのではないかという印象は拭えなかったですね。
とりあえず、『her』は劇場でなく、DVD視聴で決定だっ!
さみしいかいじゅうたち。
お母さんがいればよかったのにね。
そうマックスファクターか言葉にする。
親がいないかいじゅうたちは王様という親を求めていたのかな。
マックスは最後、王様ではなくて家族になれたんだろうね。
だから食べずにおわかれした。
かいじゅうたちはきっとマックスがいなくなった後、ケンカしながらも家族のように距離を遠ざけたり縮めたり、生きていくんだろう。
子供はいつか大人になる
私は、あのかいじゅうたちはとても好きです。
見た目も、性格も。
KWはすごく可愛い顔。
ちょっと性格の悪いジュディス(ああ、こういう人いるなあと思いました)。
KWのことが気になるキャロルは、暴力的だけど、本当はみんなとうまくやっていきたいと思っている不器用な子供のよう。
そのキャロル自作の箱庭、あれは彼が理想とする「みんなで暮らす、いいことばかりの場所」。
水を入れると、KWとキャロルがのった舟がゆっくりと流れてくる。
キャロルはKWのこと、本当に好きなんだと思いました。
だから、壊れた箱庭を見たときはすごく涙が出ました。
キャロルはどんな気持ちでこれを壊したかと思うと、泣かずにはいられませんでした。
キャロルは他のみんなより少し、中身が子供なんだと思います。だからマックスが家に帰る時、最初は見送りに行かない。でも、心の中ではそれはよくない事だと分かっているから頭を抱えて泣いてしまう。
キャロルに共感して、一緒に泣いてしまいました。
他者とのつき合いって、かいじゅうも人間も同じで、心を持つものが相手である以上、何でも自分の思い通りにはいかない。
自分のことばかり考えて、わがままを通そうとすれば、相手に見放される。
他人を理解してあげて、思いやる心がなければ本当の仲間にはなれない。
マックスは、最初かいじゅう島に来たときは、かいじゅうたちは自分の言うことを聞いてくれて、思い通りになると思っていた。
でもそれは間違いで、たとえ姿はかいじゅうでも、性格はそれぞれ違うし、それぞれの事情も違う。複雑で、中身は人間と変わりない。
それはお母さんやお姉さんも同じ。家族であってもそれぞれの事情があり、常にマックスのことだけを見てはいられない。
生きていくということは、自分の思い通りにならないことばかり。
だから、自分と、周りの人のことも考えてあげなければ。
かいじゅうたちとの暮らしの中で、マックスはそのことを学び、これから大人になっていくんだと思います。
その後のかいじゅう島は、ときどき小さいもめ事がありながらも、きっと、みんな仲良く暮らしている。そう思います。
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