「それなりに面白いが・・・」ハッピーフライト masakoさんの映画レビュー(感想・評価)
それなりに面白いが・・・
この映画だけ観たら普通に面白いと思ったと思うのですが、矢口監督作品だと思って期待しすぎちゃった感があるかも。
基本的には群像劇にようになっています。一応メインは副操縦士の鈴木とCAの斎藤なのだとは思いますが、まぁ本当沢山の人たちが出てきて、飛行機1台飛ばすのに、様々な人たちが関わっていることがわかります。
今はキャビンアテンダント(CA)ですが、昔はスチュワーデスでしたよね。そしてスチュワーデス物語(見たのは再放送ね)で、CAの大変さをすごく感じていたし、華やかに見えるけど体力勝負の世界だとも聞いていたし、そもそも私英語苦手だし、ということでCAに憧れたことは一度もないのですが、やっぱりCAですとか、グランドスタッフですとか聞くとすごいな、と思いますね。憧れたりなりたいとは思わないけど、すごいと思う。自分には無理だと思うからかな。
でもやっぱり大変ね。CAもグランドスタッフも。要はサービス業だもんなぁ、とつくづく感じてしまったし、本当偉いと思って観てました。大変なのわかるから私は文句は言いませんよ。飛行機だって、定刻に飛んで定刻に着いて欲しいけど、飛行機は遅れるものって思ってるから、少しぐらい遅れたって他の飛行機に乗り換えさせられたって怒らないです。点検時に問題が見つかってしまったなら、それをちゃんと解決してもらった方が結果的には早いし安全だろうから。定刻に飛ばさないといけないからって、ちょっとの不良を無視するから大変なことになるんですよね。整備士さんも時間との戦いで本当大変だなぁと思いましたわ。
でも私飛行機乗るの全然平気ですけど、飛行機乗るのが怖いって言う人はこの映画観たらますます乗れなくなるよね。ANA、大丈夫か??
映画は結構大変なことになってしまうホノルル行の便を舞台に、コメディタッチで沢山の人たちの活躍が描かれていきます。そして飛行機マニアの人たちの存在も。飛行機が好きな人って本当に空港によく来てるんですね。機体の種類とか見分けつくんですね、すごいです。
初めて知ったのはバードさんと呼ばれていたバードパトロールの人の存在。鳥の群れが飛行機にぶつからないように、空砲を撃って鳥を飛行機から遠ざけてる人がいるんだそうです。
そして管制塔やオペレーションセンターの人たちのお仕事も全然知らなかったので、へぇと思って観ていました。ちょうど小学生が空港見学に来ている設定になっていて、子どもたちにはオペレーションセンターには興味なさそうにされちゃってましたけど、私はむしろこっちの方が興味深々でした。管制官は正直何やってるかわからずでそしたが。
ただ飛行機マニアではないので、問題が起きてしまった後も、コックピット内でのやり取りを見ていてどういう状態がOKで、どういう問題がNGなのかが一瞬ではわかりにくくかったです。
でも矢口監督ならではの笑いの取り入れ方の上手さは相変わらずでした。そしてコメディではありますが、きちんと人間関係や人物描写を描いているところはさすが。ただ残念だったのはいろんな人にスポットを当てすぎていて、なんとなく中途半端になってしまっていた所かな。
それでも各現場で働くプロの人たちの働きぶりは格好良かったですね。機長・原田(時任三郎)、チーフパーサー・山崎(寺島しのぶ)、グランドスタッフ・木村(田畑智子)、ディスパッチャー(肘井美佳)なんかは本当プロの仕事なぁと感心して観ちゃいました。チーフパーサーなんて、気を利かせたつもりが機長にどなられちゃったりして多分かなり心の中ではムカついているだろうけど、ぐっと我慢したり、他の人では気づけないようなことに気づけたり、後輩CAを厳しく育てたり、本当あの冷静な仕事ぶりは見事ですよ。
それに比べて副操縦士の鈴木(田辺誠一)と新人CAの斎藤(綾瀬はるか)のチャラチャラぶりときたら。。。本当プロ意識が弱くて、映画的には笑いも取れてOKだったと思いますが、はっきり言って一緒に仕事はしたくない人種ですね。だいたい新人のくせに遅刻してくるって常識疑いますよ。でも綾瀬はるかみたいなタイプだときっとそういうのも許されちゃうんだろうなぁ。
個人的にはGSワンダーランド でもいい味を出していた岸部一徳がよかったです。最初はね、ただのオッサンなんですよ。一緒に働いてる若いディスパッチャーががっかりしちゃうぐらい。だけどデキル男でした。PCがダメになってからのあのすばやい動きと的確な指示。なんだ、かっこいいじゃん!と思いましたよ。
あとは完全に男性目線かもしれないですが、綾瀬はるかの胸のでかさが強調されてたのが気になってしまって。エプロン取ってブラウスだけになった時ねー、綾瀬はるかだけ胸のデカイのがすごいよくわかっちゃったんですよ。って気にしすぎ?
たいしたストーリーはないし、主役がいるわけでもないです。ホノルル便の出発前から着陸までの一騒動と、それに関わる沢山の人たちをテンポよく描いた映画。でもみんなが一致団結してるところなんかはすごくよかったです。なんていうのかな、みんな向いてる⇒の方向が一緒なんですよ。
というわけで、結構楽しんで観ましたが、矢口監督作品では
スウィングガールズ>ウォーターボーイズ>ハッピーフライト
ですかね。