「先行逃げ切りタイプの作品」天使と悪魔 SAOSHIーTONYさんの映画レビュー(感想・評価)
先行逃げ切りタイプの作品
多方面でいろいろと話題になっていたので観ずにはいられませんでした。確かに「ダビンチ コード」よりは多少良かったですが、後半失速した感があり、残念な結果となってしまいました。
のんびりとプールで泳いでいた際にある男性から一つの紋章について訪ねられる主人公のラングドン。そこから彼はイルミナティという秘密結社の400年の時を超えたキリスト教会への壮絶な復習劇に巻き込まれてしまいます。
この作品に注目ポイントがあるとすれば、前半の展開の良さだけです。スピルバーグの「宇宙戦争」やキアヌ リーブス主演の「地球が静止する日」もそうでしたが、前半勢い良く始めって“おっ、面白いかも!”と言わせておいて後半失速してしまうパターンです。競馬で言うと逃げ先行馬みたいな感じです。俳優陣もトム ハンクス、ユアン マクレガー、ステラン スカルズガルドという実力派を揃えながらも何もさせて貰えてなかったと思います。ロン ハワード監督もこのシリーズは苦手なんですかね。とても、あの「フロスト×ニクソン」と同じ監督の作品とは思えませんでした。
全体的な流れは「ダビンチ コード」と比較すると多少アクション性が加わっただけで結果的にはあまり変わっていなかったです。中盤から後半にかけては映画が“はい、原作読んだだろうから説明しなくてもわかるでしょ!”と言っているみたいで何だか阻害された気分になりました。
謎解き面も非常に都合のいいものばかりでヒントの現れ方とかは「ナショナル トレジャー」並みでした。一時本当に「ナショナル トレジャー」を観ているような錯覚に陥りました。それから、本編自体も本当に長かったですね。途中から”早く終わって!”と叫びたくなりました。
まあ、第三弾も制作されるようですが、たぶん劇場では観ないと思います。残念です。