マンマ・ミーア! : インタビュー
世界的ポップグループABBAのヒット曲満載で送るミュージカルを映画化した「マンマ・ミーア!」。本作に主演するメリル・ストリープが12年ぶりに来日を果たし、撮影秘話やプライベートの母としての素顔を明かした。(取材・文:編集部)
メリル・ストリープ インタビュー
「オスカーはすでに2回獲ってるから、これ以上ほしいとは思わないわ」
![本作でもゴールデングローブ賞候補に挙がっていたストリープ(左)](https://eiga.k-img.com/images/interview/1280/f655e20e6fa737c8/640.jpg?1610972109)
先日発表された第81回アカデミー賞ノミネートにおいて、「ダウト/あるカトリック学校で」で史上最多15度目の主演女優賞候補に選出されたストリープ。発表直後に行われたこの日のインタビューで、さっそく現在の心境を聞いてみると、「オスカーはすでに2回獲ってるから、これ以上ほしいとは思わないわ。ただ、授賞式でたくさんの友達に会えるのは楽しみだし、アカデミー賞は同業の俳優が選んでくれる賞だから、選ばれるのはとても名誉なことだと感じるわ」と大女優の余裕を感じる返答。
![パワフルなダンス&歌を披露](https://eiga.k-img.com/images/interview/1280/2732bfd6a453cc89/640.jpg?1610972111)
「ダウト/あるカトリック学校で」では厳格なシスターに扮していたが、本作では一転、娘の結婚式を翌日に控えたシングルマザーを軽快に演じたストリープ。「今回は普通の中年女性の役だし、それなりの歌とダンスができればよかったのよ。私はよく世間から完璧主義者のように評されるけど、本当はそんなことないのよ」
本人はそう謙遜していたが、ストリープ扮するドナと親友のターニャ(クリスティーン・バランスキー)、ロージー(ジュリー・ウォルターズ)による“ドナ&ザ・ダイナモス”は、劇中でパワフルなダンスナンバーを披露している。そしてこの3人、カメラの外でも交流を深めていたのだとか。
「クリスティーンは以前からの知り合いだったの。というのも、私は故ポール・ニューマンが主催していたガンの子供のためのチャリティに参加していて、その講演や集まりに彼女も参加していたからよ。ジュリーとは撮影が始まるまで交流はなかったけど、映画業界の中で共通の友達がたくさんいるので、その人たちの話でよく盛り上がっていたわ」
![家族のこともオープンに語ってくれた メリル・ストリープ](https://eiga.k-img.com/images/interview/1280/97575473f07de98b/640.jpg?1610972111)
本作で描かれる核となるテーマは、ドナ&ソフィの母娘の絆。プライベートでは母親であるストリープに、ドナに共感した点があったか聞くと、意外にも「ノー」と答えた。「ドナとソフィの場合、娘より母親の方が進んだ考え方をしていると思うけど、私自身は保守的な母親だから。でもまあ、娘が親を批判するという点ではどこも同じかしらね(笑)」
ストリープには息子が1人と娘が3人おり、母親と同じ女優の道を歩む長女メイミー・ガマーとは「いつか眠りにつく前に」(07)で親子共演を果たしている。
「メイミーは今、オフブロードウェイの舞台『ワーニャおじさん』に出演中なの。マギー・ギレンホールやピーター・サースガードと共演しているんだけど、メイミーが一番若いキャストなのでとても緊張していたみたい。でも彼女は素晴らしい女優よ。ちょうど私が来日したタイミングで初日を迎えたから、先輩としていろいろ話してあげられなくて残念だわ。代わりに見に行った主人は、評価が気になる娘に一言『良かったよ』しか言わなかったから、娘はすっかり怒ってしまったみたいなのよ(笑)」