「う~ん…」ラースと、その彼女 まゆうさんの映画レビュー(感想・評価)
う~ん…
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ラースが子どもから大人になる成長の物語であり、愛するとはどういうことか問う物語でもある。ラースの周囲の人々の優しさが際立っている。
とてつもなく優しい、優しい世界。
ラースは、本当のところ、人形を愛してなんかいない。
ただただ自己愛の強い、身勝手な、幼い、病気の人である。人形を生かすも殺すも全て自分次第、不要になったら自分の都合ですぐ捨てる、速攻で人間の女の子に乗り換える(それを成長と言いたいのは分かるが)。ストーリーに何の矛盾も無い。そのまんまである。ひとりよがりではなく、相手を思うのが愛なのだから。
ただ、愛し方が未熟であっても、ラースはシャイで温厚で真面目でとても心の優しい素敵な人物。彼なりに葛藤があり、人には理解されにくい感覚過敏やトラウマを抱えながら、不器用だがそれでも自分の人生を誠実に生きている。それは間違いなく、その人柄のおかげで周囲の人々に愛され、世話を焼かれ、全体がとてもハートフルで何とも心温まる作品になっている。
個人的には、自己愛ではなく、本当に人形を愛して貫き通す男の話を見たかった。作品ではラースはあくまでも治療対象として描かれていたが、私は病人じゃなくて狂人の愛を見てみたかった。
人間が本当に人形を愛するなんて、そんな愛は偽物だろうか??そんな人生は不幸なのだろうか?それはファンタジーやホラーになっちゃうのだろうか。
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