「伝記映画」ミルク m@yu-chan-nelさんの映画レビュー(感想・評価)
伝記映画
ガス・ヴァン・サント監督
ショーン・ペン主演
ハーヴィー・ミルクの生涯を描いた伝記映画。
自ら ゲイだと公表して、3度目の立候補でサンフランシスコ市政執行委員に選ばれながらも
1年足らずで、同じ執行委員の男に暗殺されるまでを描いています。
最初に言っておくけど・・・(なにを!?)
伝記映画で泣いたのは「エレファントマン」以来かもw
映画は、ハーヴィー・ミルクが テープレコーダーに遺言を吹き込んでいるところから始まります・・・。
「私が暗殺された時のみ、テープを公開して欲しい」と・・・。
まだ、同性愛者に対して 今ほど理解のない時代に、社会の不平等をなくすべく 必死に活動していました。
1970年 ニューヨークで、スコット・スミス(ジェームズ・フランコ)と出会い
サンフランシスコに2人の居を構え「カストロ・カメラ」を始める。
そのころからハーヴィーは 人々が満足することをしたいと考え始める。
手始めに 自分たちの住む街から始めて それを徐々に広げていこうと考えた。
そして カストロ通りは有名になり世界中からゲイが集まる ゲイの街になった。
仲間も集まり、徐々にその実を結んでいき、いつしか「カストロ通りの市長」と呼ばれるようになる。
しかし ハーヴィーが政治活動に力を入れることによって
スコットとの距離も離れていき
スコットはハーヴィーの元から離れて行ってしまう・・・。
そして、アニタ・ブライアントの運動によってデート郡のゲイ公民権条例は廃止されてしまう。
その夜、ミネソタに住む 1人の少年からハーヴィーの元に電話が入る。
「僕は自殺します」・・・と。
両親が、彼を「治す」ために明日入院させると・・・。
ハーヴィーは、「君は病気じゃないし、間違っていない。
神様も君の味方だ。家を出ろ。」
今すぐバスで大きな街へ行くよう促すが・・・。
選挙には破れはするものの、その度に支持者は増えていった。
そして、3度目の立候補で 市議に選ばれた。
自らがゲイであると公表した上で 初めて公職者として選ばれた。
同性愛者である教職員を 性的指向を理由に解雇できるとする「提案6号」を可決させないために
自分たちの住む街以外では難しいと言われながらもカムアウトしようと 仲間に促し
「提案6号」よりも注目されるものが必要だと、犬の糞に罰金を科すという 新しい法案を思いつく。
その後 「提案6号」は否決されました。
そして、いつもハーヴィーを 快く思っていなかった 元執行委員のダン・ホワイトによって
サンフランシスコ市庁舎内で ジョージ・マスコーニ市長と、ハーヴィー・ミルクは射殺されたのです。
議員就任後、1年にも満たない1978年11月27日のことです。
金属探知機を避けるため、窓から侵入しているダン・ホワイトの姿もあります。
しかし、殺意を否定。
誰もが納得のいかない刑期(禁固刑)だったそうです。
ハーヴィー・ミルクの遺言が録音されているテープの最後はこんな言葉で結ばれている。
「希望がなければ ”私たち” は諦めてしまう。
もちろん希望だけでは生きられない。
でも、希望がなければ人生は生きる価値などない。
だから、君や あなたや あなたたちが、希望を与えなくては。
彼らに希望を・・・。」
映画の最後には、登場人物のその後が実際の写真と一緒に流れています。
同性愛者を理解することは 難しいけど、否定はしないし それ程不快感もない。
人によっては 不快に感じるかもしれないけど
そぉゆう域を超えて、こうやって頑張ってる人は応援したいと思うね。
死んで名を遺すってホント悲しいし、生きてれば きっと・・・もっと素晴らしい活動をしてたんだろうなーって思うだけに、ポロポロ泣いちゃいました。
ホント「エレファントマン」以来じゃないかって話!
美化された つまんない(´-ω-`)伝記映画よりは感動しますよ。
性同一性障害を描いた「ボーイズ・ドント・クライ」は可哀想だと思うけど
ヒラリー・スワンクが体当たりの演技してるってだけで、人が言うほど感動もしなかったしね。
128分の作品なので、時間のある方是非観てください。