「うーん…あらすじは好きだけれど」山桜 雨音さんの映画レビュー(感想・評価)
うーん…あらすじは好きだけれど
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この映画を途中で放棄せず最後まで見れたのは、野江が結局どうなるのか、それだけが気になったから。
それ意外の面は、わたし的にはあまりヒットしなかった。
恋愛がいまほど自由でなく制約が多い時代に、ある不器用な女が、さんざん回り道をした末、昔からの知り合いだった渋い男(東山紀之カッコいいけど)に、やっと自分の居場所を見い出す。
回り道をしても、人生、最後に幸せになればいいのだ、という気持ちになれる。
でも、全体に月並みな感じ?…折角いい俳優さんたちが出ているようなのにその良さがイキイキ伝わってこない?
自然の描写も、セットも、台詞も、ありきたりで「取り敢えずこういうの出しておけばいいでしょ」的な気がして、別にどうでもよくなってくる。所々挟まれる音楽も何となく風景と違和感。
少し疑問点もある。
野江の家での夕食の真っ最中に、野江の弟が話し始め、みんな箸を止めてしまう場面。何となく違和感がある。もっとお行儀よく食事するのかと思っていた。
もっと「えっ?」と思ったのは、野江が弥之助の家を訪ねたとき、敷居や畳の縁を踏んだように見えた…。それって基本的な作法では?
ついでに、磯村家の跡取りも言ってたけど、野江の不幸そうな恨めしそうな表情は、私も見ていて結構ストレスがたまり、跡取りに少し同情してしまったりした。(その分、最後の方の表情は可愛く感じたけれど)
あらすじが気に入ったのなら、映画ではなく藤沢周平さんの本を読めばよかったのかな、と思った。
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