劇場公開日 2008年6月7日

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「ビストルもナイフもない、平凡の素晴らしさ」ぐるりのこと。 カサキショーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ビストルもナイフもない、平凡の素晴らしさ

2008年11月16日

悲しい

知的

幸せ

ビストルもナイフもなく殺人現場など一切無い、
出演者にゃ悪いけど、モデルのような美男美女も一切出てこない、
いたってどこにでも有る、我々の身近な世界
そんな出来事のつみかさね。
そんな世界で一対の不完全な夫婦が幾多の困難を乗り越え、
完全な一対の夫婦となっていく。
悲しい局面、
でも日常生活の直ぐ横に潜んでいる、
明日自分にふりかかっても不思議ではない出来事に出くわし、
たじろぐ妻を、それを夫が支える。
夫が支えるその姿はひょうひょうとしていて、
肩に力ははいっていない。

悲しさに耐えかねて泣きじゃくる妻に
ユーモラスな会話を仕掛けて和ませていく、
そんな夫の姿に妻は勿論のこと
彼らの廻りの人達も頼もしく思い始める。

自分を好いて、信じてくれる人が横にいてくれることが、
どんなにも幸せなことかを
シンミリと感じさせてくれる作品だった。

カサキショー