「計画の裏にどんな思いがあったのか伝わってこない」ワルキューレ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
計画の裏にどんな思いがあったのか伝わってこない
総合60点 ( ストーリー:50点|キャスト:70点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
現代に生きる視聴者は、計画が失敗だったことは当然知っている。それならば、どのような人物たちがどのような思いで命懸けの計画を立てたのか、ここを深く描くべきだったのではないか。彼は何故軍人としての誓いを破り反乱を企てたのか、国家のためという信念はどこから生まれたのか。冒頭からそのようなものを飛ばして、いきなり暗殺と反乱を起こすことを決め込んでいる主人公の心の掘り下げがない。彼がどのような人物だったのかがこれではわからない。主人公以外にもどのような人物たちがこの計画の周りにいてどのような立場だったのかも把握しづらい。
あるいはこの計画はどのように準備をされたのかを知らせてくれれば面白いのだろうが、全体の計画もいきなり始まっている。計画の全体像がどのようなもので、どのような組織や人物がどのように繋がりどのように計画が進むはずだったのか、分り辛いままに計画が終わってしまった。
緊迫感のある演出は質が高かったが、それに人物たちの思いが乗っかっていない印象。国を裏切ってでも計画に関わった人物たちを掘り下げた作品にするか、あるいはどのような計画をつくってどう失敗するのかを追った作品にするのか。どちらでも良いのだが、どちらにもなっていない。
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