ヒトラーの贋札

劇場公開日:2008年1月19日

解説・あらすじ

ナチス・ドイツがイギリス経済を混乱させるために実行した贋札製造計画“ベルンハルト作戦”。贋造を強制させられたユダヤ系技術者の視点から事件の裏側を描いた人間ドラマ。第2次世界大戦中、贋ポンド札を製造するために強制収容所内の秘密工場に集められたユダヤ系技術者たち。拒否すれば命はないが、作戦の成功はナチスの優勢に繋がり、ユダヤ人がさらなる苦しみを受けることになる。彼らは自らの命と信念の間で葛藤し……。

2006年製作/96分/ドイツ・オーストリア合作
原題または英題:Die Falscher
配給:クロックワークス
劇場公開日:2008年1月19日

スタッフ・キャスト

監督・脚本
ステファン・ルツォビッキー
製作
ヨゼフ・アイヒホルツァー
ニーナ・ボールマン
バベット・シュローダー
原作
アドルフ・ブルガー
撮影
ベネディクト・ノイエンフェルス
音楽
マリウス・ルーラント
美術
イジドール・ビマー
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受賞歴

第80回 アカデミー賞(2008年)

受賞

外国語映画賞  
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映画レビュー

3.0史実に基づく、興味深い人間ドラマだ。

2024年11月3日
PCから投稿

国家による史上最大規模の通貨偽造事件でもある、ナチス・ドイツの「ベルンハルト作戦」を描いた歴史ドラマ。実際に贋札を作ってきた、ユダヤ人収容者たちを描いている。

虐殺を恐れて贋札づくりに協力し、看守からの侮辱に耐えつつ、一定の環境を保証された専用の収容所を舞台に、銀行家から政治活動家まで、さまざまな経歴を持つユダヤ人の葛藤を描く。

史実に基づく衝撃的な話だが、殊更に善悪を強調せず、落ち着いたトーンの上質な人間ドラマだ。歴史の裏に忘れ去られてはならない人々と、真正面に向き合った良作だ。

ナチスへの協力と生き残ることの間で、ユダヤ人収容者の間でも、心が揺れ動く。自らの技能を犯罪に使うことでしか生き延びられなかった人々の葛藤を取り上げた、実に興味深い歴史ドラマだ。

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岡崎仁

2.5生き延びたいのか、仲間を助けたいのか、反抗したいのか

2024年6月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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カメレオン

3.0カール・マルコビクスがGTA4のニコ・ベリックに見えて仕方ない。ニ...

2023年11月28日
PCから投稿

カール・マルコビクスがGTA4のニコ・ベリックに見えて仕方ない。ニコ・ベリックはジェイソン・スティサムに由来すると思ってたけど違ったようです。

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関学にチー牛はおらんのんじゃ

4.0【”生きてこそ!”敗戦濃厚のナチスのハインリヒ・ヒムラーが画策した「国家による史上最大の偽札制作、ベルンハルト作戦」を題材にした捕らわれたユダヤ人たちによる偽札づくりを描いたヒューマンドラマ。】

2023年11月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

ー 収容所に集められた偽札づくりのプロのサロモン・ソロヴィッチを始めとした、ユダヤ人達が、自分の命を守るためにナチスの命令に従うか、逆らい殺された家族の為に正義を全うするかの間で葛藤する、ヒューマンドラマ。ー

■第2次世界大戦中のドイツ、ザクセンハウゼン収容所に、特殊な技術を持つユダヤ人たちが集められる。
 イギリスの経済を混乱させるべくナチスが計画した「ベルンハルト作戦」。完璧な偽ポンド札を作るための人員だった。
 そんな彼らは各々の思いを押し込めて偽札作りに励む。

◆感想

・ガス室に送られると思っていたサロモン・ソロヴィッチ。彼を捕らえたヘルツォークは戦時、ナチスSSになっており、ヒムラーから指示された「ベルンハルト作戦」の総責任者として、彼を任命する。
ー 故に、サロモン・ソロヴィッチや印刷のプロ、ヘルツォーク等は他の収容者とは違う厚遇を受ける。-

・そして、サロモン・ソロヴィッチらが作り上げたポンド札はイギリス銀行でも真札として認められる。
ー その労いで、サロモン・ソロヴィッチを自宅に招き、家族を紹介するヘルツォーク。だが、彼も全体主義の中で駒で有ったことが分かるシーンでもある。-

・更に、ヘルツォークはドル札の贋作作りも指示するが、家族が収容所で殺された事を知ったブリガーは原版に傷をつけると言ったりし、サボタージュする。サロモン・ソロヴィッチたちは全員殺されると彼を説得しようとする。

■ラスト、ナチスは敗北し収容所に連合軍の配下が押し寄せるシーン。サロモン・ソロヴィッチらに銃口が向けられるが、彼らは腕に刻まれた収容所番号を必死の表情で見せるのである・・。

<ナチス・ドイツ関連の映画は、今までにどれだけ製作、公開されてきたのであろうか。私自身は50作は観ていると思う。
 だが、ナチスが犯した誤りを風化させないという意味では、ドイツが制作に関わっている作品は観る側に深い余韻を残す。
 自国の過去の誤りを、映画として残し二度と同じ過ちを繰り返さないという気概は素晴らしい。
 だが、ドイツでもネオナチが数年前から台頭して来ている。
 日本も同様である。(日本会議、右翼発言を繰り返す国会議員。又それを指示する人々。)
 全体主義を封じ込める策は、ないのであろうか・・。
 このままでは、再び世界的な戦争が起きてしまうのではないかと懸念する日々である。>

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NOBU