第9地区のレビュー・感想・評価
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ただのSF映画ではない。そんなこと言い出したら他の映画も全部そうだ...
ただのSF映画ではない。そんなこと言い出したら他の映画も全部そうだろと言われるかもしれない。でもこの映画はモロにそれだろうという描き方をする。
シャルト・コプリーの自己中ゲス野郎演技が非常に良い。人間は本当に非道いことができる酷い生き物だと思う。
液体浴びる前→浴びた後の立場の変化。教訓の入った童話みたいな展開なのだけれど、すごい面白い。
ベタな感想だけど助けに戻るところグッときたし一番良かった。
ブロムガンプは“先見性”を扱うのが上手すぎる!
本物の”先見性”がギュッと詰まった傑作だった。「エイリアンもの」ジャンルの中の”まだ発掘されずな未開”を、問題提起(移民問題など)で切り開くとか、まずアイデア勝利すぎる。加えて頭と心のどちらも興奮させる逆転劇が、斬新でいてパワフルすぎて、我慢できず叫んだほど、『第9地区』は本当に前評判を凌駕してた。
加えて今じゃキテレツキャラが板についてるシャルト・コプリーのダメダメからのヒーローぶりがあまりに感動的すぎる(『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のトム・クルーズばりでした)。敢えて敵に敗れてからのエビたちに救われるとか、ブロムガンプは胸アツ場面を作るのすごく新しすぎる!オレ何度”Blu-rayを絶対買う!”と叫んだことかw
パンフ見たら続編(『第10地区(仮題)』)が企画中との記載がアリで、一体ここから転がす方法、どうするのかな?一報欲しい!
SF映画界に風穴
初めて、劇場に5回も足を運んだ。話題の作品だったため期待はしていたが、ここまでとは。2009年当時停滞気味だったSF映画界に新たな命を吹き込んだ名作だと思う。
エイリアンという部外者に対する人間の振る舞い。確かに突然やって来て南アのヨハネスブルグに住み着いた挙げ句、人間の物は奪うは争いを起こすはやりたい放題。それだけを聞けばエイリアンが悪者だが、人間も違法的にエイリアンの人体実験などを行っているという事実もあるのである。主人公のヴィカス含め人間側は異星人(エビと呼ばれている)を害虫としか思っていない。ところが主人公の体に異変が起きてからは、自らも実験体になってゆく。ここで始めて人間側が「怖い存在」という認識に変わってゆく。命からがら逃げ出し助けを求めたのはあるエイリアンの親子。ここでもまた人間の自分勝手さが滲み出ている場面である。ここである条件のもと協力しあうのだが、かなり終盤に差し掛かっても主人公の自分勝手さは直らず、主人公への感情移入が薄いまま物語が進んでいく。これは主人公の身勝手さを描きつつ、主人公の行動=人間の行動として描いているのだろう。方や異星人側は仲間との関係や親子の愛など、情に溢れる描写が多い。
この様に本作は人権についてのメッセージが強い作品だったが、ただの人権をテーマにした映画ならば新鮮味が無いものの、エイリアンというエンターテイメント性を持った存在を登場させることで、ドラマとしても、SFとしても新しい切り口になって非常に見応えのある作品になっている。グロい表現が多い為、耐性の無いと厳しいかも知れないが、かなり胸が熱くなるシーンがあり、 結末に近づくに連れ、動悸が激しくなった。現在続編の可能性もあるのだが、具体的には公開日等のめどは立っていない。だが、このラストであれば今か今かと期待してしまうものだ。
ブロムカンプ監督作品
アパルトヘイトの歴史と重ね合わせて
単なるSF映画でないのは、すぐにわかった。
南アフリカ出身の監督、エイリアンが難民であるという設定、第9地区というエイリアン専用のスラムのような居住区、『エビ』というスラングで呼ばれる醜悪なエイリアン、エイリアンは、誰もが忌み嫌う人間に仇なす存在。。。
完全にエイリアンは、アパルトヘイト時代の黒人として描かれ、アパルトヘイトというシステムが完成していった過程(権利の剥奪、土地収用の方法、移住強制、区分けという差別、迫害、拷問等々)が、一見正当に見える公的機関によって次々と実行されていく様を淡々と写す。
だけど、ここまでは、醜悪なエイリアンに対して、このような行為をすることにあまり罪悪感を感じない。人道的に問題があるとしても、対象がエイリアンだから、一般大衆は、あまり心が痛まないし、小事になってしまう。この恐ろしさ。
主人公の白人は、自分がエイリアン(黒人)に変わっていく過程で、仲間であった白人から迫害されて、徐々に変わっていく。
後半になって、醜悪であったエイリアンが人間のような生き物として描かれる。高い知性だけでなく、人間の感情、つまり、子を、仲間を思う気持ちを持つ者がいることがわかり、迫害する側の人間がより醜悪に見え、自分も次第に、エイリアン側に立って応援していることに気付く。
主人公もエイリアン親子と時間を共にするに従い、”人間らしく”なっていく。初めて黒人が同じ人間であることに気付くのである。
最後に姿形は変わり果ててしまっても、より人間らしい、他人を思いやる心は以前にも増している。
アパルトヘイトが完成していった過程、差別の歴史を学んでからこの映画を観ると、より深く南アフリカの悲しみがわかる。
また、アパルトヘイトから解放されて、一条の光(宇宙船から伸びる光で表現しているように思える)は見えたものの、まだ多くの黒人(エイリアン)が劣悪な環境に残されており、まだまだ道半ばであることも示されている。
アクションや造作も素晴らしいが、表面的な迫力だけでなく、本質を見たい。
非常に深く考えさせられる良作。
南ア出身監督というよりピータージャクソンの世界観という感じがするが...
綺麗事だけじゃない
難民異星人社会の差別と貧困と犯罪の描写が実に良い
総合85点 ( ストーリー:75点|キャスト:85点|演出:90点|ビジュアル:85点|音楽:70点 )
どうしようもなくくだらない二流感でいっぱいの設定だけど、それでもここまでとことん美術・設定・映像を突き詰めると相当に水準の高い娯楽作品になった。差別や難民の話を織り込んでいる物語も良い。
異星人がエビ(Prawn)と呼ばれて馬鹿にされやっかいものの難民扱いされて差別されているのが非常に面白かった。異星人をそんなふうに地上で勝手に生活させるわけないだろうなんて突っ込んではいけない。難問収容地区である第9地区で彼ら独自の社会が生まれて、犯罪だらけの生活の中で独自の世界が生まれているのは、異星人であることを除けばとても現実感があった。
南アフリカにも他国から大量の人が不法に国境を越えて侵入して自分たちの社会を作るともいうから、南アフリカ出身の監督のそのような知識と経験が生かされているのだろう。武器商人たちの組織などは、報道番組などで多少見聞きするアフリカの残虐な社会を垣間見るようだ。
そしてただの普通のよくいる小物のクズに過ぎなかった主人公の、仕事を任命されたことと怪しい液体を浴びたことによる大きな転機によって変わっていく姿がこれまた面白かった。そんな役を演じたシャルト・コプリーの演技がこれまた良かった。全く知らない俳優だったが、これ作品以降は脚光を浴びて仕事が舞い込んでいるのは頷ける。
さらにエビに過ぎなかったとことん見下されている低能な犯罪者としての存在が実は知能もあって、といってもそりゃ空飛ぶ円盤に乗ってやってくるくらいだからそれは当然ではあるのだが、酷い生活の中で子供や仲間のことを考え20年もかけて密かに帰還計画を準備しているという逆転的な映し方も良かった。主人公もエビも当初とは全く違う視点で描かれる。
さらには細かな美術や迫力のある活劇があり、また立場の逆転や波乱を見せておいて、それでいて最後がどうなったのか・どうなるのか謎も残ったままの結末も面白かった。楽しめました。
何とも言えない…
SFドキュメント
宇宙人の難民?何やら現実離れしたSF映画だなと思ってましたが、現実世界で起こっていることをSFに置き換えて、見る人に訴えている、ドキュメンタリーかと思わせる映画でした。
当たりの映画でした。
SFスラム映画の傑作
エイリアンの息子がかわいい
衝撃のSF
どうしようもない人ほど…
なんやかんやで主人公は結局エイリアンになってしまうわけですが…この主人公、妙に人間味があるというか残念というか…とにかくこんな性格の人ほど、気になっちゃう
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