第9地区のレビュー・感想・評価
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SF映画ではなく、主人公の成長物語
見るきっかけは、以前CMかどこかで見た覚えがあったから。なんとなく、そして宇宙船とかの話が好きなので見ることにしました。
なのですが…全然SF映画ではない‼‼
ここからネタバレあり↓
まず最初に私もエビ(宇宙人)のことがとても気持ち悪いと思った。けれど話が進むにつれて、あの親子を見ていると、とても人間よりも人間的な考え方の持ち主だと思い、途中からは「がんばれ~‼」と思うほどに。
また、主人公の人間は最初は非人道的だったが、人間がいかに悪いことをしてるかを知り、けれど自己中心的だったが、エビ親子を見て、最後には人に優しくする術を知るところが少し感動した。
私的にはラストは好きだったが、レビューを見て、区々なんだなー、と思った。けれど、お互いの関係が複雑な思いで繋がっているその様は、また小さな世界でも起こり得ていることだと思うと少し寂しかった。
注意点としては少しグロいところ。グロいものが嫌いな人は考えてから見るべき。
けれどこの映画の世界観といったら、凄い。見終わったあと、部屋を見渡すと、すっごくリアル世界が夢の中にいるかのような、すぐには映画の世界観から抜け出せなく、友人に電話をしてしまったほど。
とても好きだし、これを見て私たち自身、何か変われるきっかけにもなれたらいいなと思う作品。
1度目の衝撃が凄すぎるので、兎に角見ることをオススメします。
アパルトヘイトの歴史と重ね合わせて
単なるSF映画でないのは、すぐにわかった。
南アフリカ出身の監督、エイリアンが難民であるという設定、第9地区というエイリアン専用のスラムのような居住区、『エビ』というスラングで呼ばれる醜悪なエイリアン、エイリアンは、誰もが忌み嫌う人間に仇なす存在。。。
完全にエイリアンは、アパルトヘイト時代の黒人として描かれ、アパルトヘイトというシステムが完成していった過程(権利の剥奪、土地収用の方法、移住強制、区分けという差別、迫害、拷問等々)が、一見正当に見える公的機関によって次々と実行されていく様を淡々と写す。
だけど、ここまでは、醜悪なエイリアンに対して、このような行為をすることにあまり罪悪感を感じない。人道的に問題があるとしても、対象がエイリアンだから、一般大衆は、あまり心が痛まないし、小事になってしまう。この恐ろしさ。
主人公の白人は、自分がエイリアン(黒人)に変わっていく過程で、仲間であった白人から迫害されて、徐々に変わっていく。
後半になって、醜悪であったエイリアンが人間のような生き物として描かれる。高い知性だけでなく、人間の感情、つまり、子を、仲間を思う気持ちを持つ者がいることがわかり、迫害する側の人間がより醜悪に見え、自分も次第に、エイリアン側に立って応援していることに気付く。
主人公もエイリアン親子と時間を共にするに従い、”人間らしく”なっていく。初めて黒人が同じ人間であることに気付くのである。
最後に姿形は変わり果ててしまっても、より人間らしい、他人を思いやる心は以前にも増している。
アパルトヘイトが完成していった過程、差別の歴史を学んでからこの映画を観ると、より深く南アフリカの悲しみがわかる。
また、アパルトヘイトから解放されて、一条の光(宇宙船から伸びる光で表現しているように思える)は見えたものの、まだ多くの黒人(エイリアン)が劣悪な環境に残されており、まだまだ道半ばであることも示されている。
アクションや造作も素晴らしいが、表面的な迫力だけでなく、本質を見たい。
非常に深く考えさせられる良作。
難民異星人社会の差別と貧困と犯罪の描写が実に良い
総合85点 ( ストーリー:75点|キャスト:85点|演出:90点|ビジュアル:85点|音楽:70点 )
どうしようもなくくだらない二流感でいっぱいの設定だけど、それでもここまでとことん美術・設定・映像を突き詰めると相当に水準の高い娯楽作品になった。差別や難民の話を織り込んでいる物語も良い。
異星人がエビ(Prawn)と呼ばれて馬鹿にされやっかいものの難民扱いされて差別されているのが非常に面白かった。異星人をそんなふうに地上で勝手に生活させるわけないだろうなんて突っ込んではいけない。難問収容地区である第9地区で彼ら独自の社会が生まれて、犯罪だらけの生活の中で独自の世界が生まれているのは、異星人であることを除けばとても現実感があった。
南アフリカにも他国から大量の人が不法に国境を越えて侵入して自分たちの社会を作るともいうから、南アフリカ出身の監督のそのような知識と経験が生かされているのだろう。武器商人たちの組織などは、報道番組などで多少見聞きするアフリカの残虐な社会を垣間見るようだ。
そしてただの普通のよくいる小物のクズに過ぎなかった主人公の、仕事を任命されたことと怪しい液体を浴びたことによる大きな転機によって変わっていく姿がこれまた面白かった。そんな役を演じたシャルト・コプリーの演技がこれまた良かった。全く知らない俳優だったが、これ作品以降は脚光を浴びて仕事が舞い込んでいるのは頷ける。
さらにエビに過ぎなかったとことん見下されている低能な犯罪者としての存在が実は知能もあって、といってもそりゃ空飛ぶ円盤に乗ってやってくるくらいだからそれは当然ではあるのだが、酷い生活の中で子供や仲間のことを考え20年もかけて密かに帰還計画を準備しているという逆転的な映し方も良かった。主人公もエビも当初とは全く違う視点で描かれる。
さらには細かな美術や迫力のある活劇があり、また立場の逆転や波乱を見せておいて、それでいて最後がどうなったのか・どうなるのか謎も残ったままの結末も面白かった。楽しめました。
SFドキュメント
宇宙人の難民?何やら現実離れしたSF映画だなと思ってましたが、現実世界で起こっていることをSFに置き換えて、見る人に訴えている、ドキュメンタリーかと思わせる映画でした。
当たりの映画でした。
どうしようもない人ほど…
なんやかんやで主人公は結局エイリアンになってしまうわけですが…この主人公、妙に人間味があるというか残念というか…とにかくこんな性格の人ほど、気になっちゃう
差別を宇宙人として描く
本作は宇宙人をエビと呼び、移住させようとする。まぁ平たく言うと差別を表現したいのだと思います。ニールブロムカンプ監督が描きたかったのはこれと、もう一つあったと思います。
それはこのえいがには欠かせないSF要素のパワードスーツなどの兵器。
これは主人公が差別する側から差別される側に回ったため、差別される側としての感情が生まれる。そして自己中心的な行動をしていた差別する側の時とは違い、差別される側の時に自己犠牲をする、という一連の流れ。そこには必ず見せ方の問題点があります。ここに多種な兵器を使って、これを上手くSF調にしたかったのではないかと思いました。
個人的には、兵器や戦い方などもかなり感銘を受けました。ラストシーンも印象的でしたし、かなり満足いく作品でした。
豪華なB級!
2回目の鑑賞です。
いやー、超ソフトスプラッターで(笑)
感情移入もできないし、ビックリ系ホラーが作りたい監督が頑張った感じで、だめだこりゃ〜、がピッタリきます。
エイリアンスタイルをきめたいなら、もっとぶっ飛んでもらわないと(笑)
全部が中途半端でした。
濃い味スルメ映画
劇場で2回、金ローで1回、昨日DVDで2回目を鑑賞しました。
やはり、独特の雰囲気を持った作品ですね。だから好きなのですが。普段見ない土地に普段見ない宇宙船が浮いてるので、絵面だけでもう楽しい。これぞSF、これぞ映画という感じです。朝昼夕晩と色々な時間に宇宙船を映してくれるのも嬉しい。この宇宙船の描写もほんとリアル(?)というか、実際に遠くから巨大な円盤を見たらこんな感じなんだろうなと思わされました。
内容については、まず掴みがスマートだなあと思います。ドキュメンタリータッチやニュースの映像にインタビューを交えつつ現在の人間と宇宙人、対応するMNUの状況説明を行い、同時にその後に起こる何かについてそれぞれの意見を言わせ我々の興味を持続させるという。
僕初見の時は前情報一切無し(メインビジュアルが面白そうだっただけ)で見に行ったので病院のシーンは
「!( ゚д゚)?」みたいな
見たことないけどザ・フライみたいだなーとか思ってました。こういう映画かよ?!って。確か触れ込みでもこの肉体変異の件は一切触れられてなかったです。知らずに見たグロ耐性ない人はキツかったろう。僕もある方じゃないので今でも若干キツいですが。
でドンパチやり始めた時はまたこういう映画かよ?!って思ってしまいました。ぶっちゃけ大分混乱してましたね。楽しみ方がわからないというか。だから1回見た後は茫然自失でした笑
でも、何かすごい!こんな映画見たことねえ!っていうエネルギーのようなものを感じて2回目見に行って、やっぱり痛そうなシーンにはハラハラしつつ楽しめました。楽しむポイントがわかってきたというか。
この映画、某U丸さんの言うような差別云々の仕組みも言われれば見事だと思うけど、やっぱり単純に熱い。ただの小役人型会社員がひょんなことから事件に巻き込まれ、自分も虐げられる立場に周り、最初は自分の利のため足掻くけど最終的に他者(他エビ)のために戦ってギリ勝つ!ほら熱い!
ヴィカスとクリストファー見てるとどっちが人間でどっちが宇宙人なんだかわからなくなってくるんですよね。精神的には明らかにヴィカスのが下劣という皮肉。
メカニックの描写もたまらんですね。ヴィカスがエビの銃をギャングのアジトで握った時の銃のアクションとか、何と言ってもパワードスーツなんかもう最高じゃないですか。あと司令船のUIも近未来的でクール。この監督はエリジウムでもその方向で好き勝手やってくれてるっぽくて嬉しいです。
やっぱりラストシーンは美しい!僕も初めはこれで終わり?と思ったりもしましたが、見れば見るほど、考えれば考えるほど良いラストだと思います。切ない。続編はやって欲しいような欲しくないような…
評価は別れるかもしれないけど見る人には前情報なしで見て欲しい!そして好きになる人にはどんどん好きになって行って欲しい個人的濃い味スルメ映画です!触手を向けるな!
泣いた
この映画観た時泣いた。
「安っぽい感傷の涙なんて、クソだっ!!」
と云わんばかりの映画で、泣きそうになる度にそれを打ち消すようなゲスなシーンが差し込まれて、涙も引っ込むんだが、ラストでついに涙決壊。
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エイリアンのクリストファー・ジョンソン(なんつう名前だ!)がイイ。
見た目がエビ&昆虫&ゴラムだけどイイ。
ものすごくブサメンだけど心根は真っすぐなんである(と思う)。
ほんとはもっと人間のこと憎んでいいはずなのに、憎悪よりも哀しみを湛えたところもイイ。
彼の息子のリトルCJがどうしようもなく愛おしい。
コイツだけは守ってやらんと、という母性本能のようなものが掻立てられる。
見た目不気味なエイリアンに、ここまで感情移入させるなんて、たいした映画だと思う。
(エイリアンへの共感を、言葉ではなく映像的に誘導していく点も素晴らしいと思う。)
本作の主人公ヴィカスは、ゲスな人間で腹が立ちっぱなしだったんだが
ラストのバトルシーンがイイ。
彼の乗ってるロボットがヨロヨロになりながらも闘う姿にグっとくるんである。
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クリストファーとヴィカスは
故郷に帰りたい(愛する人に会いたい)っていう共通の願いを抱えている。
二人の願いがシンプルで真っ当なものだからこそ、この映画、バイオレントでありながら感動的なのだと思う。
二人が決死の覚悟で研究所に乗り込むシーンは本当に良かった。
二人が醸し出す相棒感は「リーサル・ウェポン」を
子を守りたいって思いは「エイリアン2」を彷彿とさせ
そんな王道さをしのばせつつも
「感傷なんていらないよ!」というスタンスは最後まで崩さずトボケた感じを貫ぬいたのは天晴としか言いようがない。
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南アの人にとっては、バカで汚く邪魔者だったエイリアンも
ナイジェリアの人にとってはパワーの源で憧憬の対象という描写も面白かった。
憧憬の表現がまた何とも言えずグロかったけれども。
キャー!!エビサ―――ン!!
斬新さと社会風刺の塊ですね。
まず人間にまったく感情移入させないのがすごい。
宇宙人側の主人公は相当の人格者なのに、人間側はというと、
「お前ほんとは主人公じゃないだろ」って言いたくなる素敵なクズ。
そしてこの主人公etc.がエビ的な難民たちをいじめるいじめる。
結果なんやかんやあってエビ化してくれ…してしまう主人公。
ここからが怖い。
ついこの間まで企業の最高責任者だったはずの主人公に異変が起きた途端、
もう人間扱いしてないんです。ただの実験体、化け物としか見ていない。
そんで長い追いかけっこが始まるわけです。
その過程で再びエビ先輩に出会い変わっていく主人公。
協力してそれぞれの目的を果たそうとする二匹。
自分の星に帰ろうとするエビ紳士。
ロボに乗って大活躍かと思ったら、へっぴり腰になって逃げようとする
素敵なクズごめんやっぱり変わってなかったわ主人公。
それでも最後は命賭けでエビジェントルを故郷に帰す主人公。
わー主人公っぽーい。エビ要素だいぶ多めー。
そして逃げていくエビガンジーが一言。
「待っててくれ…必ず助けに行く…」
か…かっけえぇぇぇ―――――――!!結婚してくれ―――――!!
終わり方も良いし、これは傑作ですね。
すごくセンスいいよ
エビが“地球で集めた”宇宙船の燃料を被ると、
なぜにエビになっちまうんだ!!
…っていうとこだけはB級だが、ほかは抜群にセンスがいいぜよ。
コメディーなんだか、シリアスなんだか、
バッドエンドなんだか、ハッピーエンド(ともとれるよね)なんだが、
絶妙でいながら、中途半端に終わっていない。すごい作品だと思う。
ただの悪趣味なんかじゃ決してない
今そこで起こってる臨場感がある(・∀・)
モキュメンタリーと言ったらいいのか?
シャルト・コプリーの実況から入り、ある日急にエビ星人が宇宙からやってきて地球上で生活をし始めてる中、独自に色々な機械やら道具やらを作り始め、地球人は気味悪がってその排斥をが始まる。
このカメラを通してキャスター風に実況中継したり、暴力でエビ星人を排除していく様は完全に報道番組(・∀・)
そこで地球人の暴力性、そしてそれを観てる視聴者の「現実乖離感」をうまく表現できてると思うΣd(゚∀゚d)イカス!
いかに現場ではひどいことが行われていても、カメラを通して見るものはどこか現実感が感じられず、視聴者も「今そこで起こってる」という臨場感がかなり薄くなって、その結果自分とは関係ない他人事と映ってしまうもの。
そしてシャールト・コプリー自身がエビ星人を射殺した時腕を怪我して、そこにエビ星人の返り血を浴びて、そこから徐々に自分もエビ星人に変身し始める。
それを知られて殺されようとするが、急いで第9地区に逃げて行って人間の言葉が分かるエビ星人にかくまってもらうけど、そこで初めてエビ星人の立場に立っていかに地球人がこれまでひどいことをしてきたのかを身をもって実感する。
結局最後はエビ星人に変身しちまうけど、ラストカットは哀愁を感じさせながらもどこかすっきりしたような印象(^_^)
最初は横柄で調子こいてて軽薄な感じだけど、エビ星人に変化してきて周囲から殺されそうになってきて第9地区に逃げて徐々に思いやりの感情を持っていく演技の変化がすごい。
アパルトヘイトを経験してきた南アフリカでこれが製作されたということが非常に意義があると思う(^O^)
やってることは白人が黒人を弾圧した事実と被る。
エビ星人の造形は『エイリアン』とか『プレデター』の影響が強い気がするし、クライマックスで第9地区を大破壊するロボットは『アバター』とも似てる(・∀・)
アバターでは完全なハッピーエンドだけど、これはまだまだ弾圧は続くということを匂わせてるし、そしてエビ星人に変身した主人公もいつ人間に戻れるのか、それとも一生このままなのかも分からない。
さらにモキュメンタリー調にしたことで「これは今起こってる現実のことなんだぞ」という制作側のメッセージも伝わってくる。
傑作です(^O^)/
アバターに似た作品
アバターに似た作品でした 悪役は宇宙人じゃなく人間です!! でもアバターとは違って主人公にはエイリアンになってほしくない作品でした‼
主人公の幸せな生活が次第に奪われていく… 見ていくと怖くなってきます。 でもアクションはなかなかいい。 それにしてもラストの映像はわかってはいながらも衝撃をうけた!! アバターはハッピーでも 代9地区は悲しさをかんじさせる。 続編あってほしいなと思うけどおそらくないでしょう。
インセプションみたいな感じです。 なんか記憶に一生残るような終わり方でした‼
違う映画の話になりますが、そういう意味ではサルの惑星も一作目で終わらせるべきだったと思う
楽しめるB級映画
前半のドキュメンタリー風のタッチから、後半は完全にアクションムービー。
ストーリーの先があまり読めなかったので、予想以上に楽しめた。
特に、あのエビというか、セミというか、よくわからんエイリアンが映像的にとてもチープに感じるのだが、段々見慣れてきてカワイク見えてくるのが不思議。
キャットフードで大興奮だし。
全体的に、チープなB級映画という印象は残るものの、さほど期待しないで観るB級映画としては良作。
意外!!
前から気になっていた第9地区を見ました!!
てっきり宇宙人についての映画だとおもっていたけど、実際は宇宙人がメインではなく結局、最後の方は人間の欲望というか汚い所がメインになっていて意外でした!!
その後彼らがどうなって三年後に彼らが再び来るのか凄く気になった。設定が非日常的で斬新だから面白かったです。
偉大なるB級作品
CGや役者の演技はA級です。ですがテーマやストーリーがB級ですね。考えさせられる内容ではある(南アフリカが舞台なのでアパルトヘイトがテーマだと思うが)のですが悲しさやむなしさを本来は感じさせたかったのだと思いますがエイリアンの作り(設定)が全体のテーマを変えてしまっている気がします。面白くて観る価値あるんだけどなんかなぁ・・。という感じです。
弱者として描かれるエイリアン
エイリアンを隔離する舞台が、アパルトヘイトの歴史を持つ南アフリカというのが、この作品をユニークなものにしている。
しかし、エイリアンの名前がクリストファーなんて! 普通、エイリアン映画はそれに対抗する人間を応援するが、この映画は逆で、私は最後まで善良なクリストファーの味方だったし、最初は癪に障ったおしゃべりな主人公にも感染してエイリアン化するに従って気持ちが寄り添っていった。エイリアンが弱者として描かれてるからだな、きっと。
自分の惑星(?)に帰ったクリストファーだけど、彼なら必ず地上に残された主人公を救いにやってくる。続編「第10地区」の可能性を十分感じさせる終わり方だった。
人は誰しもが誰かのよそ者
去年の夏、アメリカではひとつのショッキングな広告ヴィジュアルが話題となった。
「NO HUMANS ALLOWED」
直訳すると、「人間以外、お断り」。
これは、我々人類がそう遠くない過去に見たサインに良く似ている。
このシンプルな宣伝が人々の注意を惹きつけ、「第9地区」は大ヒットを収めたのだ。
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソン監督がプロデュースを務め、南アフリカ出身の新鋭ニール・ブロムカンプがメガホンをとった本作は、今までになかった角度とロケーションでエイリアンと人類の抗争を描写している。仲間にも敵にもなりうる、そもそもエイリアンとは”地球外生命体”のみを指し示す言葉ではなく、自分とは違う異質な者、よそ者のことなのだ。そして人は誰しもが誰かのよそ者だし、何かをキッカケに突然仲間からよそ者にされることだってある。
激戦アクションも見所なのだが、やっぱり全編に散りばめられている用意周到な”皮肉”がいちばんの見所。愚かな人間(強者)に対する愚かな弱者(エイリアン)の構図は目新しいけど、結局のところ人間は敵がエイリアンであろうと同族の人間であろうと、牙をむかれれば牙をむくし、孤独がやってくれば人間であろうとエイリアンであろうと寄り添おうとする。ある意味、種族なんてものを越えたテーマが、アフリカの乾いた大地に乱雑に転がっているのである。
アフリカからこんなエキサイティングな映画が届くと、これからの映画の未来にワクワクしてくる。
宇宙人とのコンタクト
この作品は実に考えさせる映画です。
スティーブン・スピルバーグの未知との遭遇では、最終的に宇宙人と友好関係を結びました。
それに比べ第9地区は結局コンタクトをとれずに母船は大量の宇宙人を残したまま
帰って行きました。
宇宙人とコンタクトが取れない作品には宇宙戦争やインディペンデンスディがあります。
もしも現代社会で、宇宙人と遭遇してしまったらあなたや政府はどうするでしょうか。
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