劇場公開日 2010年1月15日

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「私にとっては試練」かいじゅうたちのいるところ チャーリーさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0私にとっては試練

2014年9月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

楽しい

幸せ

最近、結構、意識してスパイク・ジョーンズを観ているわけですが、それは、何も彼が好きなわけではなく、むしろ、なぜ自分は彼を好きになれないのか、それを確かめる試練みたいな感じになっています。世の中的には高評価なようだし、新作『her』も好調みたいだし、何か自分がつかめていないところがあるのではないかと毎回トライするわけですが、今回も残念なことに、あまり良いとは思えなかったですね。
たしかに私、原作のファンでもあり、その原作との違いとかが気にならなかったと言えば、そんなことはないのですが、でも、映画は映画、そこらへんの線引きはしているつもりで、他の作品でも原作との違いはあまり問題にしないでみているつもりです。
それでもやはり、今回の作品を楽しめなかったのは、純粋に映画として面白いか否かということなんだろうと思っています。
終盤のキャロルの変貌の瞬間は、ここからグッと盛り上がるのか、という映画的期待が少しあったのですが、それも尻すぼみのような感じになってしまったように思います。
耳心地の良い音楽と、夕陽の中の景色と、紗がかかった映像、このいわゆる美しさだけで、何とかしようとしているのが、どうも引っかかります。心地よいのかもしれないけれども、心に響きはしない、そんな印象です。怪獣たちとの遊びも楽しそうにしているけれども、こちらは楽しい気持ちにならない、そんな感じです。
『アイム・ヒアー』のところにも書きましたが、やっぱりスパイク・ジョーンズは映画があまり好きではないのではないかという印象は拭えなかったですね。
とりあえず、『her』は劇場でなく、DVD視聴で決定だっ!

チャーリー