劇場公開日 2008年4月26日

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「度肝を抜くスペクタル、でもストーリーローランド・エメリッヒ監督作品と言うことで勘弁してやってください(^^ゞ」紀元前1万年 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0度肝を抜くスペクタル、でもストーリーローランド・エメリッヒ監督作品と言うことで勘弁してやってください(^^ゞ

2008年4月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 ローランド・エメリッヒ監督は仕掛けはでかいのですが、ストーリーとしては大味になりやすいのが難点です。
 確かに紀元前1万年という時代は、一度も映画で描かれていません。恐竜時代でもなく、古代でもなく小地蔵的に言えば、海に沈んだアトランチス文明とそれを受け継いだエジプト文明の中間期あたります。資料なども乏しい中で、よくもまぁ、想像だけで巨大スペクタル作品としてまとめたものです。
 作品の中で、ピラミッドの建造シーンが登場しますが、これはCGでなく映画史上最大のセットであると言うから、もう驚きのひと言です(@_@)

 まぁ映画を見たと言うよりも、アミューズメントで巨大なアトラクションを体験した来た感動に近いでしょう。

 勇壮なデレーたちヤガル族のマンモス狩りは、手槍1本で巨大なマンモスと戦う壮大な戦いを描いて見応えありましたよ。
 あと一族を奴隷としてさらっていったナゾの一団とそれを取り返しに追ってきたデレーたちとの草原の戦闘では、後半恐鳥も加わり、手に汗握る迫力あるシーンとなりましたが、あまりに場面展開の速さについて行けませんでした。
 もちろんラストの奴隷解放の戦いもすごかったです。

 ただ不満ところもあります。
 巨大なピラミッドと失われた文明。それに神話や神秘思想が当然絡み合っているはずなんですが、明かされるのは大神が沈んだ大陸からやってきたと言うだけ。おそらくアトランティスの末裔なのでしょうけれど、デレーたちよりも遙かに高度な文明をもった大神たちの一族について何の説明もなかったです。
 これが古代エジプトの源流となる王国であったとしたら、あまりに脆くて弱すぎます。 圧倒的に少数のデレーたち部族連合が一度襲いかかるだけで、総崩れになるのですから。もう少し波乱もあり、また彼らが何故ピラミッドを建造しているしているのかその背景にも突っ込んで欲しかったですね。
 デレーとエバレットのラブシーンも乏しく、二人への思いもあまり感情移入できませんでした。
 映画として見たら、ちょっと不満が残る作品かもしれません。まぁ、ローランド・エメリッヒ監督作品と言うことで勘弁してやってください(^^ゞ

流山の小地蔵