「トム・クルーズの功罪。」ワルキューレ マロピさんの映画レビュー(感想・評価)
トム・クルーズの功罪。
まず、僕はブライアン・シンガー監督が好きだ。
「ユージュアル・サスペクツ」を観て以来、この監督の作品が好き。
「X-MEN」も、なぜにブライアン・シンガーが監督する必要がある?と疑ったが、観たあとは「流石だなあ」となった。
で、この「ワルキューレ」。
ものすごく、丁寧に作りこんである。背景から美術(ドイツ軍の制服をはじめ)は、かなり力を入れたあとが伺える。
物語も、とっつきやすい。これは非常に大事なことだ。
得てして、歴史モノは背景が解らないとちっとも楽しめないものだが、この作品はそれを差っ引いても十分にサスペンスとして楽しめる。
(「アレキサンダー」がコケて「トロイ」がウケたのは、ブラピとコリン・ファレルの問題ではなく、とっつきやすさの問題であろうと今も考えてますし)
これは、監督の力量もそうだが、トム・クルーズによるものも大きいだろう。
トム・クルーズの良さは、何を演じても、どんな素材でも解りやすく魅せてくれる。日本人に縁のないナチの将校ですらもカッコよく見えてしまう。
そして、これは、トム・クルーズのマイナスポイントでもあるのだが、何を演じてもトム・クルーズにしか見えない・・・。
この作品でも、作戦自体が、大佐とその他大勢の将校が関わったのにも関わらず、トム一人が実行してるかの印象を拭えないのが、このトム・クルーズの影響力のせいだろうと思われる。
とは言ってみたものの、作品全体としてはカッコよく出来ており、良質なサスペンスドラマとしては十分に合格点だと思う。
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