「嫌いじゃない、けど」ダークナイト まゆうさんの映画レビュー(感想・評価)
嫌いじゃない、けど
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前半、特につまんなかった。内容のわりに長すぎるし。面白い映画は、大体配役がピッタリなものだ。キャラが立っていて、「この役はこの俳優でなければダメだ」と思わせるような説得力が必ずある。でも、バットマンもレイチェルも検事も、あの中国人実業家?さえ、別に違う俳優でも良さそう…っていう薄い印象。前半、セリフも無駄に感じるものが多かった。
唯一、説得力があったのはモーガンフリーマンやヒースレジャーだが、ジョーカーの舌をペロペロする仕草がちょっとくどいし、演技は確かに悪くないけど、そこまで絶賛するほどかなぁ…と疑問。ただ、ホアキン・フェニックスの「ジョーカー」とは一線を画していると感じる。ホアキンのはサイコってだけだけど、ヒースのは悪の美学みたいなものを感じる。それが元々脚本でそういう設定なのか、ヒースの作り込んだキャラ作りや演技力のせいかは分からないけど。
作品全体としては、言いたいことは分かる。人間が高潔であることがいかに難しいか。正しいことを貫くのがいかに勇気の要ることか。自分が助かりたい一心で人を簡単に売る弱さ、エゴ。大切な人を失ったり深い悲しみや絶望の淵に悪が宿るのだ。鑑賞者は、自分を含め全ての人間が持つ暗闇の部分と向き合うことを余儀なくされる。人間という生き物が常に抱える普遍的なテーマだと思う。
「善」と「悪」っていうキッパリ二元論な欧米っぽい世界観も楽しめるし、バットマンの、ヒーローでも悪でもないっていう立ち位置だからこそのジレンマも魅力の一つとは思う。でも、人生で心に残る映画か?と聞かれたら、、、
そこまでではない。
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