「ヒーロー映画の枠組みの中で、善と悪の葛藤と凄まじい闘いを描いた大傑作」ダークナイト Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒーロー映画の枠組みの中で、善と悪の葛藤と凄まじい闘いを描いた大傑作
クリストファー・ノーラン監督による2008年公開の米英合作映画。脚本は、ノーラン監督と弟のジョナサン・ノーラン。撮影がウオーリー・フィスター。制作がシンコピー、レジャンダリー、ワーナーで、配給はワーナー。
出演がクリスチャン・ベール(ブルース・ウエイン/バットマン)、ジョーカー演じたヒースレジャー、マギー・ジレンホール(レイチェル)、アーロン・エッカード(地方検事ハービー・デント)、マイケル・ケイン(執事あるフレッド)、ゲイリー・オールドマン(ゴードン警部補)、モーガン・フリーマン(フォックス・ウエイン産業科学部社員)等
ヒーローアクション映画の枠組みの中で、善と悪の葛藤と激しい闘いを描いた大傑作。
特に、バットマンの敵役ジョーカー、多くの人間を悪魔の道に導く真性の悪魔の造形、ジョーカーにより正義の人間から復讐魔にされたハービ・デントの描写は凄まじく、今まで見たことがない予想外のストーリー展開。二人の間で揺れるヒロイン・レイチェルがウエインよりもデントを選び、挙句の果てに爆死するのも、ヒーロー映画として驚きの流れ。
ノーラン兄弟の独創的脚本に脱帽とともに、ヒース・レジャー(撮影後、薬物中毒で急死も助演男優のアカデミー賞を受賞)、アーロン・エッカード、マギー・ジレンホールら俳優達の名演技、特にヒース・レジャーの神がかった、文字通りの一世一代の演技に大きな拍手と黙祷。
今晩は。
昨晩、ヒース・レジャー出演の「ブロークバック・マウンテン」を鑑賞し、感慨に耽ってしまったnobuです。
映画俳優の、役に対する”憑依”が今作でも感じられましたし、稀有な俳優の早逝を惜しむ気持ちが出てしまいました。
私を含めて、ヒース・レジャーと言えば、ダークナイトのジョーカーだとは思いますが、彼が如何に素晴らしい俳優であったかという事と、役に呑み込まれてしまう恐ろしさを感じました。では。