劇場公開日 2009年3月20日

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「バカの一つ覚え作戦」ワルキューレ SAOSHIーTONYさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0バカの一つ覚え作戦

2011年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

ヒトラーが最終的にどうなるのかを知っている私としては“ワルキューレ作戦”が実際どのようにして遂行されたのか以外、あまり興味はありませんでした。そして、作戦の全貌が明らかになったとき、私は思わずガクッと来てしまい、劇場の床にパタッと倒れそうになりました。これは“ワルキューレ作戦”という名のバカの一つ覚えとしか言いようがありません。

ある事件により片目を負傷し“ドイツ軍のジャック スパロウ”となってしまったシュタフェンベルグ大佐。ヒトラーの独裁政権に反対だった彼は自分の家族やドイツ国民を守る為に周囲のオッちゃんたちを集め“ワルキューレ作戦”というヒトラー暗殺計画を企て、そこから、彼と周囲の人間たちとの静かなる心理戦が開始されたのです。

注目はトム クルーズの気合の入った演技と作品が持つ独特の雰囲気と音楽の融合です。特に雰囲気と音楽はこの手のサスペンス映画にマッチしていて、さすがに「ユージュアル サスペクツ」を手掛けた監督だけに緊張感が途切れる事はありませんでした。トムクルさんもドイツ語訛りを捨てたものの熱演を発揮し、この作品に対する彼の熱意のようなものを感じました。

しかし、残念な事にいいところはそれ位で弱点が多かったのも事実です。まず、この作品にはトムクルさんの他にトム ウィルキンソン、テレンス スタンプ、ビル ナイといった超ベテラン陣が揃っていたにも関わらず、あまり行かされていなかったように感じました。作戦自体ももっと用意周到なものなのかと思いきや、蓋を開けてみたらあまり、大したことはありませんでした。そもそも、ヒトラーを殺害するにせよ、ダメ亭主を殺害するにせよ、第1の犯行が失敗に終わったら、普通は何か別の作戦を立てるとか反省会を開いてどこが上手く行かなかったのかを見直すとか、そういったことをするはずなんですが、この場合は一度失敗してもまた、同じ計画のまま実行に移ってしまったので、失敗するのは当然です。そういったところから、私はこれを“バカの一つ覚え作戦”と名付けたわけです。

最終結論としてはレンタルするかこれに関連する本を読むとかで十分だと思います。トムクルファン、ブライアン シンガーファン、奥さんと子供が「プリキュア~」を観ている合間の暇つぶし以外、わざわざ劇場で観る必要はないと思います。

SAOSHIーTONY