第9地区のレビュー・感想・評価
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もしかして、傑作?
はじめはドキュメンタリータッチで物語が進み、このまま政府機関や民間研究機関のリアリティを追求するんだろうなーと思ったら、途中からドラマタッチにガラリと変化して凄まじく面白くなりました。まさかの展開でした。
異星人の造形は、プレデターみたいな甲虫類。異形に見えて、実は人間より人間っぽい。ストーリーの中心が異星人だけど、その比較対象が人間の心理と行動で、人間の本質的な愚かさが際立ってます。
それから、映像、特にSFXが凄い。異星人が惜しみなく沢山出てくるのはもちろん、ロボットの動きも秀逸だし、肉弾が飛ぶわ、どデカイ母船も精巧、細かいところで驚いたのは、主人公が異星人に半分変化してる時の目の動き。片方だけ異星人の目になって動いてる。
脚本も演出も効果も映像も全部に良かった。
もっと前に見れば良かった。多分、傑作です。
おうち-123
ダメージでかい。
でもそれは人生で必要なダメージ。
タイトルを聞いたことがあったので、特に考えずに借りてみました。
グロ耐性とかホラー耐性とかあっても、バイヲタでも、これは違う。
自分がエイリアンのハーフになったらと考えると…。
『エイリアン』シリーズのエイリアンとは次元が違うもん。
🦐たちの造形がキモいのではなく、半分🦐になっていく過程でぞっとする。
むしろ🦐は可愛く見えてきます。特に小えびちゃん♡
後半は全く違う映画になります。
前半はただのパニックムービーかと思っていたのに、久々に心にずしんとくるメッセージをもらいました。
差別、共存、戦争……舞台が南アフリカというのもメッセージだと捉えました。
久しぶりに胸が締め付けられる寂しさと痛みを感じました。
元々🦐は苦手だけど、この寂しさを思い出すから当分食べないし、かっぱえびせんもきつい(笑)
こういう映画にはこの先10年くらい出会えない気がする。
21世紀の初めに作られなくてはならなかった必然的な作品だ
衝撃的だ、これこそ本当のSF映画だ
宇宙船や光線銃のビームぎ飛び交うものだけがSFではない
本当のSFとは、思考の枠を押し広げ、硬直して固定化されてしまった私達の観念を相対化してくれるものだ
それがSFの役割であり、本作は見事にそれを果たしている
舞台は南アフリカのヨハネスブルグ
それだけでなにを言おうとしているかは明らかだ
アパルトヘイトへの憤り、その目をおおう実相をエイリアンと人間いう極端な誇張で意味を相対化して映画にしたというものだ
しかしそれが本当の製作目標ではない
その世界観を如何にリアルに作り上げるかに監督の情熱が注がれている
それは観れば直ぐ分かることだ
つまり本作は本当は政治的意図を持って作られてはいないし、アパルトヘイト云々は若干の批判は在りつつも、結局は設定の為の建前に過ぎない
だから本当はそこで終わったはずの映画だった
しかし本作は僅か10年も経ずして、作った時点の製作者の意図とはお構い無しに、思いもしない大きな政治的意義を持ってしまった
それは欧州における移民問題だ
正に本作の世界そのものが現実に起こったのだ
アパルトヘイトに憤り、常に人道的にあるべき
ナショナリズムよりグローバルな自由平和平等博愛が優越するのだ、それが文明なのだ
そのような美しい理想を掲げて、EUの諸国は恐ろしい程の大量の移民を受け入れたのだ
しかし夢はもろくも破れた
そんなものは偽善だったのだ
本当に自分たちの領域にエイリアンが大きな構成を占めた時、既存の社会とエイリアンの社会は併存、共存など出来ないという現実がはっきりしてしまったのだ
ならばどうするのか?
答えはない
第9地区は現実に存在してしまい、永遠に続くのだ
本作はその見たくない考えたくない厳しい現実を先取りしていたのだ
21世紀の初めに作られなくてはならなかった必然的な作品だ
日本人にとっても本作は他人事ではない
人口減に直面して外国人労働者を大量に入れる方向に日本も舵をきった
東京に第9地区が出現するかもしれないのだ
現実にも通じる問題。物事の見方
冒頭のドキュメンタリー番組のシーンでは、人間の視点から、移民エイリアン問題が語られます。
生ゴミを漁り、強盗、ひったくり、武器密売を生業として スラムと化した第9地区に住む蛮族。
市の職員として、第9地区管理を行う主人公はひょんなことから片腕がエイリアン化
してしまう。
物語の視点は人間からエイリアンへと移ります。
不幸な宇宙船事故によって異星に不時着し、そこでは、不衛生なプレハブ小屋に住まわされるだけでなく、子供は焼かれ、大人は実験体として拉致、殺害される、悲劇の来訪者。
冒頭で描かれる人間から見たエイリアンの所業と、中盤で描かれるエイリアンから見た人間の所業。
物事の本質は一側面だけでは語れない。当たり前のことですが、難しいことですよね。
B級臭漂わせながらも
紛れもない良作。
主人公は平凡でちょっと軽率なお調子者。とくに善人でもなくかっこよくもないし肉体的にも精神的にも強くもない。B級映画ゆえの甘さかと最初は思うがさにあらず。リアルさに一役かっている。
いっぽうのエイリアン。見た目はいかついがボロをまとっていたり、飢えでガツガツしていたり。人間的でリアル。ここでもB級映画の危うさを感じさせるがこの生身な生体があとで効いてくる。
ちなみに、地球に来るほどの知性を持ちながらも粗暴でみすぼらしいエイリアンに違和感を覚える人もいると思うがそれは違うと思う。1000年後、人類はとてつもないテクノロジーを手に入れているだろうが、1000年くらいでは生物学的には進化していない。ホモ・サピエンスはホモ・サピエンスだ。いまだって人類は月に人を送れるが、ほとんどの人はロケットを作るほどには賢くないのだから、賢くないエイリアンがいたってなんの不思議もない。恐らく本作品のエイリアンとホモ・サピエンスの種としての知能はだいたい同等なのだろう。ただエイリアンのほうが少しだけ早く(100年か千年か1万年か)産業革命を経験したにすぎない。
同じホモ・サピエンスだって、ちょっとした差でアジア・アフリカは奴隷に落とされたのだ。
さて冒頭、なんであんな不気味で粗野で得体のしれないエイリアンを劣悪な環境だとしても保護するんだろう、と多くの人が思うことだろう。
しかし後半、そんなエイリアンの境遇にいつのまにか同情し共感を覚えることになる。
人間から見たら醜い昆虫的エイリアンにまさか感情移入しようとは...
対して、強欲で冷酷な人類に憎悪すら感じてしまう。だけどこの作品に出てくるほとんどの人間は恐らくさほど悪人ではない。職場では普通の上司や部下だし家庭では普通の父や息子であろう。
自分と違う(と感じる)他者に対する非寛容さと冷徹さは、人類に普遍的なものである。
植民地にする側される側、迫害する側される側。立場によって見方が変わることを、まざまざと見せつけらた。
ユーモアの詰まった盛りだくさんSF
ドキュメンタリータッチの前半からぐっと引き込まれ、その後もユーモアを忘れずに、だんだんとシリアスになっていく展開が良い
それに加えて主人公の性格が悪いのも、良い
確かに
SF映画としては斬新な映画だと思う。
が、いつも思うのだが、あの巨大な宇宙船を持つエイリアン、しかも少人数ではなく、凄い数のエイリアンに、人間がいつまでも支配的でいられるだろうか?
テクノロジーの違いが相当あるはずなのに。
それが気になって何かいまいちに感じた。
社会派ドキュメンタリー風SF
冗長なところがほとんど無く、サクサク進んで飽きない。アパルトヘイトを彷彿とさせる「NOエイリアン」の看板とか、スラム化するエイリアン居住区とか、この国でしか取れないような映画で、数あるエイリアンものの中でオンリーワンの名作の一つに間違いなく数えられるだろう。
騙されたと思って観るべき作品
前半ノンフィクション風、実録風、映画というよりはニュース番組のようでこれ失敗したか?と思った
他のSF映画とは違いエイリアンが酷い扱いを受けている。すごく喋る。
人間は惨い。実験の為、人間の為ならば手段を選ばない。
殺す側が殺される側に憎かった奴に自分がなる
3年は長い
最後カットのエイリアンは多分彼だが3年のうちに本物のエイリアンに。そして故郷へ帰った彼らはその後地球に戻ったのか
彼は人間に戻れたのか
新感覚エイリアン映画
ニール・ブロムカンプ長編デビュー作。
監督の出身地の南アフリカが舞台。
南アフリカの過去の歴史をベースに、エイリアンを絡めた物語をドキュメンタリー風に描く。
まぁとにかく新しい。
映画館では、あんまし期待せずに観に行ったけど、期待を大きく上回る完成度に、驚かされた。
ただのエンターテインメント作品なだけではなく、徐々にエイリアン化していく主人公の悲哀を描いたストーリーも秀逸(^^)b
SF映画ではなく、主人公の成長物語
見るきっかけは、以前CMかどこかで見た覚えがあったから。なんとなく、そして宇宙船とかの話が好きなので見ることにしました。
なのですが…全然SF映画ではない‼‼
ここからネタバレあり↓
まず最初に私もエビ(宇宙人)のことがとても気持ち悪いと思った。けれど話が進むにつれて、あの親子を見ていると、とても人間よりも人間的な考え方の持ち主だと思い、途中からは「がんばれ~‼」と思うほどに。
また、主人公の人間は最初は非人道的だったが、人間がいかに悪いことをしてるかを知り、けれど自己中心的だったが、エビ親子を見て、最後には人に優しくする術を知るところが少し感動した。
私的にはラストは好きだったが、レビューを見て、区々なんだなー、と思った。けれど、お互いの関係が複雑な思いで繋がっているその様は、また小さな世界でも起こり得ていることだと思うと少し寂しかった。
注意点としては少しグロいところ。グロいものが嫌いな人は考えてから見るべき。
けれどこの映画の世界観といったら、凄い。見終わったあと、部屋を見渡すと、すっごくリアル世界が夢の中にいるかのような、すぐには映画の世界観から抜け出せなく、友人に電話をしてしまったほど。
とても好きだし、これを見て私たち自身、何か変われるきっかけにもなれたらいいなと思う作品。
1度目の衝撃が凄すぎるので、兎に角見ることをオススメします。
ただのSF映画ではない。そんなこと言い出したら他の映画も全部そうだ...
ただのSF映画ではない。そんなこと言い出したら他の映画も全部そうだろと言われるかもしれない。でもこの映画はモロにそれだろうという描き方をする。
シャルト・コプリーの自己中ゲス野郎演技が非常に良い。人間は本当に非道いことができる酷い生き物だと思う。
液体浴びる前→浴びた後の立場の変化。教訓の入った童話みたいな展開なのだけれど、すごい面白い。
ベタな感想だけど助けに戻るところグッときたし一番良かった。
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