TOKYO!のレビュー・感想・評価
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他国の映画監督3名の短編3つのシリーズ。 近未来的に脱線していたり...
其々が見た東京
ミシェル・ゴンドリー レオス・カラックス ポン・ジュノが参加したショートのオムニバス作品。
それぞれが東京をテーマに描かれたのでしょう。
折角なので個別にもスコアをつけてみました。
ゴンドリー ☆3.5
冒頭からウルトラQ感がいっぱい。
主演の藤谷文子が良い空気を出しています。
彼女は「ガメラ」からの起用でしょうか?
特撮感は時代設定からも見て取れて、TVがブラウン管や家賃相場、Macも古い。
どこか緊張感の無いゆるい生活から突如転換期が訪れ、全く別の生き方を見つける。
何とも奇妙で、でもどこか可愛らしい作品でした。
カラックス ☆3
こちらものっけから特撮、とりわけゴジラ感が満載。
色味もそれっぽく、音声もモノラルみたいなもっさり感。
そのやりたい放題のそれは正に怪獣。
拉致被害者家族やオウムなど、日本の闇をちょいちょい出してきます。
こんな感じで日本への風刺が効いていて、あの裁判もそうでしょう。
さらに終盤は少しテンポが悪くなるので、少し好みが分かれるところでしょうか。
ポンジュノ ☆3.8
最初のふた監督と違いアジア人なので視点が全く違いました。
こちらはリアルな社会問題をベースにした作品で、最初の掴みから面白かったですね。
あと香川とポンジュノの相性が良いです。彼のこんな芝居初めて見ました。
部屋など細かいデティールが良くできており、それと緊張感のある音楽も良かった。
あとここでもTVはブラウン管なんですが、これはちゃんと設定からわかります。
最後のオチは意外性はなかったけど、収まりが良かったと思います。
そういえば片山慎三監督がジュノを手伝って感銘を受けたのもこの作品でしたね。
さすがボンジュノ
TOKYOの街に隠れて生きる者たち
NY、パリ、ソウルの3人の巨匠が東京を舞台に描く3つのお話。
一つ30分程度のオムニバス映画。
〈ミシェル・ゴンドリー監督『インテリア・デザイン』〉
ヒロコは、同級生のアケミのうちに居候しながら、映画監督の夢を追う彼氏のアキラと新しい暮らしのために家を探し、お金を稼ぎ…
そんな中、疎外感を感じ始めた彼女の中で何かが変わっていく。
一番ファンタジーで個人的には一番好きかも。
綺麗だけど人間臭い、東京の雰囲気がよく伝わってくる素敵なシーンが多かった。
シンプルに藤谷文子さんが好きなだけかもしれないけど…
海外住みらしいけど、また日本の作品にも出てほしいな。
〈レオス・カラックス監督『メルド』〉
マンホールから出てきて人々に嫌がらせをする、メルドと自称する男が“下水道の怪人”と呼ばれ、東京の人々に恐れられていた。
どうしてそんなことをするのか?彼は一体何者なのか?
そして彼はついに…
3作品の中で1番難解でよくわからない話。
結局彼に何があってあんな風になってしまったのか等、かなり不明点が残る。
ラストの続編への仄めかし方も何が何だか…?
あと、東京の下水道ってあんな古代ローマの遺跡みたいじゃないでしょ笑
〈ポン・ジュノ監督『シェイキング東京』〉
10年間引きこもりの男。
彼は10年間一歩も外へ出ていないが、毎日ご飯は食べ、整理整頓だけは完璧だった。
宅配の受け取りも目を合わせないようにしてきたが、ある日ピザ屋の少女と目が合い、その瞬間大地が揺れ、少女はその場に倒れてしまう。
流石ポン・ジュノ、芸が細かい。
ボタンを意識してか、手につけたトイレットペーパーの芯の跡やコンクリートの地面の丸い跡、積み上げたペットボトルの底など、丸が印象的だった。
監督ピザ好きなんかね。積み上げてるとこなんかモロパラサイト。
全体的に重く難解だけど、最後の「押しちゃった」であたしも恋に落ちましたわ。
どの作品も30分程度にまとめてあるだけあって、一回で全て理解するのは難しい。
東京であるべき必要性も少し薄かった。
巨匠たちは東京をこういう風に見ているのか。
キャストはとにかく豪華。
エンディングの、エレベーターや駅の改札の環境音を織り交ぜた音楽がお洒落でした。
ポンジュノ目当て
三人の監督によるオムニバス。かなり豪華といっていいメンツ。
しかし全く話題にならなかった。見たらわかる、つまんないからだ。ミシェル・ゴンドリーもレオス・カラックスのも「?」 という内容。やっつけ仕事だったと勝手に判断。ポンジュノ監督作のことだけ書こう。
他のポンジュノ作のどれとも似てない作風。短い時間でギュっと引きつける演出はさすが。出てくるモチーフから描きたかったのはSFだろうか。香川照之も蒼井優もいい表情を見せる。
にしても実験的作風で完成度が高いとは言い難い。作家がちょっと違った角度から書いてみた短編小説のごとく。2008年製作に「グラグラ」っていうのが暗示的でちょっと怖い。
どれも内容でんでんTOKYOっぽさがないっていう。好事家向けオムニバスでしたね。
持ちこたえるんだっ‼︎‼︎
あいつが来るまで‼︎‼︎
ポン・ジュノ監督作品までっ‼︎‼︎
そう自分に𠮟咤しながら鑑賞しました。
かといって、前2作品も悪いわけじゃない。
ただアート感強いので。
好き嫌いでちゃいます。
個人的には、1本目が観ていて
こっちがムズムズ恥ずかしくなってくる苦手なタイプ。
作者の世界観の純度が高いほど、アートって思う。
客におもねっていないから、
好き嫌いあっていい。
理解できないような内容に怒る必要もない。
そこへきて、ポン・ジュノ監督。
まず単純に面白い。
エンターテインメント。
物語の掴み。役者の演技。美術演出。
感情の流れの滑らかさ。
唸りました。
笑ました。
楽しみました。
トリの「引きこもり」のみなら★4です。
ポン・ジュノにハズレなし。
鬼才は二人
ナゼ、日本でこの三人によるオムニバス映画を作ることになったのだろう?
映画が好きな人なら知る監督陣、そうでもない人になら知る由もない監督たち。
鬼才だとは個人的に思わないM・ゴンドリーの作品は、奇天烈なオチでキャスト陣も一番豪華。
L・カラックスは「ホーリー・モーターズ」を先に観ていたからゴジラの音楽からのお前かよ!?ってな衝撃もあり手榴弾は呆気にとられたし、石橋蓮司が出演している違和感が良い!?
香川照之、蒼井優を起用しているけれどP・ジュノが撮ると全体的に韓国映画を観ている雰囲気に、引き篭もりは地震くらい起きないと自ら外には出て行かない的な感じが、ちょっと斬新。
間に挟まれたL・カラックスは異端児過ぎる!?
消化不良
NY、パリ、ソウルの奇才が描く「TOKYO」を舞台とした3作品のオムニバスムービー。
それぞれの作品は単発モノで、リンクはしません。
POP CULTUREとしてのTOKYO、
COOL JAPANの中心としてのTOKYO、
そういう視点で描かれていると期待していたのに、なんだかがっかり。
1、2本目の作品はただのB級ホーラー映画みたいで、わざわざTOKYOを舞台にする必要はないのでは?
内面的な部分でTOKYOを描いたのであろうか?
東京人としてイマイチ伝わらなかった。
終わり方も中途半端で・・・むーん、難解。
2作目のラストシーンは「ダンサーインザダーク」なんじゃないかと思ってしまいました。
3作目、これは蒼井優が出てくるお話で、JAPANESE HIKIKOMORI、「引きこもり」のお話で。
これが一番良かったです。
日本を学んでますね。
ただ、「引きこもり」はTOKYOに限ったことではないですからね、「オタク」というよりは「引きこもり」のほうに焦点を当ててたのでなんだか消化不良。
全体的に消化不良な映画でした。
結局、3作品ともにテーマが別にTOKYOじゃなくてもいい気がするのです。
無理矢理TOKYOを押し込んだ感じがしてなんか消化不良。
まぁその消化不良感が、海外から見たTOKYOのイメージなのかもしれない。
と綺麗にまとめてみたものの、うーむ。
期待しすぎたからかもしれないけれど、あまりPOP CULTURE TOKYO!って感じの作品ではない。
なんだか地味だし。
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