ダークナイトのレビュー・感想・評価
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日本人的には「闇夜」のギミックが追加!
鑑賞するまで原題に気づかず「ダークナイト」を
単に「闇夜」と解釈していましたが、ある意味「闇夜」で正解でした!
シリーズ初期の若干コミカルなタッチとは違い、
人間の心に潜むダークな部分が映像の随所に込められていて
救いようがないくらいの絶望的な闇。
各名優の演技力もさることながら、脚本が素晴らしく感じた。
次回作が楽しみではあるが、本作品を超えることができるだろうか。
『「大丈夫だ」とウソをつけ』
怪演ヒース・レジャー
ヒース・レジャー渾身の遺作。本人も自身の死期が近いことを察していたかのような鬼気迫る演技であった。
極悪非道、悪の権化ジョーカーはその存在だけで空恐ろしい。なぜ最後止めを刺してくれなかったのだろうか?
思わずバットマンを見ていることを忘れてしまうような、異色テイストの作品で、正義とは何か、ヒーローとは何なのかと、人間の持つ強欲や暴挙を容赦なく描き出しているような内容であった。
アメコミ実写版という単なる娯楽大作からの逸脱、深化を試みたノーラン監督出色の出来栄えと言えるかもしれない。
問題はバットマンだ。
とにかく評判の良い作品である。確かにクリストファー・ノーランの繊細な演出は効果的だし、画面構成は不安を煽る音楽との相性も良く緊張感を高める。そして何より映画史に残るであろう最凶キャラクター、ヒース・レジャーによるジョーカーは素晴らしいの一言に尽きる。
そんな中で画竜点睛を欠いてしまったのが、ことあろうタイトルロールの“ダークナイト”こと、バットマンである。
ジョーカーとバットマンは『狂気』という境界線を挟んで、“正義の狂人”“悪の狂人”という鏡像になっている関係性が面白いのである。
正義のために法律を破って自警活動をするバットマン。悪事のために悪事をはたらくジョーカー。本作のジョーカーはまったく素晴らしいまでに動機も目的も欠落させており、ただただバットマンを困らせ、世界を混沌の渦中に叩き込む事だけが生き甲斐である狂人だ。
しかし、バットマンというと、ハービー・デントという法律を守りながら悪を退治する、正しい“白い騎士”の出現により『もう、バットマンは用無しかもなー』と、アイデンティティを崩壊させてしまうのである。
“絶対悪”であるジョーカー、“正しい正義”であるハービー。トゥー・フェイスのコインの表裏のような2人に挟まれてブルース・ウェインは本気でバットマンをやめようとする。
そんな苦悩はいらんのである。
バットマンは絶対的に正義である事にまったく揺るぎが無いのが魅力的なのである。わかりやすい例えで言うなら、ダーティーハリーが悪人を殺すのにいちいち躊躇していたら、ツマらないんである。
ハービーがトゥー・フェイスとして悪に染まってから、ようやく狂気を取り戻したバットマンはジョーカー逮捕のためにゴッサムシティの全携帯電話のハッキングという、正義狂人の名に恥じぬ暴挙にうって出るがそこまでが長い。
1作目、2作目と回を追うごとに面白くはなっているノーラン/バットマンなので、次作には大いに期待したいところ。
すっげーよ
久しぶりに、映画を堪能した。ジョーカーの演技力。凄いです。バットマンってもっと、アニメチックかなと思っていたけど、映画として見れるんですね。今まで、食わず嫌いと一緒で「タイトル」だけで敬遠していました。ごめんなさい。この映画に出てくるキャラクターの迫力は最高です。見るものを釘付けにしていく。
満足できる作品
ビギンズを見たのは、ダークナイトの予告編を見てからでした。
人を引きつけるなにかがあった予告編でした。もともとアメコミヒーローが好きだったってこともあるのかもしれませんが。。
本作品を観終わって感じたのは、満腹感に似た満足感でした。
とにかく内容が濃く、暗いストーリーの中にあるかっこよさとジョーカーやゴードン警部補などバットマンを取り巻く人々の演技が作品にのめりこませてくれました。
ストーリーも難しそうで、実は単純でした。それがまたよかったのかもしれません。
これは是非是非おすすめです。
時代の空気感と合っている
上手く言えないけど、陰鬱な時代の空気感と作風、内容がマッチしていると感じたなあ。
私も暗い性格なのでしょうか、観ていて青白く興奮できました。
この、空気感とか自分の性情に響く作品ということになると、なかなか難しい領域に入りますね。鑑賞後ピンと来なかった人も多い様に思いますよ。でも、それは普通の反応なのではないのでしょうかね。私には、観て、浸れる作品でした。なかなか、観て浸れる作品って少ない様な気がします。
正義や悪について考えさせられる
冒頭の銀行強盗シーンからはじまってアクションシーンの迫力にまずは圧倒されました。財力と力で正義を実現するバットマンの立場と自己矛盾、正義を実現するために愛する者を奪われ悪に転化する検察官の存在で実感できる悪と正義の境界線のもろさ、悪の為の悪を純粋に追い求めるジョーカーの人間の理解を超えた存在感など、考えさせられるポイントが山積みのずっしり重い映画でした。一瞬たりとも目が離せない傑作だと思います。
歴代二位の実力は
バットマンがティムバートンの手によって生まれたのが1989年、それからシリーズ化され2000年までが第1章とするならば、2005年のバットマンビギンズからが2章になる。その第2章の二部作がダークナイトであり、過去のシリーズ史上最高傑作の出来栄えになった。
どこの評論でも言われてるがjokerのヒースレジャーが抜群の演技力で主役を凌駕している。どんな善人でも悪の心がありそれを利用して悪を重ねていく。バットマンの思考の上を常にいき、最高の悪jokerを完成させた。素晴らしい。米国で公開しタイタニックに迫る興行収入を叩き出し、日本でも大ヒットを期待されたが日本では見事にコケた、何故?これだけの素晴らしい作品が日本ではヒットしないのか。不思議である。
冒頭からラストまでまばたき出来ない、一瞬でも見逃せない、今年イチの最高傑作です。見終わった後も考えさせてくれる作品でした。是非とも!!
脳裏に絡みつく「純粋悪」
惜しい俳優が亡くなったものだ。ヒース・レジャー。これほど役になりきる俳優がいるか?最近テレビで見た『キャンディ』も凄かった。本当に惜しい。
レジャーの演技を引き立てるのノーラン兄弟の脚本も凄い。オチ付き映画の類じゃないのに何度も観ようとさせるのは彼らの脚本が素晴らしいからだ。まるでバットマンの影として現れたかのような純粋悪の設定が深い。
残念なのはノーランって女に興味がないのか、マギー・ジレンホールはミスキャストだった。主人公の幼なじみにしてはシニカル過ぎて情を感じない。もし他の女優だったら、あまりにも痛切な展開が私の胸を抉りきっただろう。でも、そうはならなかった。ブルースの哀しみを共感できなかった。完璧なこの映画の唯一の穴、それが彼女だ。
タイトルが良い
バットマンでなくジョーカーの映画。
タイトルにBATMANと入らないのもうなずけました。
アメコミヒーローには深い苦悩がつきものですが、その中でも闇の深いバットマン。
単純な勧善懲悪とは程遠いストーリー深いストーリーが良かった。
同じ監督の前作もよかったので、期待はしていましたが、すべての点で予想を上回るできでした。
作られるであろう次回作にヒース・レジャーのジョーカー再登場の可能性がもうないのが残念です。合掌。
2008年で最高の映画!!
予想を遥かに上回るできでした。
特に期待もせずに見に行きましたが、
まさかこれほどまでにしっかりした内容だったとは、ビックリです。
派手なアクションと、珍しい乗り物&機械が見れればOKと思っていました。
で、それは満たされました。
意外だったのは、
ジョーカーが異常なまでに冷静で、
他の人たちを嘲笑う様が滑稽でもあり、また悲しくもあり、
妙なリアルさを感じました。
船で爆弾のスイッチをお互い押さなかったシーンは、
人間に希望が持てました。
すごく好きなシーンです。
ラストのバットマンが自ら汚名を被ろうとするシーンも良いですね。
単純なアメコミものだと思っていたら、
こんなにも奥深い作品だったとは、、、。
素晴らしいです!!
時間の長さを感じさせない、
あっと言う間の152分、最高でした!!
是非、続編が見たいです。
パーフェクトです
とにかく興奮!映像もストーリーも完璧“パーフェクト”!!!
バットマンを見つつもジョーカーに感情移入してしまうビックリでした。
新しいテレビを購入されたなら、DVDで暗い映像表現を楽しむのも良いです。
サラウンドだってシコタマ楽しめるハズ!発売されたならDVDの購入オススメ
哀しきかな、人間の性よ。
友達が大絶賛していた&各種レビューで絶大な評価を得ているということで、観に行きました。
僕自身、バットマンシリーズも、アメコミ映画も観ていなく…
そもそもアクション映画をほとんど観ないタチで。
正直この作品、僕には合いませんでした。
ヒーローものに興味がないって言ってしまえばそれまでなのですが、
それでもわざわざ興味を持って観に行ってみたのですが、どうにも駄目でした。
まさに「肌に合わなかった」という。
何が惡いとかではなくて、とにかく観ていて面白さを見いだせませんでした。
こんなにも多くの人が絶賛している作品なのに楽しめなかった自分にショックでした。
どんなに多くの人が感動しても、それに感動しない人もいる、十人十色、、、という人間の哀しい性さえ感じました。
ファンの皆様、映画の平均点を下げてしまって申し訳ないです。
やはり映画は直感にビビっとキタ作品を観るに限ります。
グラグラ、グヮングヮン、ほ~ら、またオチタ。
●
バットマン&ハービー・デント&ジョーカー
ブルース・ウェイン&ハービー・デント&レイチェル・ドーズ
2つのトライアングルを何者なのか、何が出来るのか、
全く分からない過去のない男ジョーカーが、己の信念に基づき、
ただただ破壊し、楽しむために、周辺を巻き込み、自分を巻き込み、
ゴッサム・シティごと、グラグラと、グヮングヮンと、揺さぶり、
弱みのある人間をことごとく突き落とす。
バットマン(クリスチャン・ベイル)と
ゴードン警部補(ゲイリー・オールドマン)はお互いを信頼し、
日々起こる犯罪にゴッサム・シティで立ち向かっていた。
そんな中に、突如としてジョーカー(ヒース・レジャー)と名乗る
白塗りの顔で、口の裂けた正体不明の男が暗躍し始め、
バットマンたちを嘲笑うかのように、
楽しむように凶悪事件を次々と起こしていく。
正義感に燃える新しく赴任した
地方検事の“光の騎士”ことハービー・デント(アーロン・エッカート)は、
バットマンたちと協力し犯罪撲滅を強引に進める。
街を混乱に陥れるジョーカーはそれでも手を緩めることはなく、
策略を練りバットマンたちを窮地に追い込んでいく。
バットマンが正体を明かさなければ、毎日市民を殺す、と。
最後まで書くけど、ネタバレはないかな。
冒頭の銀行強盗で、今作のジョーカーがどれくらいクレージーなのか、
何を楽しもうとしてるのかを見せる。
ジョーカー役のヒース・レジャーは登場シーンの後姿からオーラが凄く、
ジョーカーが作品中で人々を震え上がらせるように、
劇場内の空気も完全に変えていた。
一杯ではない劇場を、この時期だとリピーターも居るであろう劇場を、
緊張感のある凍りつくような空気で満たしてくれる。
全身から極端な異常性と、徹底的な破壊性を感じさせ、にたにたと笑い、
クチャクチャと音を立てて食べ、こちらの神経を逆撫でし、
笑顔に含まれる邪な部分と、楽しんでいる部分。
その楽しんでいる様子が、想像していた以上に恐ろしく、素晴らしい。
撮り終えた作品はコレが最後というのは、ホントに惜しい。
今年観た作品の中で、ゼア・ウィル・ビー・ブラッドの
ダニエル・プレーンビュー役ダニエル・デイ=ルイスと、
ノーカントリーのシガー役ハビエル・バルデムと共に、
アカデミー賞よりも先に3大強烈キャラクター賞を僕から贈ります。
アカデミー賞ノミネートされるのかな、獲れるといいな。
マホーン捜査官
(byプリズン・ブレイク シーズン2(ウィリアム・フィクナー))の
強気な態度からのアホ面も楽しい。
こんな何気ない会話に伏線を張っていたのか。全く覚えてなかったよ。
偽バットマン登場。
他の派手なシーンは最高なんだけど、バットマンが生身の人間だとしても、
格闘シーンは同じリアル志向のポール・グリーングラスに撮ってもらえ、
と相変わらず思わないでもない。
スケアクロウ役のキリアン・マーフィーはいい味出してます。
アルフレッド・ペニーワース(マイケル・ケイン)と
ルーシャス・フォックス(モーガン・フリーマン)との会話は
相変わらずお洒落で和ませてくれる。
特にマイケル・ケインはクリスチャン・ベイルとの対比が絶妙なのか、
多くない出演時間でも前作同様に、いい感じに印象に残る。
好演俳優こと顎われアーロン・エッカートは
登場シーンからアーロン・エッカートなんだけど、作品にマッチしていて、
後での演技もアメコミらしく作品に嵌まっていて、素晴らしい。
それだけに僕は上映時間がもっと長くてもよかった。2部作でもよかった。
前作のケイティ・ホームズからレイチェル・ドーズ役になった
マギー・ギレンホールは同路線の素直なバトンタッチか。
でも、アメコミヒーローモノってどうしてヒロインがこうなんだろう。
個人的にはケイティ・ホームズの方がよかったかな。
ジェームズ・ゴードン警部補役のゲイリー・オールドマンは
前作同様お前はホントにゲイリー・オールドマンか?と思ってしまう。
ゴードンとゴードンの家族はこの作品に重要な存在だよな。
クリスチャン・ベイルは
ブルース・ウェインでのプレイボーイを装う姿の方が、
バットマンとして苦しんでいる姿よりも、
思い出されるのはどうしてだろう。
あんなに侍らしても、やっぱりそれでも、レイチェルなんだなぁ。
HA HA HA HA HA もうこのジョーカーの笑い声が耳について離れません。
さすが プレステージ の監督だ、
ジョーカーの鉛筆消しのマジックが最高です。
ジョーカーの口の傷の作り話は、やはり全て嘘なのであろうか。
全てが嘘ではなく本当の部分もあったりするのであろうか。
香港での飛行シーンから、脱出シーン、そして贈り物の一連も好きだ。
ジョーカーからの贈り物にはマジでビックリしてしまった。
あぁ一瞬だが素顔のジョーカーにも恐怖を感じる。
正体明かしにもビックリだよ。
カーチェイスでのバズーカ、ズドーンの派手さもいい。
バットモービルの突進、身を犠牲にしてのジャンプ、泣けるよ。
邪魔な物を破壊して、トレーラーごと破壊も出来るだろうに、
あくまで殺すようなことはしない。
そして、バットポッドの登場シーンに、
元子供の男の子としては最高に痺れてしまう。
そんな部分をクスグル所も忘れないのがいいよな。
その緊迫の展開に挟まる、おっさんだったり、子供だったりも、いい。
徹底的にダークだけど、お洒落な会話だったり、
挟まる一般市民のマヌケ面だったり、
それがあるからこそジョーカーの強烈さなどが更に際立つんだろうね。
つんのめりトレーラー大回転からの、バットポッドの止まり方、最高。
バイクじゃないけど、チャリでも帰りながらウズウズしちゃう。
いや、出来ないから。
ヤレと言うジョーカー、出来るのかバットマン、やっぱり・・・。
その時のクリスチャン・ベイルの叫びはよかったな。
おお復活!!ああ何故そっちなんだよ。
観てない人にはサッパリ分からなくなってきました。
そして、映像的にも、美術的にも、衣装やメイクにも、
妥協のない素晴らしい出来なのに、
ゴッサム・シティの空気感なども素晴らしいのに、
ここでのあの人の負傷シーンだけは、
何かちょっと変じゃなかったでしょうか。
何故あそこはあれでよしとしたのか分からない。
ジョーカーさんの思惑通りばっかりだよなぁ。
ホントに手のひらの上でコロコロ、コロコロと転がされてるよな。面白い。
あぁ手紙の内容が、悲しすぎるよ。
トゥー・フェイス!!
カオス、カオス。
カオスを作り、カオスを説明し、カオスに引きずり込む。
またも身を犠牲にしての突進。もうたまらんわ。
爆破シーンの派手さも、豪快さも、タイミングも抜群で完璧。絶妙。
ジョーカーさんのコスプレも嬉々としてる様子も最高。
ここまでやるのかという所までいっちゃうバットマン。
それもこれも、ジョーカーさんのせいであり、バットマンのせい。
一般市民たちに、選択を迫り、まだまだ楽しむジョーカーさん。
もう、どうにでもしてくれ。
ピエロ、ピエロ、見た目は重要?と楽しむジョーカーさん。
もう、映像も忙しいし、訳が分からなくなってきました。でも、楽しい。
市民たちのカッコいい選択。ちょっとカッコよすぎるか。
ヒーローモノだしね。
いや傷の話はもういいから、どうせ嘘でしょ?ここできたよビューン。
と思ったら、狙いはまだあるよ~んと、あ~あ、もう引き戻せないよな。
真実を知らせることも、知ることもないんだね。いや~悲しすぎるよ。
ダークナイト誕生!!
でもジョーカーは言うだろう“WHY SO SERIOUS?”と。
ちょっとくどい?なんか違う?
バットマンの世界をテーマパークにしてしまったティム・バートン作品との違いを明確にし、なおかつバットマンに真実味をもたせるため、昼のロケを多用しゴッサム・シティを実際にある街のようにしたところは良いですね。
バットマンが本来持つ「犯罪、探偵もの」の原点に忠実に、二転三転するストーリーは、努力は認めますがちょっとくどい。ハービー・デントで面白くなったのは確かですが、トゥー・フェイスは次作でもよかったような。
原作でいうところのダークナイト(闇の騎士)って、犯罪者に恐怖を植えつけるところから来ている言葉だと思うんですが、一般人からも犯罪者のレッテルを貼られてしまうラストは、なんか違うなと思った。
アルフレッドとブルース・ウェインの掛け合いも前作同様軽妙で、クリスチャン・ベールも存在感があり、良い。
対するジョーカー…やっぱり「ニコルソン・ジョーカー」を知る者としては、小物臭が。脚本的にももっとはっちゃけて欲しかった。
しかし、世間が「自警団も暴力のひとつ」との風潮になっていたり、ジョーカーとバットマンの絆(?)を描くあたり、バットマンを変えたアメコミ「ダークナイト・リターンズ」の映画化をやる気なんじゃ?と期待してみたり…。
多少やりすぎな気もするが
バットマンがダークナイトって事を言いたいらしいので悪者にしている映画です。
話はとにかく暗い、サポートをしてくれていた人には見捨てられ、好きな人にも友達でいましょうと手紙に書かれ、最後は警官殺しの汚名まで被る有様。
それでも見ていると引き込まれて、時間の長さは全く感じさせない面白さがあるので爽快感を得たい人以外にはオススメです。
手紙でそんなことをするなぁーッ!!
濃すぎ・・・とにかく濃すぎ・・・。
2時間半でこのぎゅうぎゅう詰め感・・・緩急つけてる時間的余裕がなくて、とにかく「急」ばっかり。全編異様な緊張感でみなぎりまくってました。
じゃあ感想を箇条書きで。
・冒頭から銀行の支配人?役でウィリアム・フィクナーキター!!!!!この人大好き。意味ありげな登場→めちゃめちゃカッコええ活躍→でも一瞬で退場。しかも退場の仕方ギャグだし・・・残念。
・いたるところで言われ切ってることだけどヒース・レジャーのジョーカーすごすぎ。でも、ジョーカー単体で観るとものすげえな!って思うんだけど、あまりにすごすぎて他の役者が霞みまくり、全体的な調和が取れてないと思った。役者の仕事は個人プレーじゃなくてハーモニーだと思うので、もうちょっと抑えるか、もしくは他の役者がもっとテンション上げまくるべきだったのではないかと。
・意識的に事前情報カットしていてよかった。ハービー・デントがトゥー・フェイス化するのは次の映画だと思ってたもんで、彼の顔半分がガソリンに浸かったとき「うお、この映画でやっちゃうのかよ!」と素直に驚けた。
・僕はマシュー・マコナヘイとかオーウェン・ウィルソンとかみたいな、アメリカンイケメンの典型みたいな顔の人は大好物なので、アーロン・エッカートも大好き。でも『ダークナイト』では、前述のとおり全役者がヒース・レジャーに食い尽くされてるので、見た目的にもインパクト大な悪役なのに影が薄く残念・・・。トゥー・フェイス化した後の、デントの掘り下げが半端だったように感じた。
・そういえばバットマン出てたっけ?っていうくらいバットマンが印象に残らない。物語を動かすのは「バットマン」じゃなくて「ブルース・ウェイン」だった。「バットマン」は単なる実力行使担当で、「ブルース・ウェイン」のカワイソな境遇と悩みが大フィーチャーされてました。ていうかこの映画、確かにアクションシーンはド派手なんだけど、鑑賞後に印象に残ってるのはドラマパートばっかりなんだよね。
・レイチェルの手紙の下りは、見ている当方の心がバキバキに折られまくりました。「やめろー!!やめてくれー!!手紙でそんなこと言うなぁー!!!」と思いながら観てた。個人的にはこのエピソードがこの映画の中で一番痛い。「やるべきことの大きすぎる人間」に着いて行く気持ちになれない人間の自分可愛さと辛さよ・・・、「理解者に恵まれない人間」の堪え難き孤独感と自分勝手さよ・・・。
・音楽にブンブンサテライツが使われてた。
まぁそんな感じ。
確かにすごい映画だとは思うんだけど・・・僕的にはあまりのめり込めなかったなぁ。
たぶん、ジョーカー絡みのエピソードに、リアリティを感じなかったせいじゃないかと思う。
いや、ブルースやハービーに対する心理的な揺さぶりとか、そういう意味でのリアリティは感じたけど、「実力行使編」に、さっぱりリアリティがなくない?
どうやって病院やフェリーに爆薬仕掛けたんだよ、とか、どうやってマフィアの集会場まで単騎で乗り込めたんだよ、とか、あれだけのことをするには相当金が必要だろ、燃やしてる場合じゃないだろ、とか。あんな人間に手下をまとめる能力があるわけない、でもそれなりの組織があるらしい。ていうことは切れ者の参謀役がいなきゃおかしいのに、そんな奴影さえ出てこない。とか。
あ、あとさ、『バットマン・ビギンズ』のラストで、ジョーカーは「殺人の前科がある」とか言ってなかったっけ?前科っていうことは有罪になってる(=身元が割れてる)っていうことだよね?なのに今回留置場に入れられたジョーカーのことを、「身元の分かるものは一切ない」とか言ってて、その辺も「?」だった。
まぁジョーカーの「生活感」を、意図的に排除して描いてるんだろうっていうのはわかるんだけど、そこがあんまり好きになれなかった。
でももう一回観たいわ。
たぶんもっかい観ないと理解しきれんと思うし。
(今年の夏は「もう一回観たい」と思う映画が多い。これはいいことだと思う。ナイス2008年夏。)
だからこれは、あくまで「一回しか観てない僕」の感想っていうことで。
とりあえず、手紙のエピソードが心に痛すぎ。
心臓に鉄パイプ突き刺されて夜の砂漠に置き去りにされたような気分になる。
そんな映画。
初めてバットマンかっこいいと思った
モコモコして耳がちょんとあって、バットマンってむしろカワイイよななんて思ってたんですが。
いやいや、めっちゃカッコイイやつだった。
これだ、これがほんとの美しい自己犠牲ってもんですよ。
命懸けて「オリャー」でいつもいつも心動かされると思ったら大間違い!
多くのアメリカ映画は見習うべきじゃないですかね。
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