劇場公開日 2008年11月22日

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ブラインドネス : インタビュー

2008年11月12日更新

本作のメインキャストとして、ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、ダニー・グローバー、ガエル・ガルシア・ベルナルら世界に名だたる俳優たちと肩を並べた木村佳乃。伊勢谷友介が扮する視力を失う第一発症者の日本人男性の妻を演じた木村を、今年5月、本作がオープニング作品として上映されたカンヌ国際映画祭でキャッチ。大ファンだというフェルナンド・メイレレス監督の新作に参加できた喜びを語ってくれた。(取材・文:立田敦子)

木村佳乃 インタビュー
「人生で初めて帰国子女であることのメリットを感じました(笑)」

盲目、英語のセリフなど難役に挑んだ木村佳乃
盲目、英語のセリフなど難役に挑んだ木村佳乃

――「ブラインドネス」は、米国、メキシコ、ブラジル、日本の俳優たちがメインキャストとして配役されていますが、どのような経緯でこの役を得たのですか。

「アジア人女性を探しているということを聞いてオーディションを受けました。監督のフェルナンド・メイレレスの大ファンだったんです。『シティ・オブ・ゴッド』がなんといっても素晴らしかった。度肝を抜かれたというか。冒頭の鶏のカットは衝撃的でしたし、編集、音楽すべてに感動しました」

カンヌ映画祭には着物姿で参加し、 注目を集めた
カンヌ映画祭には着物姿で参加し、 注目を集めた

――メイレレス監督は、英語力と笑顔が素敵なことが決め手で、あなたに決めたそうですが。

「プロデューサーからそのお話は教えていただきました。でも、笑顔はほとんどない役だったんですよね(笑)。英語については、ロンドンで生まれ、ニューヨークで中学時代を過ごしているので、慣れてはいますが、難しいことになるとわからないこともあるので、今回も勉強しました。いろいろなところに住んで、郷に入れば郷に従えという精神が叩き込まれているせいか、環境に馴染むのは早いんです。今回、人生で初めて帰国子女であることのメリットを感じましたね(笑)」

――ノーベル賞受賞作家のジョゼ・サラマーゴの小説の映画化ですが、原作は読まれましたか?

「脚本より先に原作を読みました。とてもユニークな語り方で、これをどう映像化するのだろうと、その辺りにも興味がありました。特に、“医者の妻”(映画ではジュリアン・ムーアが演じてた)は、彼女だけが視力を失わない。おかげで人間のおぞましい本性を全部目撃することになる。あの後、彼女はどうなってしまったんだろうとか、いろいろ考えさせられました」

――突然、視力を失うという難しい役ですが、どのような準備をしたのですか。

「まず、日本で目が不自由な方がトレーニングしていらっしゃる施設に入って学びました。その後、撮影の前には、キャストが揃って3週間くらいのワークショップをカナダでやりました。毎日、アイマスクをつけて歩きまわったり。格好はジーンズにTシャツ、ノーメイク。まるでお芝居のリハーサルのようでした。そこで俳優同士の信頼感や連帯感が生まれたのだと思います」

目の見えない役のための訓練で、連帯感を育んでいった
目の見えない役のための訓練で、連帯感を育んでいった

――登場人物たちが収容される施設は、実際、元刑務所だったそうですね。

「とてもリアリティがありました。スタッフの中にそこに実際に入ったことがある人がいて驚いたんですけど(笑)。監督は、リアリティを追及していらして、それは演技にもいえました。リハーサルのときもカメラを回して撮っている。待ちでボッとしているところも回していたりして、しかも、そういう映像をどんどん使ってしまう。だから“演じている”というより、“そこに存在している”という感覚でしたね」

――この作品は、カンヌ映画祭でオープニングを飾り注目されましたが、海外の映画には、これからも積極的に参加する予定ですか。

「海外で生まれたせいか、むしろ、日本のものに愛着があるんです。だから、理想は日本の映画で、日本でも海外でも評価されるものに出演したい。でも、一方で、チャレンジすることも大好きなんです。だから、チャンスがあれば国籍に関係なく、新しいことに挑戦したいですね」

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