ダークナイトのレビュー・感想・評価
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噂通り
バットマンシリーズは前作の「バットマン・リターンズ」しか見てなくて、「ダークナイト」もあまり期待はしてなかったのですが、今回は凄く面白かった(惹きつけられた)です。
アメコミでのジョーカーがどのように描かれているとか、ジャック・ニコルソンのジョーカーがどのようだったのかとかは全く知りませんが、本作でのジョーカーは冷静でありながら狂気じみてるという感じと無邪気な残忍さという印象を受けました。
小さい子どもが時折見せる残忍さがそのままジョーカーにあるような感じがしたのです。だからこそ怖いという感覚でしょうか。
ストーリーも勧善懲悪でないあたりが見ごたえがあると思います。
演出も派手なところもありますから是非劇場で見るべき作品だと思います。
正義のヒーローは?
映画を見る前に、人のレビューを読むのは止めようかと本気で思った。
何の知識も無く見た作品の方が先入観無いから、やっぱ良いのかも?
この作品は皆ヒースが凄いって言ってるけど…
私は…ジョーカー役を演じる人はこういう風にやるんじゃない?って
別に当たり前のように感じたし、もっと狂気を演じても良い気もしたくらい…
しかし…昔はバットマン然り、スパイダーマンなんかもそうだけど
その手の子たちって無条件に正義の味方であって
よもや、その方々を悪として警察が追うっていうコンセプトなんて有り得なかったと…
今のヒーローって本当に大変なんだなぁ~って(面倒臭い)思うわぁ。
ナースでも怖いヒース。
多分この続編を観るときに一番目を引くのは、彼、
つい先頃亡くなったH・レジャー演じるジョーカーだと
思うんだけど、これが見事にハマっていた!!
J・ニコルソンが演じた頃の笑えるキャラクターではなく、
そのメイクと風貌は、不条理な恐ろしさを湛えていた。
ここまでの役作りを完璧にこなした彼は素晴らしいし、
記憶に残る名演技だったけれど、ふと思ってしまったのは
この役作りで精神的なダメージはなかっただろうか、と
余計な心配をしてしまった。それほど見事だったからだ。
迎え撃つ二人の騎士、黒C・ベールと白A・エッカートも
それぞれの役どころを完璧に演じ、かなり観応えがあった。
だけどこの三人が上手ければ上手いほど、捉えようのない
ジレンマと究極の選択が心臓をグイグイと締め付けてきて、
長い長~い(延ばした?)上映時間の間、力が入りっぱなし。
実に観応えがあるうえ、実に疲れる作品でもあった。。。
ほとんどがロケにこだわった撮影、ゴッサムの陰鬱な街並、
さすがにダークな場面が多く、たま~に洋上のシーンなんか
出てくると、ちょっと目が休まったり…(爆)
また、執事M・ケインの的確なサポートやアドバイスに感心、
フォックス役M・フリーマンの夫唱婦随的な動きも素晴らしく
楽しめるシーンもあるにはあるんだけど…やはりダークだ(=_=)
レイチェルの選択には「?」が残るものの、でも彼女は…。
原作もあのままなんだろうか。何かやるせなさが残るなぁ。
M・ギレンホールも好きな女優なんで良かったけれど、
一作目のK・ホームズと比べると、かなり落ち着いた感じ?
嬉しいチョイ役(!)K・マーフィとW・フィクトナーは
すぐに分かったけれど、E・ロバーツぜんぜん分からず…^^;
あ、でもいちばん驚いたのはエディソン・チャンだな(爆)
豪華なキャストと長~い構成をリアルに纏めあげた監督の
今作品に対するカラーはだいたい決まった感じ。
でもやはり、ヒースの演技がいちばん闇夜に映えてます。
(デントで番外編が作れそう。B・モービルがもっと見たい!)
ヒースの遺作に相応しい作品。
映画撮影直後にジョーカーを演じたヒース・レジャーが急死した事で、話題性が増したクリスチャン・ベールのバットマン第二段。ゴッサムシティーに、平和は来るんでしょうか?
確かにヒース・レジャーの死によって本作品に対する注目が増した事は否定しませんが、そうでなくても、彼ヒース・レジャーのジョーカーは、鬼気迫る演技です。嘗て、ジャック・ニコルソンもジョーカーを演じた事があり、彼のジョーカーも秀逸と言われましたが、ヒースのジョーカーもキテます。撮影直後の死と言う悲劇性ともあいまって、非常に怖いジョーカーに仕上がっています。凄いです。エンドロールに、ヒース・レンジャーと、こちらは撮影中に無くなった特殊効果技師のコンウェイ・ウィックリフに捧ぐと言うメッセージが流れます。
他方、主役のクリスチャン・ベールも、日本へのプロモーション直前に、家族への暴行事件で警察に逮捕されると言うプライベートの件で話題になりました。日本でのプロモーションツアーは、ピリピリムードだったらしい。もっと、映画の本質的ところで話題になって欲しいですね。
それにしても、とにかく人が死にます。「えっ?!」と思っているうちに、結構、重要なポストを占める登場人物が死んでしまいます。これにはビックリ。アメコミなんで、甘く見ていました。これは、アメコミの領域は超えていますね。きちんと脚本が描きこまれている印象を受けました。ただ、152分という非常に長い物語なので、本質的に何が言いたいのかがちょっと分かりにくかったです。特に前半。残り60分くらいになってから、漸く話が判ってきました。って言うか、動き始めました。そこまでは、単にゴッサムしティーの混乱を描いていたような気がします。もう少し、コンパクトにならなかったんですかね?
何れにしても、中々見応えがあります。アメコミ映画と侮ってはいけません。深いです。そして、(ちょっと)暗いかな。次回も期待ですね。
コレは、凄いわ!
クリストファー・ノーラン監督による、“バットマン・シリーズ第2弾”。『アメリカでの興行成績が、トンでもないことになっている』とか、『ヒース・レジャーの遺作になっちゃった』とか、日本公開前から随分ニュースが飛び交っておりましたが、果たして映画そのものの出来は?期待と不安を抱え、先行に行ってまいりました。
何とも凄まじい映画です。『重い、暗い、救いがない!』映像とストーリーが、スクリーンで延々と繰り広げられます。『正義は勝つ!』等という、生易しいモンではございません。上映時間2時間32分!然るに吾輩、全く『長い!』とも『苦痛だ!』とも感じませんでした。それよりも、もお最初から最後までスクリーンに釘付け!話が進めば進むほど、どんどん惹きこまれていってしまいました。まあ何よりヒース・レジャーが素晴らしい!白塗りメークで殆んど『あんた、誰?』状態のとんでもない悪役を、全身全霊込めて怪演しております。ジョーカーと言えば、これまでジャック・ニコルソンでしたが、そのイメージは本作でモノの見事にふっ飛びます。繰り返しになりますが、素晴らしい!『オスカー候補に!』という声が上がるのも、納得です。それだけに、若くしての急逝が、本当に惜しまれます。残念です(合掌)…。
今回、ジョーカーが凄すぎますので、バットマンも含めた他のキャラは、非常に影が薄~いです。特に前作(「バットマン・ビギンズ」)のケイティ・ホームズからレイチェル役を引き継いだ、マギー・ギレンホールは、非常に損していると思われます。恐らく前作と役者が替わってることに気付く人は少ないんじゃないかと思われますし、事実それだけのインパクトは残りません。しかもヒロインが、あんな形(驚!)で映画から退場してしまうなんて…、吾輩、想像だにしませんでした。ムゴい!何ともムゴい!かつてシリーズ映画で、ここまで残酷なストーリーが存在したでしょうか?あ~あ、ムゴ過ぎる!!
この映画、単なる“アメコミ・ヒーロー物のシリーズ作品”という気軽な気持ちで観に行くと、ちょっとエラいことになると思います。少し心の準備をしてから観に行かれることを、お薦めします。決してダメな映画だと言ってるわけではございません。むしろその逆で素晴らしい仕上がりの1本です。この夏の洋画大作群の中で、「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」が“陽の大作”とすると、この「ダークナイト」は“陰の大作”だと言えると思います。しかも“陰”の方が、パワーがありそうな気がします。
映画の将来に希望の火を点す一作
この映画は「選択」をめぐる物語だ。死をめぐる選択、生き様をめぐる選択・・コインの裏表を選ぶ(そう、トゥーフェイスのように)かのように、様々な選択が散りばめられている。それは一方が完全に正しく、一方が完全に誤りというものではない。どちらを選ぶかは、主観に委ねられる。ゆえに、葛藤し、苦しむのだ。
最近では、映画の予告編が面白くなりすぎて、本編を見たときにがっかりするケースが多い。「ダークナイト」は久しぶりに、予告編以上の緊張感と興奮に満ちた映画だ。ヒース・レジャーの演じたジョーカーは下馬評どおり、"素晴らしい"狂人ぶりだった。ニコルソンの幻影を確実に払拭し、自身のスタイルを築く余裕すら感じさせた。ジョーカーはバットマンを倒そうとしていない。むしろ自分の快楽のために、バットマンを必要としている。そしてバットマンもまた自分を必要としていることを自覚しているのだ。この希有なキャラクターをヒース・レジャーは完璧に演じた。ほんとうに惜しい俳優を亡くしたと改めて思う。監督・クリストファー・ノーランにも前作とも、傑作ティム・バートン版とも異なるスタンダードを作り上げようという気概が感じられる。名優や個性的な俳優に囲まれ、かな苦悩を演じたバットマン:クリスチャン・ベイルも存在感を残す。
アメリカでは記録的なヒットが続いているという。当然だろう。良い脚本、良い映画がヒットしなければ、映画は廃ってしまう。クリエイターの端くれとしては真剣にそう思う。その内容のダークさとは裏腹に、映画の将来に希望の火を点すエポックメイキングな映画となった。
見掛け倒しとはこれのこと
クリストファー・ノーランは」リアル、リアルと言ってるが、やってることは病院や車の炎上というのだからあきれる。この人には出来上がった映像が見えないのだろう。アクション映画に必要な外連味もない。
リアルのはずの物語にしても古典的な銀行強盗にヒーローの盗聴といったトホホな内容が入っている。ジャック・バウアーにそんなことやらせたらすぐに脚本家クビです。雰囲気一流、中身は三流。興味を引くのはトゥー・フェイスくらいのもの。役者の演技は悪くない。
尋常じゃない緊張感と興奮!
正義と犯罪,光と闇,善と悪,
表裏一体のそれらの葛藤を戦わせる登場人物のドラマに,
感情の起伏が波打つ。
本作の撮影後に急逝したヒース・レジャーの熱演が見事な,
マフィアさえ上回る邪悪のジョーカー。
彼の圧倒的な存在感に偏らず,
デントがトゥーフェイスに変貌してゆく様子,
執事と開発者の協力,
ゴードンの活躍,
そして,ブルース・ウェインの葛藤。
それらのドラマを,まんべんなく繋ぎ,
皆に見せ場を用意する編集が素晴らしい。
先の読めないダイナミックかつパワフルな展開に,
終始,引き込まれた。
期待以上でした。
前作が最高に良かったので期待大で見ましたら、2時間半があっと言う間でした。ヒーローものでも等身大なので現在のここそこの国と変わらぬ世界観でジョーカーの人間的リアル感は原産国よりも最近の自国の凶悪ニュースを見ているようでぞっとしました。悪が強ければ強いほど善が光ると言う持論ですが、善悪で割り切れない内なる世界がバットマンの面白さ。前作までは一応どこにでもさっと現れるバットマンでしたが、今回はそうもいかないところが描かれていて、その分チームワークが良くなっていたり、肉弾戦よりも頭脳戦、ストーリー展開の良さが光りました。
前作で「アルフレッド、アルフレッド」と叫んでいたヒーローも闇の騎士が板に付いて、ますますかっこいいけどこんなに生傷が絶えないヒーローにはなりたくないと思いました。
しかし、最初にコインが出たときにすぐ気付くべきでしたね。やられました。
もう一回見よう~と。
文句なしの映画
バッドマンビギンズに興奮していた私は、この作品に期待してました。
これから見る方は、ぜひ、バッドマンビギンズを見てから劇場へ行ってください。
この映画は、
バッドマンと聞くと単純アメコミと想像してしまうかもしれませんが、
「深い」映画といっていいかもしれません。
文句なしという位置づけの理由は以下です。
①クリスチャン・ベールは相変わらず、表も裏もカッコイイ。
②脇役の名俳優たちが素晴らしい。
③敵役のジョーカー、08年演技力NO.1になるのではないか?
④アクションが半端ない。
⑤サウンドトラックが最高。バッドマンに浸れる。
⑥「もしかして、この映画・・」と途中思わせるが、完結してる。
⑦映画が終わっても、ジョーカーが頭から離れない。
⑧何度も見たくなる。
⑨単純なアメコミではなく、メッセージが込められている。
絶対、見てください。
過去、アメコミのようなバッドマンが作品でありますが、
あちらをベースに考えないで下さい。
バッドマンビギンズから見れば、理解できます。
アメコミが嫌いな人も楽しめます。絶対見てください。
劇場で観る映画としては、今期一番の作品
かなり期待して観たのにもかかわらず、大きな衝動を与えてくれた、(マトリックス以来感じた)映画館で観たい映画の一つ。
何が良かったのかといえば、①一見複雑そうに見える設定や内容も、その実とてもシンプルで身近に感じられた。②説明されていないシ-ンは、(見る側の)想像力で補えるものになっていた。③「悪」を(その生まれる原因から)いくつかに分類し、様々な悪に対する、様々な善が存在していることを、普通に描いていた。④空撮とロ-アングルショットが人間の許容感覚内で撮られていたので、リアリスティックな映像となっていた・・・など。
ヒ-ス・レジャ-について。
もし彼が、この作品の出演が原因で、クスリに依存したのであれば、たいした役者ではない。このジョ-カ-程度の役は、きっと彼にとっては一つの通過点であって、周りが騒ぐほどのことでもなかったはずだから。
俳優は、自分の芝居によりストイックさを求めることはあっても、(まだまだ不十分であったと思うことはあっても)、それは次につながる発展性のある気持ちであるから、(自ら)死を選択するということは不自然。もっと他に原因があったと思わざるを得ない。まぁ、行き詰ったというのであればわからないでもないが、(28歳という年齢を考えると)悩みの元は複雑なガラス細工のハ-トにあったのではないだろうか。(無論、個人的な見解です)
その他の出演陣について。
クリスチャン・ベ-ルは、ヒ-ス以上の演技を見せてくれていた。権威のもとでの「正義」から、市民の「正義」へ移行せざる得ない状況で、自分の存在意義をふらつかせてしまうブル-ス。それは、ある意味「正義」は「悪」であると認めてしまうようなもの。さらに、恋人(「権威」と「大衆」の中間的存在)との行き違い。
それらの(かなり微妙な)設定の中で、まさにトゥ-フェイスばりの実体のある影を全身にあふれさせていた。・・・彼の、黒目の比率が高い、あの目がそう見せるのか・・・。
ア-ロン・エッカ-トは、そのまま。及第点。
マギ-・ギレンホ-ルは、やや集中力を欠いた芝居、・・・役を掘り下げきれてなかった感じがした。
モ-ガン・フリ-マンは、ものすごく光っていた。が、きっとこれは監督、クリストファ-・ノ-ランのお陰のような気がする。
良い所ばかりで、不満に感じた点はなかったのかといえば、いくつかある。が、それはあえて、言わないでおきたい。何故なら、完璧なものならここまで感じることはなかっただろうし、(逆に)虚しさも同時に襲ってきたのではないだろうかと思うから。
さすがでした!
試写会に金曜に行ってきました!やはり、すばらしかったです。かっこよかったぁ~だけでは片付けられない映画です。人間の心理的な部分からダークな気持ちになる映画です。アメコミ、ヒーロー映画、などのイメージがまったくなく、ヒーローものでもこういう映画をたくさん見れたらなぁと思います。ヒースレジャーを筆頭にどのキャストもすばらしい演技でした。
衝撃的な映画でした。
先行上映で見てきましたぁぁぁ♪
まず、一言で言わせて。
すごい。マジで圧倒された。衝撃的すぎました。
なんだあのジョーカーは・・・。
バットマンより光ってたじゃないか~!!(笑)
見に行く前に、「バットマン ビギンズ」を鑑賞してから見たんだけど
全くの別物感覚で見れたし、
上映時間152分長すぎるなぁ~・・・
なんて思って見たら、全然長く感じさせないし、
あっという間に終わってしまった感じでした!!
完全に惹きこまれてしましました。。。
昔見た、ジョーカーも印象に残っているけど
今回のジョーカー役のヒース・レジャーは
本当に素晴らしいので、みなさん本当に見て下さい★★★
ちょっと笑えるシーンもあったけど
本当に怖いって思えるほど迫真の演技でした素晴らしい☆
ダークなんだけど、アメコミ要素を残してて最高です^^
家族で見る映画じゃないかもしれないけど
超、お勧めです♪
男が惚れる悪党
前回のビギンズからバットマンは仕切り直しだと聞いて、がっかりしたことを思い出します。完璧な5作目だと期待してたのに…
で、ビギンズを鑑賞して、地味になっちゃったな~と…もうバットマン観るのやめようかな~と……だから今回のダークナイトも観る予定なかったんですが、あまりにもヒースジョーカーの評判が良いもんで、行ってきたんですが――
カッコいいですね!ジョーカー!白塗り最高!不謹慎ですが…
めちゃくちゃやってる風でいて、実は策士というあの感じ…たまらんですよ!
私の中では「レオン」のゲイリーオールドマン以来の惚れる悪党です!
あれ観たあとは自分、ゲイリーの物真似ばっかやってた記憶がありますが、今回からヒースジョーカーになりそうっす!いや~凄かった!
そんで、ゲイリーが前回に続き善良な刑事役なのが、なんか可笑しくて可笑しくて…ゲイリーのジョーカーも観てみたいなあ…次回はやってもらえないすかね??
それも不謹慎かな……
最高の俳優ヒース・レジャー
ダークナイトの先行上映を見ましたがバットマンの中では最高のできですね。ジョーカーやトゥーフェイスの登場があると聞いていたから楽しみだったのですが予想以上のおもしろさでクライマックスを味わっているような感覚が何度もありました。
新型兵器バッド・ポッドの登場、最凶の悪役の登場や前作よりも深みを増した人物関係の中で展開するストーリーがとてもよかったです。
また、
ジョーカー役のヒース・レジャーの演技は昔、ジャック・ニコルソンが演じたジョーカーを一瞬で忘れてしまうくらいの衝撃を与えてくれました。こんな素晴らしい俳優の演技がもう見れないと思うと残念でありません。
すげ~(涙)
わたくしA+をつける基準はたった一つです。それは、現実に根を下ろしつつ作品全体として普遍的なレベルまでたどり着いてるかどうか、という事です。ここでいう「現実」とは、それが比ゆであれなんであれ、人間のリアリティの要素を忠実に描いていればいいのです。
さて、この「ダークナイト」。はっきりいってすごいです。この映画はエンターティメントの枠組みを守りつつ、最低限のアメコミヒーローものを守りつつ、善と悪の哲学です。それは単純な善悪でなく、善と悪のバランスが崩れれば、そこから片方が反動で一層増殖するという非常にリアルな事を描いています。超一級品の大人向けのエンターティメントです。
あそこまで話を大きくして、どう話をまとめるのか不安で観てましたが、あのラストの展開はすごいですね。善と悪の均衡を破ったバットマンに訪れる試練と、苦悩、そしてラストの悟りめいたあの行動に感涙。そこらへんのご都合主義な映画とは違います。やっぱりクリストファー・ノーランは本物です。キャラクターの造形がただものじゃありません。あまりに感動して涙でそうになりました。
最高の出来です!!
ジャパンプレミアにて、鑑賞させてもらいました。
バットマンの宿敵ジョーカー登場の作品というから、
これはたまらなく楽しみでした。
(前作『~ビギンズ』のラストでも伏線ありましたからね)
一番心配だったのが、ジャック・ニコルソンが過去に演じた
ジョーカー像が、あまりにもインパクトが強すぎたため、
故ヒース・レジャーが、いかにして新たなるジョーカー像を
創り上げることができたのかでした。
でも、心配ご無用。
ヒース・レジャーは、素晴らしいサイコキラーを演じてくれていました。
ニコルソンジョーカーと比較するのも無粋に感じるくらい
個性的なキャラクターに仕上がっていたと思います。
あと、すごいうれしかったのが、バットマンのバイクの登場シーン。
あのギミックは、カッコよすぎて感動モノです!!
過去のバッドマンとは別物、サイコスリラーの傑作です!
28日国際フォーラム試写会にて。バッドマンは全作見ています。クリストファー・ノーラン監督以前は、いわゆるアメコミのお子様映画、マンガの世界の仮想空間を舞台にした映画が多く、大人が観るには耐えない駄作も数多くありました。しかし、今回のゴッサムシティはまさに、そのままの現在のニューヨーク。町の光景も、人々の服装も我々の日常のそのものであり、だからこそ私にはリアルに感じる「サイコ殺人鬼」ジョーカーが怖い!!ジャック・ニコルソンのジョーカーとは別物、まさに最凶イカレ男をヒース・レンジャーが演じきっています。この作品の撮影終了後に亡くなるなんて、まるで松田優作のよう。ともに、狂気の役柄を演じた後に燃え尽きたが如く亡くなるなんて、続編を期待する観客を大いに悲しませます。今回のバッドマンはアドレナリンが噴出、かなり怖い映画に仕上がっています。本作のジョーカーと「SAW」のジグソーを重ね合わせたのは私だけでしょうか?返す返す、ヒース・レンジャーの突然死が悔やまれるところです・・・。
こんなに重く、せつなくさせる映画であったなんて、思いもよりません
ジャパンプレミア試写会場は、主要出演者の登壇で異様な興奮に包まれました。クリスチャン・ベールの紹介の時には、きゃーという黄色い歓声も。そのテンションのままエンディングを迎えて、大きな拍手と喝采に包まれました。そればかりではありません。エンドロールに、出演者のクレジットが映し出されるたびに拍手が起こるのです。試写会でこんな光景は初めてみました。特に、「この作品をヒース・レジャーに捧げる」というテロップが出たところでは、一段と大きな拍手が起こったのです。
それくらいヒース・レジャーが演じたジョーカーは、衝撃的でした。まずはジョーカーについて語らせてください。
舌を蛇のようにくねりながら独自の韻を踏んで語りかけるジョーカー。
それはまさにイカれた悪そのものでした。全身から極悪非道を退屈しのぎと遊びにしてしまう彼の狂気、そして妖しさをヒース・レジャーは、まるで人格が乗っ取られ、完全に憑依されたような感じて演じていたのです。バットマンとの直接対峙するシーンでは、思わず感極まって涙がハラハラと止まりませんでした。なぜでしょう。なぜあんなジョーカーに涙するのでしょうか。いえいえ、そうではありません。小地蔵の心は、ヒース・レジャーにつながって、演じることの喜び。そしてパーフェクトな演技が出来た達成感に浸って、もう思い残すこともないという気持ちにつながって、感動したものと思います。
彼は今天国にいます。きっとこの作品の演技について、一点の悔いも残さなかったでしょう。もうみれないと思うと本当に残念でなりません。心より感謝します。
さて作品紹介に戻ります。
冒頭のジョーカーによる銀行強盗シーンから、アクションに次ぐアクション。短いカット割りとスピーディ過ぎる展開に、追いついていけなくなることも。それもすぐさま次のどんでん返しや事件が起きるので、飽きさせる暇がないほどなんです。
すごかったのは、病院のビル1棟がまるまる爆破されるシーン。どうもこれはCGではなさそうです。さすがに1.6億ドル映画です、やることがでかいデス。
そして裏の裏をかくストーリー展開で、何度もクライマックスが訪れます。長めの作品なので、2~3本まとめてみたような充実感を感じました。
ノーラン監督は、「同じことは繰り返さない」と自身の前作とも決別。ゴッサムシティーも一新し、今までなかったようなヒーロー像に挑戦したのが本作です。何しろバットマンが自らヒーローでないと宣言し、町の警察に追われるお尋ね者の身であるというから驚きです。ただでさえ罪人扱いされているのに、輪をかけてある人物の警官殺しの汚名をかぶってしまうのですから、アメコミヒーローもの範疇を超えています。
原題の「The dark night」とは、「暗黒の騎士」を意味します。たとえ人々から恐れられて語られる存在と思われても、自分は町を守っていくのだというパットマンの決意を表したタイトルでした。
けれども本来ヒーローであるはずだったバットマンをそこまで追い込んだのは、ジョーカーの悪知恵ゆえでしょう。けれどもこれまでのヒーローものでは、「光は闇に勝つもの」であったはずです。
しかしこの作品は、バットマンの方が思い知らされてしまうのです。光が闇に堕すことを。ヒーローがたとえ一面でも敗北するなんて設定は、あり得ないことでした。そういう点ではお約束ごとをことごとくノーラン監督は打ち砕いていまったのです。
その象徴がハーベイ・デント地方検事の二面性に表されていたのだと思います。デントの顔がジョーカーの仕業によって、半分を破壊され二面によってまるで違う顔つきになったとき、精神面でもジョーカーによって隠された顔が引き出されてしまいます。
彼はバットマンをしのぐ表の世界のヒーローであり正義の象徴でした。一時バットマンは、彼に託して引退し、愛するレイチェルのよき夫として生きようと決意したほどです。
そのレイチェルはどうだったかというと微妙なんです。
実は、バットマンの活動のためブルースはレイチェルが巻き添えにならぬよう、交際を避けていたのです。間に、彼女はデントにも恋してしまいます。レイチェルを演じたマギー・ギレンホールが気をつけた点としては、偏りなく両方愛することに徹したそうです。確かにどっちともいえない演技でした。彼女は、レイチェルを演じつつ、真のヒーローとはどうあるべきか考えながら演じたそうです。
この恋の意外な結末にも注目ですぞ。
あともう一つ衝撃だったのが、重要人物が死んでしまうことです。「24」のパーカー大統領暗殺以上の衝撃を受けました。そしてとても悲しみを感じたのです。
こんなに重く、切なくさせる映画であったなんて、思いもよりませんでしたね。
追伸
作品の冒頭。強盗に遭う銀行の現場責任者として、プリズン・ブレイクシーズン2でマホーン刑事役を演じたウィリアム・フィクナーが出演しています。彼らしい勇敢な役所で、ジョーカー一味に単独で立ち向かっていきました。冒頭だけの出演で消えてしまい、もっと出てほしかったと思います。
Anarchy in the Gotham city!!
うぎゃー。見ちゃいました。ダークナイト。まじですごかったー。他のレビューアーの方と同様、私的にも今年No.1間違いないです。(WALL-Eと僅差!)ていうか、人によっては10年に1本あるかないかの名作かもしれません。ヒーローものとかの枠を完全に超えちゃってます。どこの新聞の批評家も軒並み☆4つや5つの満点で、IMDbでも現時点で史上最高の9.7をマーク。私の行った映画館でもエンディングでは満員の劇場で割れんばかりの拍手。(映画の途中でも何度も何度も拍手のシーンあり。アメリカ人って褒めるときは全力で褒めます。)ボックスも15800万ドルという凄まじい勢いで1位。
監督は前作から続いてクリストファー・ノーラン(メメント、プレステージ)。勿論、今回の目玉はジョーカー(ヒース・レジャー)ですが、我らがバットマン(クリスチャン・ベール)を中心に、アーロン・エッカートという新しい人材を入れ、もう一つのテーマ「顔」にも挑みます。顔にコンプレックスを持つジョーカーが顔を見せろとバットマンに迫り、そうしてもう一つの・・・・。人間への絶望と希望という壮大なメッセージも込めてますが、そんな固いこと抜きに楽しめるという映画らしい映画!上映時間2時間30分を感じさせないその構成力に脱帽。
しかしながら、何と言っても今作が遺作となってしまったヒース・レジャーがすごすぎ。ジェームス・ディーン、マリリン・モンローのような、00年代におけるアイコンとして歴史に残ることは間違いなし。この映画が彼を見ることができる最後の映画なんて悲しすぎますが、すさまじいジョーカーです。これまでの映画でここまでの悪ってあったでしょうか?極悪の悪、完全悪。「時計仕掛けのオレンジ」のマルコム・マクドゥエルに例えているレビューもありましたが、私的にはダースベイダー、レクター教授をも超える悪っぷりだと思いました。比較的こぎれいなジャック・ニコルソン=ジョーカーも好きでしたが、ヒース・レジャー=ジョーカーの口裂け+乱れ化粧のパンキッシュなジョーカーはもっと好きっす!登場シーンからかっこよすぎで、失禁しそうになりました。オスカー助演男優賞ノミネートは確実。私的には是非、ノミネートだけでなく受賞してほしいです。昨年のノーカントリーのハビエール・バルデム以上の怪演です。
クリスチャン・ベールは相変わらずスタイリッシュでバットマンとブルースをきれいに演じ分けています。でも、きっと彼のことだからジョーカーの方をやりたかったんだろーなー、本当は。(マシニストみたいな役作りも含めて。)私の好きなゲイリー・オールドマンは前作よりも更に真摯で誠実な刑事役を好演(今までの映画の悪役ぶりはどこへやら)。モーガン・フリーマンはいつもどおり、淡々とそして時にユーモラス。新参のアーロン・エッカート(Thank you for smoking)も難しい役を熱演。好感持てます。今回、最も議論を呼びそうなのが、ケイティ・ホームズから役を受け継いだマギー・ギレンホールでしょう。実はこの女優さんは個人的に弟のジェイク・ギレンホール(ドニー・ダーコ、ゾディアック)も含めて大好きなんです。(特にStranger than fictionの彼女が好きです。)しかしながら、前作のケイティ・ホームズ(この女優さんは正直個人的には好きではありません。)の方が演技はさておき美しかった印象があります。マギー、最近、禁煙したそうですが、やっぱ煙草のせいなのか老け顔で・・・残念。
アクション面では相変わらずかっこいいバット・モビールからあっと驚くものが「生まれる」のですが、そのギミックがいかしていて、ますます好きになりトイザラスでラジコン衝動買い。そして、私の生涯ベストムービーの帝国の逆襲からヒントを得たと勝手に思っているあるシーンも含めて興奮の坩堝!!とにかく2008年のベストムービー!ヒーローもの+バットマンシリーズ一度も見たことないひとも騙されたと思って老若男女問わず、毛嫌いしないで是非見てください。この映画に関しては1800円どころか18000円の価値があると思います。ストーリーは前作見てなくても序盤以外は十分フォローできるはず。(見た方がベターですが)とくとご覧あれ!!
ちなみにターミネーター4の予告編が本日初公開。主役のジョン・コナーはクリスチャン・ベールが演じるようで・・。こちらも楽しみ!!
(最初、「彼の死を予感させるようなすさまじい演技」って書いてたんですが、先日、聞いたクリスチャン・ベールのインタビューで「ジョーカー役をやるストレスで死んだっていう報道に憤っている。彼は楽しんで演じていたし、そんなの彼に失礼だ。」と言っていて、申し訳なくなくなってあわてて修正しました・・・。)
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