ジェシー・ジェームズの暗殺のレビュー・感想・評価
全37件中、1~20件目を表示
虎の威を借る狐の末路
ジェシー・ジェームスは義賊でもなく、単なる強盗の極悪人だったのだけれど、いわば鼠小僧のようにどこかでイメージ転換が起きて有名な人物になってしまっている。
若い頃なら一定数の人が抱く、有名になりたい、注目されたい欲。それを満たす手段としてジェシーを暗殺した男と言うポジションを得た男。
でも所詮彼自身が何か成し得て持ってた名声ではないので、虎の威を借る狐の末路はこうなりました、といった最期を迎えている。
若気の至りとはいえ、いくら相手が悪人とはいえ、有名になる手段が人殺しではね…。
確かに幼少期の彼にとってジェシーは憧れだったのかもしれない。偶像を自ら壊して果たして満足するのかどうか。私は経験がないからわからないが。
変な話、すごく憧れてる人の下で働くのは夢が壊れるからやめた方がいいかもね、な教訓になる…か?
淡々と進むので面白かったかと聞かれると微妙。
信頼できない関係ー緊張感
前半の人物関係が分かりにくい。ジェシー・ジェイムズやその一味の知識...
実話
ベン・アフレックの弟のケイシー・アフレック演じるボブフォードが良かった。
ブラピ演じるジェシージェームズは人殺しをも簡単に行う人だった。
ボブはそんなジェシーに憧れて盗賊団員になった。しかし、ジェシーと一緒に行動するにつれてボブの気持ちは「憧れ」や「尊敬」から「憎しみ」や「憎悪」になっていた。ジェレミーはボブに途中で殺されるジェシーのいとこ役だった。暗殺の瞬間が悲しかった。ボブは世間で称賛されると思っていたが、待っていたのは非難だった。
けっこうよかった
凄腕じゃないガンマン同士の至近距離での当たらない銃撃戦がすごいスリルで、その上痛々しい。主人公のボブが本当にいい加減な薄っぺらい男で、絶対に信用してはいけないタイプだ。ジェシー・ジェームスを殺した後、再現劇をしていて薄い。心を見透かさないようにしているかのような薄笑いの表情が薄い。
ジェシー・ジェームスが近くにいれば気持ちが分かるけど、お前から伝わるのは寂しさだというのは深い。オレ自身、人の気持ちなど読む気持ちがなかったのだけど、子どもを身近にしていると読めるようになった。子どもは感情や表情がシンプルなので手に取るように読める。もっと昔から気にしてたら人生が全く違ったものになっていたかもしれない。
面白かったのだけど、長すぎて飽きる。
いつ殺されるか分からない恐怖
ウェスタン・ノワールでしょうか?
強盗,殺人と悪党のジェシー。ジェシーに憧れて強盗団に入ったロバー...
英雄と、英雄を暗殺した者の末路
17人も殺し、列車強盗を25件も犯したジェシー・ジェームズは懸賞金がかかるほどの大悪党であるはずなのに、「ジェシー・ジェームズ物語」という書も出版されるほど有名人。彼に憧れて列車強盗団に入ったボブ・フォードだったが・・・という物語。2月13日はジェシー・ジェシー・ジェームズが世界で初めて銀行強盗を成功させたために「銀行強盗の日」という記念日になっているほどだ。
強盗団はかなり親族で占められていて、新しい仲間も加わっていくと、不要な人物は殺害されるという恐ろしさ。途中加入のフォード兄弟(サム・ロックウェルとケイシー・アフレック)もビビる表情がなんとも言えないくらい素晴らしい。憧れと恐怖、そして裏切る行為に至る困惑気味の表情。どちらかというと、サム・ロックウェルにも助演男優賞を授けたい気分になる。
メンバーから外されたこと、仲間だったウッド(ジェレミー・レナー)を殺してしまったことが運命を決定づけた。ボブにとってもジェシーは英雄。義賊としてのエピソードは描かれてなかったが、やっちまった後ろめたさがそれを表現していたように思う。そして懸賞金目当てのために警察との取引。もう後戻りはできないが、一緒に暮らすうちに殺される恐怖に怯える・・・
終盤は蛇足のようにも思えたけど、両者の隆盛と衰退が絶妙なまでに描かれる。本当に恐怖心だけで暗殺したのか?殺すことで英雄になれると思ったのか?兄のチャーリーの末路も考えさせられるし、一攫千金なんて虚しいだけだとも訴えているような・・・まぁ、個人的にはバーで冷やかしの歌を歌ってるほうが気楽でいいわぁ。
難しい事を淡々とやらせる映画
光と影とロジャー・ディーキンス
淡々として地味だが、言外の演技が光る
静かで哀愁漂う作品です。風景なんかも美しい。しかし長尺で淡々とした物語の運びで、私にジェシージェームズの知識がゼロだったこともあり、前半は退屈に感じてしまいました。
後半は終始空気が張り詰めてくるので、楽しめました。疲れもしましたが。
演者はとても良かったです。
ブラッドピットが渋い。場面によって気のいい感じにも、気難しそうにも見え、何を考えているのかわからない怖さがありました。やっぱりブラピの演技好きです。
ケイシーアフレックも同様に何を考えているのかわからない怖さと知的な雰囲気。終盤は序盤と印象が変わるので少し戸惑いましたが、良かったです。彼のジェシーに対する心理描写は控えめというか、正直掴みにくかったです。観た人に考えて欲しいということなのかもしれません。
私が一番好きだったのはサムロックウェル扮するチャーリーです。登場人物の中で一番普通の人っぽく、感情移入しやすかったです。場の雰囲気を良くしようと頑張って明るく振る舞っていたり、いい人そう。上記2人の感情が掴みづらい分、心理描写はストレートでわかりやすいです。サムロックウェルも感情が伝わりやすい演技をしているように思いました。
他に特筆したいのは、ぎこちない会話をしながら食卓を囲むシーンと、終盤にジェシーがボブを笑えない冗談でからかうシーン。場の空気のヒヤッ…具合がエグくて素晴らしかったです。表面上は笑ったりしているのが更に心の内の疑念や不安を際立たせて、観ているこちらも怖くてヒヤヒヤしました…もはやホラー感覚です。
圧倒的な力を持つと恐れられて孤独になるし、賞金をかけられれば命を狙われたり、裏切られることを考えて疑心暗鬼になって、常に気を張っていないといけなくなってしまうでしょう。ジェシーはもしかしたらそんな生活や自分自身に疲れ果てて、暗殺されたら楽になれると考えてもいたのかもしれない。そう思わせるような描写も見られました。悲しい…。
話の内容とはマッチしているのですが、全体的に地味な印象。登場人物が多い割にセリフや説明が少なく、関係性や状況がわかりづらいのがもったいないかなと思います。
セリフが少ないので言外での心理描写、表情や仕草での演技が光ります。上記した俳優さん達が好きな方にはおすすめできるかと思います。ちなみにジェレミーレナーも上記3人に比べると脇役寄りですが出演しています。
裏切り兄弟
Or you want be me? 一直線かと思いきや・・・
アメリカ人なら多くの人が知っている伝説のアウトロー、ジェシー・ジェームズ。ま、ぶっちゃげ単なる犯罪者なんですけどね。ネットもテレビもラジオすらなかった時代に新聞というマスメディアによって、南北戦争で北に負けた南の人の鬱憤が作り上げた「英雄」。お金を持ってる北の人間から盗みを働く南出身のジェシーが、南の人にはカッコ良く見えた事なのでしょう。そんな時代背景を知ってるかどうかでこの作品を見る目はずいぶんと変わってくると思われます。
しかし本作はアウトローとして名を馳せてた時代のジェシーではなく、いうなれば晩年にフォーカスをあて、ジェシーではなく暗殺したボブを主軸に持っていています。けっこう思い切った判断だったのではないでしょうか?しかも、ジェシーが殺されてストーリーが終わる訳ではなく、ボブのその後の人生までしっかりと描ききっているなかなか珍しい作品です。
西部の時代に興味がなくって、例えばブラピが出てるからとかの理由で見た方には、話も長いですし、そのドキュメンタリータッチな作りに、見ててしんどい時間だったのではないかと思われます。西部劇に興味が合っても多少しんどかったですし。
なかなか観る人を選びますが、俳優陣もブラピを初めサム・ロックウェル、ジェレミー・レナーと有名所がいますし、何よりケイシー・アフレックの見事な演技は一見の価値ありです。
全37件中、1~20件目を表示