ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 : 特集
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」はココが違う!噂の新要素を旧シリーズと比較検証
■そして「破」では?
そして「破」の注目ポイント、現在判明している新要素を紹介しよう。
●その1 ストーリー
特報、予告編から推測すると、TV版でエヴァンゲリオン弐号機とそのパイロット、惣流・アスカ・ラングレーが初登場した第八話から、使徒ゼルエルがネルフ本部に侵攻する第拾九話までがベースとなっている模様。屈指のエピソード、シンジの親友を乗せたまま“使徒”と化すエヴァンゲリオン3号機との苦悩の戦い(第拾八話)も、充分描かれることになりそうだ。そこに、新たに登場するキャラクター、メカがどう絡んでいくのかが見どころになるだろう。
そして旧シリーズと違い、新劇場版では登場する使徒のナンバーが1つずつ順送りになっている(「序」の冒頭で登場する「第4の使徒」は、旧シリーズでは「第3使徒サキエル」)。チラシやフリーペーパーで公開されているキーワードの中に「第3の使徒」という記述があることからも、新たな使徒が登場する可能性は高い。
●その2 キャラクター
「序」の「次回予告」で、その姿を初めて晒した“眼鏡の少女”が、新キャラクターの真希波・マリ・イラストリアス。プラグスーツ(パイロットスーツ)姿が公開されていることからも、新メカであるエヴァンゲリオン仮設5号機のパイロットとして登場するはずだ。ただし、そのスーツは、シンジたち従来のメンバーとは異なる印象のデザイン。どのような経緯で登場するのかが気になる。
さらに話題なのは、人気キャラクター、惣流・アスカ・ラングレーの名称が、“式波・アスカ・ラングレー”と変更になったこと。空母好きの庵野総監督の趣味を反映して、エヴァの登場キャラクターが(軍用)艦船にちなんだ名前になっているのは有名な話だが、旧日本海軍の駆逐艦に「綾波」「敷波」「巻波」の3艦が存在し、海上自衛隊の護衛艦にも「あやなみ」「しきなみ」「まきなみ」が存在することからも、「綾波レイ」「式波・アスカ・ラングレー」「真希波・マリ・イラストリアス」として揃えたものと思われる。
●その3 メカ
前述の真希波・マリ・イラストリアスの乗機として、エヴァンゲリオン仮設5号機が新登場。従来の人型デザインのエヴァとは違い、こちらは、人型の上半身に大型重機を思わせる4脚と2つのサブアームを備えたかなり異質のデザインとなっている(だからこその“仮設”なのだろうか?)。そしてエヴァンゲリオン6号機が、(おそらく)渚カヲルの乗機として月より飛来することになる。
また、旧シリーズではセリフのみで「消滅」と伝えられた4号機(ゲームやフィギュア等では発表済み)も、その姿をスクリーンで披露するという噂も。アスカが駆る2号機は、空中挺進専用の新型装備で大空を舞う模様だ。
■気になる噂
最後に、「序」公開直後からネットで議論が盛り上がった仮説を紹介しておこう。その仮説とは“新劇場版は、旧シリーズの続きなのではないか?”という意見だ。有力な根拠として挙げられているのが以下の点。
・赤い海 (TV版の冒頭は青い海。旧劇場版のラストは赤い海)
・冒頭の巨人の跡 (旧シリーズで初号機が倒れた場所と同じ)
・月の赤い帯 (旧劇場版で巨大化した綾波が血で月を汚した)
・渚カヲルのセリフ(「変わらないな君は」以前からシンジを知っている雰囲気)
旧シリーズでは明確に「2015年」と謳われていた時代設定が新劇場版では出てこないことも、その要因のひとつといえそうだが、新劇場版製作発表時の「時間軸はTVシリーズと同一」という大月俊倫プロデューサーの発言もあり、本当のところはよくわからない。もちろん、「全部観ないとなんともいえない」「アニメ界の最先端を行くスタッフが“ループ”という使い古されたネタを使うのか?」という否定的なファンも多いが、作品を長く・深く楽しむために、こうした話を仕入れておくのも悪くないだろう。そもそもエヴァの魅力とは、混在するさまざまな要素を、自分なりに“再構築”できることでもあるのだから。