劇場公開日 2008年10月25日

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ICHI : インタビュー

2008年10月20日更新

故勝新太郎の代表作で、北野武も自ら監督・主演した傑作時代劇シリーズ「座頭市」を、「ピンポン」の曽利文彦監督が主人公を女性に置き換え、新たな“市”を生み出した。そんな本作で主演を務め、初めての本格時代劇アクションに体当たりで挑戦した綾瀬はるかにインタビューを行った。盲目の剣士という難役を演じた苦労とは? また、本作に込められた思いとは? さらに、市の宿敵・万鬼を演じた中村獅童のインタビューもあわせてお届けする。(取材・文:編集部)

綾瀬はるか インタビュー
「殺陣は大変でしたが、覚えた後は楽しくて爽快感がありました」

話題作への出演が続く綾瀬はるか。今度は時代劇アクションで主演
話題作への出演が続く綾瀬はるか。今度は時代劇アクションで主演

綾瀬が演じたのは、“瞽女(ごぜ)”と呼ばれる、各地を転々として生きる盲目の女性旅芸人の市(いち)。三味線を弾き、歌い、生きる糧を得る瞽女たちは仲間たちと共に行動するのだが、市は過去のある出来事から瞽女仲間からはじき出された、“離れ瞽女”としてひとりで生きている。三味線と仕込み刀と己の力だけを頼りに、固く心を閉ざした市は、旅の途上でひとりの侍・藤平十馬(大沢たかお)と出会い、次第に心を通わせていくのだが……。

孤独に生きていた市が、十馬との出会いで変わっていく
孤独に生きていた市が、十馬との出会いで変わっていく

――初の時代劇アクションで殺陣にも挑戦してみての感想は?

「殺陣はずっと興味があり、いつかやってみたいと思っていたのでうれしかったです。形を覚えていくのは楽しいんですけど、今回は盲目の役なので、殺陣のシーンでは伏目がちだったり、目をつむってやらなければならず、相手が見えないから感覚でやるしかない。自分と相手の方のタイミングがちょっとでもずれて、もし相手の目を突きでもしたら、大変なことになってしまいます。そういう怖さはありました。また、裸足でわらじを履いていたので、足の爪が割れてしまったりもしました」

――目にも止まらぬ速さや、仕込み刀の逆手持ちといった、座頭市特有の殺陣で苦労されたところは?

「素早く刀を納めるという動作を一番最初に練習し、わりとすぐできたので、男性が使っている普通の刀でやらせてもらったら、重くて長くて全然できなかったんです。なので、むしろ逆手の仕込み杖でよかったなと思ってます。勝さんの『座頭市』も担当した久世浩さんという殺陣指導の方に習ったんですが、勝さんの座頭市とはまた違った女性ならではの体勢などを考えてもらいました」

殺陣にも果敢にチャレンジ!
殺陣にも果敢にチャレンジ!

――殺陣をやっていて楽しかった部分はありますか?

「10人斬り(笑)。3人とか5人だとあっという間に終わっちゃうんですけど、10人はやりがいありました。もっと斬ってみたかったんですけど(笑)。覚えるのは大変ですけど、覚えた後は楽しくて爽快感がありました」

――市の内面的なところで難しかったのは?

「監督には、市は心を閉ざしているのでオンオフのメリハリをうまくやってくれと言われました。感情を出すときはバッと出し、あとはグッと押し殺す。感情を表に出さない女の子なので、一言一言がすごく大事だなと思いました。市が背負ってきたものを背景ににじませるのは、とても難しかった」

テーマは現代にも通じると語る
テーマは現代にも通じると語る

――時代劇アクションでありながら、女性が主人公ということで“愛”も大きく描かれていますね。

「市は小さい頃からひとりぼっちで、瞽女仲間からも追い出され、愛を信じられないでいる。そういう彼女が十馬に出会い、少し前を見て歩き出す話ですが、現代社会でも、誰かとのひとつの出会いがきっかけで前向きになれたり、愛をもらうことで頑張れたり、そういう人は多いと思います。恋人でも、家族でも、どんな愛の形でもいいですけど、自分を気にかけてくれる人がいて、その幸せに気づくことは、とても大事なことなんじゃないかなと思います」

――時代劇といっても、そうしたテーマは現代に通じるものがありますね。

「市は『私は生きているかも死んでいるかもわからない』という台詞がありますが、いつ死んでもいいという思いがあった。それが十馬との出会いでひとつの光を見て、その先に何があるかはわからないけれど、市は何かを求めて歩き始める。現代社会は、自殺してしまったり病んでいる若者が多いとよく言われていますが、いま何かに悩んでいる人がこの映画を見て、自分たちも頑張ろうって思ってもらえたらうれしいです」


スタイリスト 西真由美/ヘアメイク 清水恵美子(マロンブランド)


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Q:愛を守る男、虎次は何組の2代目?
a.白河組 b.万鬼組  c.一組

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