「原作の良さを残しつつ絶妙なアレンジ」容疑者Xの献身 ロロノアゾロさんの映画レビュー(感想・評価)
原作の良さを残しつつ絶妙なアレンジ
2008年10月4日公開。
東野圭吾原作の「容疑者Xの献身」劇場版です。
小説を読破し、大昔に観た記憶のあった本作を改めて視聴。
石神は石坂浩二さんの記憶があったのですが、堤真一さんだったのですね。原作の「ダルマの石神」には忠実でないですが、何とも言えぬ表情の演技は流石ですね。(工藤はダンカンさんのイメージではなかった。)
湯川の人間味にフォーカスするというテーマや、ホームレスの伏線など原作の良い味を残しつつ、上手にアレンジしているので監督の手腕も素晴らしいです。以下の2点が、原作と異なる点でよかった点です。
①登山
原作になかった雪山登山は湯川と石神の友情を彷彿させる良いシーンでした。真相にたどり着いた友人を見捨てない石神の人間性を再確認させる名シーンです。
②石神の電話に出ない花岡靖子
工藤に惹かれていた靖子は石神の想いが重圧となり、電話を無視しようとします。人を殺めてなお、幸せになりたいと願う靖子の”甘さ”が浮き彫りとなる良い描写でした。
原作がとても良かったので映画にはいまいち期待はしていませんでしたが、期待をいい意味で裏切ってくれました。
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