おくりびとのレビュー・感想・評価
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感動作という噂だったが、前半は意外にも笑いの要素が多い。 後半に入...
感動作という噂だったが、前半は意外にも笑いの要素が多い。
後半に入ると確かに感動した。
主人公の青年の嫁は基本的に良妻だとは思うが、おくりびとの仕事をなぜあれほど毛嫌いしていたのだろう。
大変なのはやっている本人であって、故人を美しい姿で送り出す尊い職業であることは容易に想像できるはずなのに。
旦那の仕事ぶりを見て考えを改めたようだが、遅過ぎる。
おくりびと
おくる人、おくられる人、生と死、夫婦愛、家族愛、隣人愛、人間の業、職業に対する偏見等、かなり重々しくなりがちな人生における様々なテーマも、適度なユーモアを交えながらの軽快な語り口によって、誰が観ても分かりやすい作品に仕上がっていた。
この映画では滝田演出がどうのこうのと言うよりも、先ずはシナリオの良さを実感した。
原作者に映画化を拒否されたことにより、まったく異なったオリジナルの作品として脚本を構築し直す必要があった訳であり、その為かなり考え、練りに練ってシナリオ作りに力を注ぎ込んだと言う印象を受けた。原作をそのまま使えなかったことにより、却って映画的なイマジネーションに満ちた作品に仕上がったのではないだろうか?
そう言った意味では原作本に徹底的に惚れ込んだ主演の本木雅弘の功績が大きかったのだろう。演技的にも非常に抑えたものであり、かなり好感が持てた。妻役の広末涼子もまずまずだったが、ちょっと顔で演技し過ぎる傾向があり、その辺りが少々気にはなった。山崎務はいつも通り。余貴美子、笹野高史は自然体でとても素晴らしい。
そして忘れてはいけないのは、本木の父親役である故峰岸徹。映画の最後になって漸く登場するも遺体の役であり、当然ながら不動の状態。忘れ去られていた主人公の幼少の頃の記憶が甦り、夜の河原でのフラッシュバックで、父親の顔にピントが合った際の峰岸のセリフ無しの笑顔のクローズアップは特に印象的だった。映画公開中に本当に亡くなった訳であり、やがて訪れるであろう自らの死を意識し、映画の世界の中で自分自身を生前葬として葬っている訳で、ある意味壮絶であり、この映画により深い感動を与えることになった。
こういうことを過去に自らの手で行った俳優は「ラスト・シューティスト」の名優ジョン・ウェインくらいしか思い出せない。
東京で挫折して故郷の山形に戻り、大自然の中で偶然にも生きる道を、天職を見つけ出す主人公とその妻。四季の移り変わりの中に人間の生死のみではなく、 動植物たちの様々な生と死をも見つめた視点が冴え渡る。これを可能にした流麗なカメラワークと巧みな編集、そこにオーバーラップしていく久石譲の非常に抑揚を抑えながらも反復される美しいメロディが、この作品に気品と風格を与えている。
映画は昔から時代を映し出す鏡であると言われている。世界的な未曾有の大不況。生きる希望を失いつつある人々。こういったやりきれない時代にあってこそ、映画はその力を存分に発揮し、苦しい現実生活とは裏腹に、真に人々が求める理想的な社会や生き方を模索し、それらを観客に示し得るのだろう。1930~1940年代におけるハリウッド、第二次世界大戦後の日本映画界等・・・生きていくこと自体が厳しかったそんな時代背景であったからこそ、次々と生み出された過去の偉大な映画群。何かそれらと似たような傾向を最近感じている。良い映画がたくさん作り出されること自体はとても有り難いが、早くこの良くない時代が終わり、より良い時代になって欲しいと祈るばかりの今日この頃である。
生きることの意味を考える。
何年か前に世界や日本で数々の賞を受賞していた話題の映画。
最近たまたまSNSでインタビューの映像がおすすめに出てきたので、気になっていたので鑑賞してみました。
あまり自分の経験でも、身近な人の死に向き合うことはそう多くない。
まして、最期の姿をみることも、、。
主人公がひょんなきっかけで納棺師という今までの日常とかけ離れている仕事に就くことから始まるのは、仕事内容は違えど今はありえることだなあとどこか感じていました。
旅のお手伝いという言葉は確かに間違ってはいないよなと、、
自分が同じ立場で仕事していたらという目線で観るとすごく共感する部分があり、すぐに物語に惹きこまれました。
そもそもどんな仕事であるのか、どう向き合っていけばいいのかを想像もしていなかったので、この映画を通して少しでも知れることができたのはありがたいことです。
いわば他人ではあるけれど、死を送る瞬間のお手伝いの仕事や命との向き合い方、とても尊い瞬間であるなと。
最後に主人公の父が出てきてそこからはもう涙腺が馬鹿になったようにゆるゆるで止まりませんでした。
今までの自分との思い出やその人にとっての最期の瞬間にどう心を添えていくのかがとても素敵でした。
涙腺は緩くなりましたが、また観たくなる映画でした。
生きてるうちにできることをやっていきたいなと前向きにさせてくれる映画でした。
道徳心の源泉
まるで温活専門店で心をあっためてもらったみたい
最初はちょっと重そうな映画かな?と思って観始めたけど、気づけば静かに心がほぐされていくような不思議な時間でした。死をテーマにしてるのに、暗い気持ちになるどころか、人とのつながりや仕事の誇りの大切さをじんわり教えてくれるんですよね。
観終わったあと、涙も出たけど嫌な重さは残らなくて、むしろ心がぽかぽか。まるで温活専門店で身体をあっためてもらった後みたいに、すーっと気持ちが軽くなりました。日本の風景や音楽もすごく綺麗で、しみじみ「いい映画観たなぁ」って思える一本でした。
納棺師も悪くない
フグの白子
人の死を扱うお仕事。考えさせられる作品。
良い作品でした。
一度見れたら十分。
納棺師という仕事をこの映画で初めて知りました。
お涙頂戴と表現する方もいますが、
万人に分かりやすく表現した映画だと思います。
それこそ、仕事が人のイメージになり偏見に繋がるとか、
自分のしている事が不安に感じる気持ちとかよくわかる。
仲良い人が死んだ、なんてほかの映画でもよくあるから、
誰を納棺したから泣けたなんて覚えてないけど、
誇りを持って納棺を行うと決めていく姿の描写はとても良かった。
AIが重みあるんだよなー!AI好き増えろ!
やはり広末苦手です。
13.9.7
ものすごく美しい映画「おくりびと」
少し前に見た作品の感想を。
2008年の作品ですが、ずっと気になっていたので鑑賞。
映像、所作など本当に美しくて、涙もいっぱい出て、本当に心が洗われる作品でした。
特に自分の中で印象に残ったことが、
・周りになんて言われようが誇りを持って仕事する
・幼少期の家族との関係が自分の人生に大きく影響している
ということです。
僕は15年前から経営者になることを志して、今は会社を立ち上げ事業を営んでいるんですが、
「なんで経営者なるの?」「リスクあるからやめとき」「普通でいいやん」「なんでそんな仕事してるの」などなど、、、
いろんなこと言われ続けていました。
作中の本木さんも色々言われながら、それでも自分の仕事を遂行する姿を見て、かっこよさを覚えました。
そして、幼少期の家族との関係が、自分の人生を前進させるときに邪魔することもあると改めて学びました。最近これはよく感じるのですが、再度自分の過去を癒して行きながら、思いっきり前進させていこうと思いました。
自分にとってものすごく大切な作品になりました。
梶清智志
オスカー作品
やたらと評価が高いけど、もしオスカーを取ってなかったらどうなってたのか?
内容は悪くなく、本木の映画も素晴らしかった(またしても勝又に見えたが・・)が、
特別に面白いとは感じませんでした。
あまり考えたことはなかったけれど、納棺師というのは大変なお仕事です。
その仕事に就いている事で周囲が馬鹿にしたり反対したりする、
現実にもおそらくそうなのでしょう。それを知れただけでも収穫ですが。
でも何故主人公が偶然出会ったこの仕事にそこまで執着したのかが不明。
そして最後、生き別れの父の納棺をする事になる展開もやや強引に感じました。
いい旅して帰っておいで。
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父の葬儀の直前に見ました。
見てよかったです。
本木雅弘と広末涼子のカップルで、山形が舞台。
数年に渡る物語で、納棺師になる前から、そこそこベテランとして自信をもてるようになるまでが描かれており、丁寧につくられていることがよくわかります。
もう十数年前の作品になりますが、ほとんど古さは感じませんでした。ただ役者陣は、みなそれなりに若さを感じます。
厳粛な雰囲気のなか、コミカルな描写もところどころあり、いい映画でした。
死は人生の門か?
この映画の内容は説明する必要がないと思うが、個人的に、私の授業でこの映画をどう使おうか考えている。まだ、何にも煮詰まっていないが、主人公、ダイゴの心の変化、例えば、納棺師として歩んでいくかへの疑問、解決、父の死により父への蟠りが解けていくなどダイゴの心の移り変わりに焦点を置くのもいい。彼が納棺師として、歩もうか迷っているとき、この仕事が父親との再会を果たしてくれて、心からこの仕事に対しての確信と自信が持てたこと。でも、これを彼は知らなかった。父親の顔を思い出せなく、思い出したくもない彼にやっと、人生の一コマの区切りがつけたこと。彼の生まれてくる子供とともに歩む新しい人生に明るい希望が持てたこと。そして、父を許せたことが、最も彼の心の重荷を下ろして気持ちが軽くなったと思う。
この主演の男優は顔の表情をよく使い分けていて、微妙な顔の演技が上手だった。しかし、それに反して、伴侶役を演じた俳優はミスキャストだったと思う。この人は誰か知らないがアニメの声優かもしれない声質で、間延びした話し方で、緩慢で、申し訳ないが、残念だった。ただ、この人の役柄は重要で、ダイゴに語りかける一言一言が意味を持っていて、ダイゴの気持ちや考えに徐々に気づきを与える。そして、ダイゴは変わっていった。例えば、父から教わった『いしぶみ』を伴侶に渡す場面や父親の好きなレコードを大切に保存していることが母の愛情の表れと語る伴侶。
しかし、納棺師としての職業選択の決定だけは彼女が彼の気持ちを変えられなかった。彼女が気づいた。これが、素晴らしいかった。
人生においても自分が気づき変われること、または、人の言葉で気づき変われること、全く信念があって、変われないことがある。こんな実例をあげて、話し合いのポイントが見出せればいい。
こういうことに個人的に感動しいたが、クラスの学習者にとってここが論点になるかどうかはわからない。主に、学習者が、会話のトピックを決めて話あう学習者主導型のクラスだから。
少なくても、納棺師という、山形県酒田での貴重な役割、それに、出羽三山として聳える山々、その残雪の鳥海山をバックにチェロの音など話題はあるだろう。
*授業は一月上旬で、学習者はこの映画を見てきて、この映画についてどんなことを話し合いたいか決め、感想、経験、意見などグループで言い合うクラスです。何かアドバイスがありましたら、歓迎します。
美と敬意の生死儀式 納棺
青木新門さんが亡くなったニュースを聞いてこの映画を見ていないことに気がついた。『納棺夫日記』は20年前、都内で入手できなかったからか富山の出版社「桂書房」に直接注文した。当時の私は葬儀屋さんになった女の子の話や監察医解剖や人体の本をいろいろと読んでいた。
舞台は霙の冬から花の春に向かう山形で、照明と色彩と風景が美しかった。女の子になりたかった男の子の場面が一番辛くてきつかった。
餅や干し柿やフライドチキンなどをムシャムシャ食べる場面が多いし山崎努が居るのでどうしても伊丹十三監督の「タンポポ」を思い出す。「こおろぎ」(2006)という映画も同様だった(があまりにたるく、山崎努の無駄使いで途中で見るのをやめた)。伊丹十三へのオマージュなのかな。青木さんの本にも食べ物が沢山出てくる:水島柿、鱒寿司、軒下にぶら下げる鮭。富山だなあ。浄土真宗王国の富山で死は穢れではない。あるのは「生死」で「生」と「死」は別物でなく対立もしていない。お寺との距離も近い。月命日に必ずお坊さんを家に呼ぶ(朝8時!)。仏壇にお花、お坊さんにお茶と和菓子を用意して、お経をあげて頂きお礼は千円位。毎月だから誰か家に居ないと続けられない習慣だ。キラキラの仏壇と井波の欄間が立派な広い仏間は富山の少し昔の典型的和風家屋に欠かせない。そういう富山の人のメンタリティと親鸞の考え、そして空気感を変える程の清浄な立山連峰は映像に是非とも必要だったろうと私ですら思った。だから富山ロケができないことと、素晴らしい脚本だが結末が自分の言いたいこととは異なるという理由で青木さんが自分の本を原作として挙げないでくれ、と言ったのはわかる気がする。
でももっくんが青木さんの本に出会わなかったら、青木さんに何度も会いに行かなかったらこの映画はできなかった。もっくんの一挙一動は静謐で美しい。日本人で彼ほどスーツや白シャツを美しく着こなす人は少ない。寡黙に自らの身体と所作で表現する様式美タイプの役者さんだと思う。
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