劇場公開日 2010年4月17日

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アリス・イン・ワンダーランド : 映画評論・批評

2010年4月13日更新

2010年4月17日より丸の内ルーブルほかにてロードショー

バートンらしくない生真面目さが目立った19歳のアリスの物語

アリスの年齢を原作の6歳から19歳に変えたことで、過去の映画化作品とは別のテイストになった。ウサギを追いかけて穴に落ちたアリスが、マッドハッターや賢者の芋虫、チェシャ猫に出会う設定はそのままだが、脈絡のない不思議体験に終わった6歳の時と違って、今回の冒険は現実のアリスの人生にフィードバックしていくのだ。最初アリスはワンダーランドに適した自分のサイズを見つけるのに苦労する。それは彼女が昔ここに来たことを忘れているのを示すと同時に、19歳の今、進路を決めかねていることも暗示している。そして、子どもの頃の冒険心を思い出し、横暴な赤の女王を倒してワンダーランドの危機を救うことで、自分の人生に於いても戦う準備ができるのだ。

ワンダーランドのビジュアルもキャラクター・デザインもカラフルで楽しく、ジョニーも派手なメイクで登場する。バートン作品の彼はいつも非日常的な輝きに満ちているが、今回はワンダーランドに秩序を回復させようとする生真面目な男だ。ジョニーだけではない。悪い女王VS良い女王、正義の戦いに参加して成長するヒロインという構造自体がバートンらしくない生真面目さで、見ていて逆に不安になる。人と違うことで周囲にいじめられるフリークスに愛情を注いできたバートンが、異常に大きな頭のせいで両親にも疎んじられてきた赤の女王を、あっさり悪役として片付けているのも気にかかる。率直な彼女より、善い人ぶっている白の女王の方がよっぽど怪しくて腹黒く見える。本当は別の展開だったものをスタジオに押し切られてこうなったのかと深読みしたくなった。

(森山京子)

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