劇場公開日 2008年2月9日

潜水服は蝶の夢を見るのレビュー・感想・評価

全37件中、21~37件目を表示

4.5なかなか無い映画。主題がいい映画

2013年1月14日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:TV地上波

悲しい

楽しい

興奮

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人生万歳

4.5極限状態になった時、どのように動くことができるか

2012年5月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

かつてELLE誌の編集長をしていたジャン=ドミニク・ボビー氏の自伝小説の映画化である。
作品は主人公の目線と過去の記憶から綴られている。
ボビー氏はドライブ中に脳血栓に襲われそのまま全身不随に陥ってしまう…その不自由な状態はまさにこのタイトルに或る。
映画を見ながら自分がこういう状態になった時の気持ちは?そしてどう行動するか?何ができるか?想像せずにはいられなくなった。
潜水服よりもこの状態、精神的重さのほうがおそらくもっと計り知れないくらいだろう。
主人公の記憶と想像で紡がれるこの物語は、自由奔放に過去、現在を飛び回る。
生きる尊厳を奪われながらくじけても立ち上がり、自分のやり方で自分自身を懸命に生きる事で改めて「人間であること」を確認する姿に完全に感情移入して観てしまいました。

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みかっぴ

4.0映画で在るべき作品

2012年1月16日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

上から見下ろすカットをほとんど使わないのが特徴的。
どん底から始まり華やかだった過去へ戻って行くストーリーと要所要所のドミニクの想像力はジュリアン・シュナーベルの詩的映像と最良のパートナーとなった。
ドミニクの心情を広大な自然の情景を用いる表現は素晴らしかった。
作品の冒頭で崩れ去った氷河がエンディングで巻き戻されるのも印象的だ。
まさに映画でしか表現出来ない芸術性があった。

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keita

4.5永久に蝶の夢を見る。

2011年7月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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Chemy

5.0人間すべては共有できない

2008年12月30日

興奮

知的

自分の肉体の中に閉じ込められてしまった主人公に、何人かの登場人物たちが言う。
「自分の経験は一種のロックトインだ」
確かに、私たちはみんな程度の差こそ大きいけれど必ず孤独の中にいる。
そして、そんな中にこそ私たちの想像力がはためく可能性があったりする。

だから実在の人物とはいえ、かなり想像しにくい主人公の状況は(想像しやすいように映像は補助してくれます)、実は人間の本質的な部分を表しているのかもしれない。

昨日観てたときはあんまり好みの映画じゃなかったなぁ・・・と思ってたけど、今日お風呂でふとそう思いついて、いい映画だな、と驚きました

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かきご

3.0エンドロールは、氷山の崩れの逆回転

2008年11月20日

泣ける

知的

難しい

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shimo

5.0成し遂げられるだけの理由がある。

2008年11月19日

泣ける

笑える

悲しい



 もちろん応援することも、希望を感じさせることも大事だろうけど、
 どんな過酷な状況に居ようとも「希望を捨てるな!」と声高に叫ばないで
“現実”を描いているところが素晴らしい。

 左目の瞬きだけしか出来ない人間が、
 知識と経験を総動員し想像力を発揮して、本を執筆する。

 そんなこと僕には到底無理だろうし、出来ても陳腐な詩ぐらいが関の山。
 そういう意味では、導入からすんなりと入っていける美しい描写で、
 彼の経験を体験しているような錯覚に陥るようであるのに、
 これは“持っている者”のお話だと言い聞かせて観てもいる。

 そして、忘れてならないのが、
 ジャン=ドミニクはELLEの編集長だったということ。
 凡人どころか、才能溢れる人物であり、
 そこに到るには相当な努力もあったであろうし、
 その結果として人生を謳歌していた人物であり、
 全ての人がこの作品の主人公のように医師や理学療法士、
 言語療法士から受けているような
 好待遇を得られるわけじゃないでしょう。

 それなりの“モノ”を持っていたと思うのが当然で、
 セリーヌや子供たち、友人たちに愛情が全くないとは思わないが、
 父親や恋人のイネスが取った行動の方に強い愛情を感じてしまう。

 ジャン=ドミニク自身にもそれはよく分かっていたのだろう。
 だからこそ、重たい潜水服に身を包み
 海の底に沈んでいくような感覚にもなるし、
 それでも目の前の献身的な人々を見て、そんな中にいたくはないと、
 蝶のように想像の翼を羽ばたかせ、
 世界を旅する気持ちにもなるのだろう。

 実話を美化することなく、
 丁寧に彼が見たであろう光景を繊細に再現しようとする映像も、
 想像したであろう世界を幻想的に描いた映像にも惹き付けられ、
 男の“欲”を排除しない視線の動きにも、
 ユーモアや毒を吐くことを忘れないモノローグにも、大いに共感し、
 それでも最大限の敬意が感じられる作品で、肉体的にというだけでなく、
 似たような状況に遭遇したその時に、
 思い出したい、ヒントにしたい作品。

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いきいき

4.5ぬけぬけと力強い人間の賛歌

2008年11月14日
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The Dude

2.0少し飽きた

2008年9月25日

悲しい

左目だけで言葉を伝達し、本を出したとことは衝撃的な内容ですが、映画として観たときにその苦悩っぷりが全面にでているので、途中からその設定にたいしての飽きを感じてしまいました。

これは実話です。本当にあった話です。といわれるとなんだか「すごいなー」という気分になりますが、最近の映画は必要以上にそれを押し付けられている気がします。実話だからプラス何点みたいにしてしまっている自分がやるせなくなります。

それから印象的だったのはE.S.A.・・・という言葉で、途中から呪いの呪文のように聞こえ始めて少しぞっとしました。

また、エンドロールの氷山?が落ちる映像の逆回しは、再生をうまく表現していて、なんだか妙にぐっときました。

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てぃち

4.0主人公とともに潜水服の中へ

2008年8月17日

泣ける

幸せ

オスカーノミネートのフランス人ジュリアン・シュナーベルが監督する映画" Le Scaphandre et le Papillon"="The Diving Bell and the Butterfly"=「潜水服は蝶の夢を見る」。

実在する主人公が書いた手記をもとに映画化されたものです。脳梗塞で左目以外動かせなくなった主人公の視点から見たものなのですが、この演出が素晴らしかったです。

映画の中の主人公の周りの人にとっては、コミュニケートが極めて難しい患者として写るのですが、彼の心の声を観客は聞くことができるため、観客にとっては広い表現力を持ったユーモアのある人物として映ります。

邦題にも仏題、英語題にもあるように潜水服の中に主人公とともに観客は閉じ込められます。潜水服の中から主人公と一緒に外界を観察しているような感覚に陥るこの映画、やっぱり監督の力量なんでしょうが、最初から最後までぐいぐい映画に引き込まれ、あっという間にラストシーンです。フランス映画には珍しく(?)心地よいカタルシスも得られます。監督賞ノミネートも当然?

おすすめです。

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dobuboba

5.0人間愛だね~

2008年8月17日

泣ける

悲しい

幸せ

脳梗塞で左目以外動かなくなった雑誌編集長が、左目の瞬きだけを使って言語療法士と二人三脚で一冊の本を完成させるまでの実話の映画化。

この手の作品は、どうしても障害のある主人公の演技に目が行きがちで、そこにはどこか見世物的な趣があるように感じ、どちらかというと敬遠していました。ダニエル・デイ・ルイスも、ロビン・ウィリアムスも、ダスティン・ホフマンも、そしてロバート・デ・ニーローもみなさん障害者をがんばって演じてたけど、がんばればがんばるほど偽善ぽくってしらけちゃうんですね。

でも、この作品はしょっぱなから演出の仕方に工夫があります。ああやられると見世物的な感覚は緩和され、主人公の心情にすっと入っていけます。ストーリー展開はいたってオーソドックスですが、視点の設定が斬新なので退屈になりません。無理やり泣かせようとするのでなく、淡々と展開していく演出が、逆に涙を誘うこともしばしば。マチュー・アマルリックでしたっけ、主人公演じたフランス人俳優の人。とてもいい存在感ですね。

フランス映画観ると、いつも人間のリアリティを教わります。

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あんゆ~る

2.0情熱大陸でええんちゃう

2008年7月27日

難しい

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とーま

4.0今までにないくらい主観的

2008年4月2日

泣ける

かつてここまで忠実に主観的な映像を再現したのは見たことがない。
アカデミー撮影賞が撮れなかったのが不思議なくらいだ。

映画は8割くらい主人公の目線で描かれる。その映像がとてもユニークで、ピンボケだったり、話し手の顔が見えなかったり、関係ないところを向いていたりする。これほど主人公と一体になれる映画は珍しい。自分の意思が伝わらないことのもどかしさ、手足の自由がきかないことへのイラつきが嫌というほど伝わってくる。
そんな苦しい状況だが、主人公は「想像」することで自由な身体を得て、何処へでもいけるのだ。この辺りの映像が、映画全体の息苦しさを緩和させる。

登場する女性はみな魅力的に描かれている。主人公は言葉には出さないものの、次第に感謝の気持ちや愛情が芽生えていると感じられる。

感動を押し付けるような映画ではなく、人間の温かみをしんみりと伝える秀作。
ただ、映像を楽しむにはある程度のスキルが必要かもしれない。

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にゃん

1.5蝶になれない蝶を観るのは退屈

2008年3月3日

単純

寝られる

ロックトインシンドローム患者が瞬きで自伝を綴ったという事実には驚嘆するが、それを映像化して面白いかといえば、必ずしもそうではないし、その手法には大いなる工夫と困難がつきまとう。だが、この作品はそうした難問を、前宣伝ほどには克服できていない。それどころか、作品として哀しいくらい見事につまらない。
同患者にかろうじて残されたものは左目の自由の他に二つ。「記憶」と「想像力」。その貴重な「想像力」が貧弱で陳腐ときては誰も面白がれないし、楽しめないし、安手の涙さえ流せない。患者の「想像力」は大空を自在に羽ばたく「蝶」になれず、さなぎのまま朽ち果てている。一つ言えば、言語療養士の唇が何度も何度も繰り返す「E.S.A.R.I.N・・・」というアルファベッド、意味を持たぬはずのアルファベッドの文字がある様式美やリズムを伴ってしだいに耳に快く響いてくるのは意外であった。意味は不明だが、俳句か短歌のような定型詩を聞かされているような不思議な錯覚と陶酔にとらわれた。だが、だからといって、これはこの映画の評価を上げるものでは決してない。

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アマポーラ

5.0蝶は浮気の象徴。

2008年2月24日

泣ける

笑える

悲しい

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ハチコ

4.5監督のキリスト教に対する描き方には疑問が残ります。

2008年2月20日
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鑑賞方法:映画館

脳梗塞で、一切の身体の自由を奪われた主人公の映画のために、当初から動きの少ない作品であることは予想されました。それでもきちんと映画になっている監督の力量に驚きましたね。

一見単館系のフランス映画に見えて、撮影はスピルバーグ作品の撮影監督が努めていたり、なんと主役は当初ジョニー・ディップが演じることになっていたそうです。残念ながら、パイレーツの撮影が多忙で、流れてしまったそうなのです。「ネバーランド」でヒューマンな主人公を好演したジョニデであれば、もっとこの作品に陰影を付けられたことだろうと思い残念に思います。
 まぁ、それくらいバリバリのハリウッド映画でありながら、監督はジャン=ドーの存在感にこだわり、ジャン=ドーの入院したフランスの病院でロケし、ハリウッド映画では珍しくフランス語で語らせることで、まるでドキュメンタリーを見ているかのようなリアルな作品となりました。

 但し主役のマチューの演技もリアルティもなかなかのもので、元気だった頃のジャン=ドーと入院後では、全く別人といえるくらい説得力がありましたね。
 撮影方法もジャン=ドーの唯一動く左目の視野の制約をそのまま描き出し、なんと彼に語りかける人の顔までフレームアウトしてしまう徹底ぶりです。
 右目を閉じる手術のときは、ゴムをレンズにおいて、縫合するところを撮ったそうです。

 ただこの作品はそんな映画技法以上に、テーマがが強烈に語りかけてくる作品でした。 脳梗塞が身近な病気になった現代。もしも自分がジャン=ドーになったらと問いかけずにはいられなくなります。
 原作で彼は、こう語っています。「健康なときは私は生きていなかった。存在しているという意識が低く、極めて表面的でだった。しかし私は再生した時、『蝶の視点』を持ち復活し、自己を認識する存在として生まれ変わった。」
 確かに映画でも「死にたいと」述べていた彼は、明らかに変わっていきます。そして家族の絆や父親としての実感など、今までほったらかしにしてきた大事なことにも気がついていくのでした。
 きっと彼の使命は、人生の目的を多くの人に考えさせることににあったのではないかと思います。五感が満足に機能している間は、刺激に反応しているだけだし、自分欲求を満たすことで頭がいっぱいで、感じている出来事の意味の一つ一つを深く考えていないことが多いはずです。
 視聴覚や嗅覚などを満たすだけの日々は、本当に生きていることなのだろうかという疑問をジャン=ドーは病気になって初めて、気がついたのでした。
 華やかな一流ファション誌の編集長を努めていて、自分が主役であり、思うとおりになった人生、それがずっと続いていくかのように思っていたのに、諸行無常であったのです。
 けれども心の内を見つめれば、そこには無限の可能性が宿っていたのです。ジャン=ドーにはそれが蝶となって羽ばたく如く、魂の自由を感じたのでしょう。

 一編の詩集を見るような作品です。
 淡々と進んでいきますが、終わったあと、観客はみんな哲学者になっていることでしょう。
 ということで、凝った撮影技法や詩を紡ぐようなカット割り構成など斬新な表現方法をとっている本作は、単館系の作品を何本も見ているような通の人に受けるこだわりの一本と言えます。
 ただ一般の映画ファンにも、アクション映画ばかりでなく、たまにはこういう作品で人生とは何だろうと思索に耽るのも悪くないと思いますよ。

●追伸
 不満点を述べるなら、ジャン=ドーの魂の叫びが聞こえなかったということです。彼が希望を見つけるまでの間、画面は回想シーンに飛んで、気がついたら本の執筆が進んでいたのです。もう少し彼の葛藤と克服していく過程が見たかったです。

 また彼の奥さんは信仰深いクリスチャンであったことから、ジャン=ドーをルルドに連れて行こうとします。結局ルルドへ行く前の教会のジーンで、突如回想シーンになって、顛末がよくわかりませんでした。
 ルルドの聖地の回想では、過去に巡礼の行列に並んだシーンしか出さず、むしろルルドの歓楽街での体験を長々と撮っています。あれでは監督は、聖地といってもこんな俗っぽい裏があるよと聖地を貶める表現を敢えてしていると言っても過言ではないでしょう。
 カウンターカルチャー出身の画家も兼ねる監督だけに、宗教による救いに対して抵抗感があるのかもしれません。

 全身麻痺した、ジャン=ドーであれば、神についても考えたことでしょう。また内なる心の世界を斯く見入ることで、様々なインスピレーションにも敏感となり、魂についても思いはせていたに違いないと思うのです。

 けれども監督は、ジャン=ドーに神を信じる気持ちからの懺悔や罪の思いに対する許しなど、一切触れませんでした。そもそも神についてどう思っていたのかについても触れてなかったのですね。
 ジャン=ドーのような人にこそ、魂の完全性や永遠性に触れさせてこそ、大きな感動を呼ぶものだと思います。
 生きているという現象を追いかけているだけでは、やはり潜水服の世界から抜け出せていないなあと思いました。肉眼を超越したところに「蝶の目」はあるものですから。

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流山の小地蔵

3.0最初はジョニー・デップ主演だったらしい

2008年2月11日
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フリーダ