「TOKYOの街に隠れて生きる者たち」TOKYO! 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
TOKYOの街に隠れて生きる者たち
NY、パリ、ソウルの3人の巨匠が東京を舞台に描く3つのお話。
一つ30分程度のオムニバス映画。
〈ミシェル・ゴンドリー監督『インテリア・デザイン』〉
ヒロコは、同級生のアケミのうちに居候しながら、映画監督の夢を追う彼氏のアキラと新しい暮らしのために家を探し、お金を稼ぎ…
そんな中、疎外感を感じ始めた彼女の中で何かが変わっていく。
一番ファンタジーで個人的には一番好きかも。
綺麗だけど人間臭い、東京の雰囲気がよく伝わってくる素敵なシーンが多かった。
シンプルに藤谷文子さんが好きなだけかもしれないけど…
海外住みらしいけど、また日本の作品にも出てほしいな。
〈レオス・カラックス監督『メルド』〉
マンホールから出てきて人々に嫌がらせをする、メルドと自称する男が“下水道の怪人”と呼ばれ、東京の人々に恐れられていた。
どうしてそんなことをするのか?彼は一体何者なのか?
そして彼はついに…
3作品の中で1番難解でよくわからない話。
結局彼に何があってあんな風になってしまったのか等、かなり不明点が残る。
ラストの続編への仄めかし方も何が何だか…?
あと、東京の下水道ってあんな古代ローマの遺跡みたいじゃないでしょ笑
〈ポン・ジュノ監督『シェイキング東京』〉
10年間引きこもりの男。
彼は10年間一歩も外へ出ていないが、毎日ご飯は食べ、整理整頓だけは完璧だった。
宅配の受け取りも目を合わせないようにしてきたが、ある日ピザ屋の少女と目が合い、その瞬間大地が揺れ、少女はその場に倒れてしまう。
流石ポン・ジュノ、芸が細かい。
ボタンを意識してか、手につけたトイレットペーパーの芯の跡やコンクリートの地面の丸い跡、積み上げたペットボトルの底など、丸が印象的だった。
監督ピザ好きなんかね。積み上げてるとこなんかモロパラサイト。
全体的に重く難解だけど、最後の「押しちゃった」であたしも恋に落ちましたわ。
どの作品も30分程度にまとめてあるだけあって、一回で全て理解するのは難しい。
東京であるべき必要性も少し薄かった。
巨匠たちは東京をこういう風に見ているのか。
キャストはとにかく豪華。
エンディングの、エレベーターや駅の改札の環境音を織り交ぜた音楽がお洒落でした。