「エンタメ時代劇きた」ICHI こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
エンタメ時代劇きた
もともと好きなテイスト。正直、観る前には駄作率80%かなあとおもいながらも行ったのですが。面白かった。
パート2作ってもいくない?難しいだろうけど。
それでも手放しで絶賛とはとてもいえない。話は甘いし、微妙な感じもある。
しかしそれをも一瞬こえるような光るものがある。例えば、佐田真由美が画面に浮かんでくるシーン。あるいは頭のほうの、雪が吹きすさぶ中歩くゴゼたちと流れる曲の、ものがなしくも美しい状景。いいと思います!
よくぞいい曲出してくれました!という気分。オーストラリアの作曲家リサ・ジェラルドいい仕事してるわ。
しかしだな、窪塚洋介はひどいね…。観てる間がっくりくるくらいだった。プログラムを読んだら、ちょっと窪塚に謝りたいくらい彼は色々考えて仕事してるんだなあとはわかったものの。
残念ながらその成果をスクリーンで感じない。
一度劇団に入るなり養成所に行くなり、勉強してみてほしい。考えてることの表現の仕方を知れば、一皮むけてくれるんじゃないかな~と期待したい。
ここからは時代劇好きのぼやき。
キャリアのある方々が若手に色々教えたりはしてないのかな?エンタメ時代劇だから衣装とか時代考証とかまでは言わないが、時代劇なら所作ってもんがある。
着物や袴での動き方というものがあるのだ。
その点中村獅童はさすが。大沢たかおと役を逆にしても良かったかも。殺陣は腰が据わっていないとキマラない。それは武道や、日本舞踊などやってる人なら
身についてることだ。これができてる人は、上半身がぐにゃぐにゃしない。
以前陰陽師でも、野村萬歳が山の中を全速力で駆けるシーン。ほとんど上半身がブレないのだ。驚愕だった。あんなに美しい全力疾走てあるもんかと。
中村獅童も通じるもんがあって、悪役やってても上半身がしゃんとしている。これって、落ちぶれても元は剣術師範の家の出、という役にむしろぴったりじゃないかな。
しかしどんな役でも全力で打ち込んでる感じがします。中村獅童はどんどんいい者さんになってる気がする。
大沢たかおは自分の中では不思議な俳優さん。二枚目だ。観ていて感動するほど
うまいとも思ったことないけど下手だとも感じず、邪魔にならず、じゃあ、脇かといわれれば違う気もする。今回もへたれ侍にはちと萌えた。あくが強くないけど、やはりうまいってことなのかもしれない?
真逆に竹内力。楽しかった!いやあ~~~~。濃い!!!!!!!中村獅童を喰う濃さ!映るだけでもうワクワクですわ!
最後に綾瀬はるかはずいぶん頑張りましたね。美しすぎです。多少の頼りなさもうまいこと儚げで。目を開けたままでの盲目殺陣はとんでもなく大変だったと思いますが見事に頑張ってくれてた!これからも期待していきたい女優さんの一人になりました。
自分でも甘いかな~と思いつつも、このジャンルの活性化を願いたく、☆4つ!