劇場公開日 2008年10月4日

「救いのないドラマ」容疑者Xの献身 えーじさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 救いのないドラマ

2025年9月15日
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あまりに救いのない物語り、、、湯川はそれを暴く事の無惨さ無意味さ救いのなさを全て理解した上でこの事件に関わった。その必要性が本当にあったのだろうか⁇…と、思ってしまう映画。

確かに石神は人を殺めた。その罪は償わなければならない。しかしここに、この物語りに対する大きな疑問が残るのである。なぜなら石神ほどの頭脳の持ち主ならば何の罪もない他人をあんなに簡単に殺す事が出来るのであろうか⁉︎ 石神にとってかけがえの無い隣人であった事はおおいに分かるし理解できる。しかし行う行為は殺人である。どんなに大事な家族であってもそれを守る為に躊躇なく人を殺せるものだろうか⁉︎ それが出来るならばそれこそ、ある意味サイコパスである。

石神は隣りに越して来た花岡家によって命を救われ、それだけでなくその隣人の花岡靖子に恋をする否、愛(め)でる事の感情と言うものを初めて知った。が、しかしである、だからと言って殺人迄犯すだろうか⁇ ← ここがどうしても私には納得出来ないのである。
だが、もうひとりの自分が言う……石神は愛でる事を知り人になったのだ!だから人を殺めてしまったのだと…だとしたら、なんと皮肉な事だろう。。

そして此れら全てを分かったうえで湯川は靖子に石神が行った犯行を話す。(湯川はどう見ても自己満足でしかないと思ってしまう…)この事によって靖子は罪の意識にかられ自首してしまう。この時の堤真一の迫真の演技が心に突き刺さる‼︎ そして誰も救われない…。。
切なさだけが残る傑作である。

えーじ
Mさんのコメント
2025年9月22日

私は、石神が最後まで知らぬ存ぜぬで通して欲しいと思いました。
あそこで泣き崩れてはいけない、が正直な感想でした。
意思を突き通して、完全犯罪で終わって欲しかったです。

このレビューの石神への考察、とてもおもしろかったです。
殺人に関する考え方は、全くその通りだと思いました。この映画では、そこまで考えていませんでしたが、次の「方程式」の方では、理由があれば人を殺していいのか(反語)」ということを痛切に感じました。
何にせよ、とても印象深い作品でした。

M
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