「空気人形、ロマンスドール」ラースと、その彼女 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
空気人形、ロマンスドール
こんな設定は日本人向けだろ!と、ひきこもりの27歳青年が日本人のように思えてくる。ついつい是枝監督の『空気人形』まで思い出してしまう。しかし、本来セックス目的で作られた人形であるにも関わらず、セクシャルな部分は全くない。人形に対する純愛を貫いていたのだ。
狂ってしまったんじゃないかと心配した兄夫婦はさっそく精神科医のダグマー・バーマン医師に診せる。最初は周りの住民も笑っていたり、距離を置いていたりしたが、徐々にラースとビアンカを本当の恋人であるかのように接し始めた。
町中の人が優しすぎる。中でも、ラースの職場の新人でもある聖歌隊のマーゴ(ケリ・ガーナー)はほのかな恋心も寄せていたほど。一緒にパーティに参加したりしていて、嫉妬まで覚えているようだった。病気といっても妄想癖のようなもの。普段の生活には何ら支障をきたさないのだ。
最後には、ビアンカは病気になって死ぬ運命となった。救急車で病院に運ばれもするし、葬式もきちんと行われた。ここまで人は優しくなれるのか?!主人公よりも、俳優の名前すらわからない町の人々がとてもよかった。
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