「原点にして頂点、そして伝説の始まりの1作。」アイアンマン 桜さんの映画レビュー(感想・評価)
原点にして頂点、そして伝説の始まりの1作。
この映画はこれまで数え切れないほど視聴してきたが、敢えてこれから全てのMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の作品を、出来る限り1つずつレビューしていこうと思う。
よくMCU作品を見たことの無い人達から、作品数が多すぎて見るのが大変だというのをよく言われるのだが、だったらとりあえずこの作品だけでも見て欲しい。そう言いたくなるような映画だ。
まずオープニングから何度見ても大興奮する。
「アイアンマン」シリーズには数多くACDCの曲が使われているが、最初に使われた曲がオープニングの「Back in Black」だ。個人的には一番好きな曲で、ACDCの曲が使われているシーンの中でも1番好きだ。
砂漠の荒野の中、軍用車両が駆け抜ける。
皆軍服を着て、がっしりと構えている中、1人だけスーツに酒を煽り、この曲を車両の中で大音量で流している。
伝説の始まりである。
なんてかっこいいんだろう。
これ程までにACDCの天才的でクールな曲が似合う男を私は知らない。
トニー・スターク(ロバート・ダウニーJr)は、言ってしまえば金持ちでワガママな、性格の悪い天才である。
めちゃくちゃ周りに嫌われるし、性格も自己中心的でやりたい放題。この性格が後に様々なヴィランを生むことになるのだが、今回はあまりその部分は関係ない。
何もかも上手くいっている男が、拉致そして監禁され、瀕死の状態にされながら、兵器を作れと脅される。
そこで初めて彼は気付くのである。
祖国と平和のために作っていた兵器が、紛争の中心部分にされている事を。
そして彼は、世界の平和と愛する人を守る為に「アイアンマン」を作り、それになる。
兵器を知らぬ内に悪用されてしまうなら、自分が兵器になってしまえばいい。
トニーの命の恩人であるインセンから「無駄にするな、自分の命を」という遺言を残される。
その言葉の通り彼は「アベンジャーズエンドゲーム」で、自らの命を世界の為に犠牲にした。
インセンの遺言はしっかりと果たされたのだろう。
この映画は、エンドクレジット後以外、基本的にこの1作で完結しているので、事前知識も要らなければ、続編を見なければ満足しないということも一切ない。
そこも私の中で評価が高いポイントだ。
好きなシーンを挙げればキリがないが、箇条書きでいくつか書いておく。
・オープニング
・トニーの愛車である「Audi R8」のドライブシーン
・チーズバーガー
・マークIIを用いての初めての飛行シーン
・マークIIIの初めての戦闘シーン
・I am Ironman.
ざっとこんなところだろうか。
スーツを制作し、実際に装着するシーンも、後の超便利でコンパクト、より強くなったスーツを見た後だとまどろっこしい感情になる人もいるかもしれないが、私は個人的にこういうガチャガチャしてる感じが男心を擽られると思うし、マークIIIも私のお気に入りのスーツのひとつだ。
後秘書のペッパーがトニーの為にプレゼントした「トニー・スタークにもハートがある」と書かれたリアクター。
後にトニーの葬式に用いられていて、それを見た後このシーン、このアイテムを見ると泣きそうになる。
というわけで、原点にして頂点のこの映画は、何度見ても飽きない最高の作品である。