「1ミリも共感できず」イントゥ・ザ・ワイルド フィルムコレクターさんの映画レビュー(感想・評価)
1ミリも共感できず
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こういう映画は主人公に感情移入、自己投影できるか否かが評価の決め手になるが、私はできなかった。
結局は両親との確執がことの発端なわけで、そこに大義名分かぶせて自分をごまかしてるだけの現実逃避。
相当なエネルギーはいるけど、さっさと家に帰って家族と対話をしなさいよ。
金を燃やしたり車を捨てたりと「自分ひとりの力で」と意気込むわりには、文明の捨て方が中途半端すぎて、
なんか単なる自己陶酔だな〜と。
彼が身につける衣服やバッグやナイフや本は他人が作ったもの。
他人のこしらえた文明の力のお世話になってるという時点で、間接的に他人の力に依存してることになり、
たとえ地の果てまで行ったとしてもそれは街の中にいることと本質は何も変わらない。
そこまで言うなら原始人のような暮らししてみろよ。
少なくともバスに住み着いちゃダメだろ!って感じですよ。
彼が「ああはなりたくねえ」と蔑視する人間、つまり都市に住み、会社に就職し、
モノに囲まれ現代の利便性の中にどっぷりつかって生きる人間、
彼らが汗水垂らして作った「植物の本」に主人公は最後の最後に頼り、裏切られ、そして死ぬ。
中途半端な覚悟で文明を敵視した人間にふさわしいなんとも情けない最後で、そこは納得。自然の摂理ですね。
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