「教訓めいた話で楽しめなかった・・・」ウォーリー 瑞さんの映画レビュー(感想・評価)
教訓めいた話で楽しめなかった・・・
ピクサー・アニメは、「モンスターズ・インク」と「ファインディング・ニモ」を頂点としてどんどんつまらなくなっている気がする。次がどんな展開になるかどきどきしながら観ていって、ホロリとさせてしまうそんな映画だったのに・・・ この2本は大好きでDVDも買ってしまったくらいだ。でも、「Mr.インクレディブル」はアイデア倒れだったし、「カーズ」は人間が一切登場しないことがかえって異様な世界に見えた。そして、「ウォーリー」だ。あまり期待もしていなかったが、評価する向きもあるようなので初日に観てきた。第一、子どもが楽しめる映画だとは思えない。製作者の思いもわからないでもないが、単純にロボット同士の話にした方が良かったと思う。実際2体が地球に戻ってきた辺りで、劇場内で観ていた子どもが「もう出ようよ~。もう出ようよ~。」と騒いでいた。第二、人間の描き方が一方的で納得がいかない。教訓として描くのだから当然なのだろうが、700年後に誰も彼もそうなってしまうとは思わないし、思いたくもない。またその絵柄もロボットの描写に比べて雑と言うか魅力的でない。作者の人間への愛が感じられない。ロボットはあんなに愛情深く描いているのにね・・・ ただ、前半の地球でのウォーリーの描写は本当に描き込まれていて、興味深かった。大それた話にして却って失敗した感じだ。