劇場公開日 2009年5月15日

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天使と悪魔 : インタビュー

2009年5月12日更新

本作のヒロイン、科学者ビットリア・ベトラを演じたのは、イスラエル出身のアイェレット・ゾラー。母国では国民的な人気・実力を兼ね備えた女優で、近年は「ミュンヘン」「バンテージ・ポイント」などでハリウッドに進出し、世界的大ヒット作の続編となる本作で、名優トム・ハンクスのパートナー役という大役をつかんだ。そんな彼女にインタビューを行った。(取材・文:編集部)

アイェレット・ゾラー インタビュー
「観光客がたくさんいる中でトム・ハンクスと演技をする。驚くべき体験でした」

所属する研究所セルンから盗み出された“反物質”を取り戻そうとする科学者ビットリア
所属する研究所セルンから盗み出された“反物質”を取り戻そうとする科学者ビットリア

――役が決まったときの気持ちはいかがでしたか?

知的美女なビットリア役にぴったり アイェレット・ゾラー
知的美女なビットリア役にぴったり アイェレット・ゾラー

「あまりに感激して何度も飛び上がっていました。その時一緒にいた女友達と抱き合って喜んで、落ち着くまで20分くらいはそんなことを繰り返していたと思います。後から考えてみると、かなりの興奮のしようでしたね(笑)」

――アクションシーンも多いですが撮影は苦労しましたか?

「撮影の最初のころにアクションが多く、走ってばかりでした。撮影が終わるまでずっと走らされるのかと、最初は心配になりましたが(笑)。特にローマは階段もたくさんあるので、ハイヒールを履いた状態で駆け上がったり下がったりするのは大変でしたね。でも、あのトム・ハンクスと一緒に演技ができてすごくうれしかったし、監督はアクションだけでなく、登場人物のキャラクター作りもとても重視していました」

――このシリーズはヨーロッパでのロケ撮影の部分も魅力だと思いますが、観光客がたくさんいるローマでの撮影はいかがでしたか? 印象的なロケ地などもあれば。

「思い出に残っているのは、やはりパンテオンでの撮影ですね。ローマの中でももっとも歴史的な場所といっても過言ではないですし、実は一番最初に撮影したシーンがパンテオンでのシーンでした。現場は立ち入り禁止にはしていましたが、周りに観光客がたくさん取り巻いている中、トムと演技をしていて……。驚くべき体験でしたね」

名優トム・ハンクスとの共演から多くを学ぶ
名優トム・ハンクスとの共演から多くを学ぶ

――トム・ハンクスと共演してみていかがでしたか?

「彼はとても頭が切れるけど、寛大で全ての人に優しい。大スターなのにエゴはまったくなく、優雅で礼儀正しく、とても素晴らしい方です。もちろん俳優としても。おそらく20世紀でもっとも影響力のある俳優だと言っても良いと思いますが、とても素晴らしい精神を持った方で、多くのことを学びました。撮影中のある日、待ち時間にトムと話をしていて、彼は靴を履いているところだったのですが、私の話を聞きながらだったので左右を間違えて履いてしまったことがありました(笑)。彼はそれだけ、自分のことは置いておいて、人の話に耳を傾けることができる人なんです」

――この映画でもっともチャレンジングだったことは何でしょう? またビットリアという人物をどう捉えて演じましたか?

日本こそが女優スタートの場所だと語る
日本こそが女優スタートの場所だと語る

「映画と本は全く同じではなく、原作とは異なるキャラクターを創造しなくてはいけませんが、かといって原作とかけ離れすぎた別物であってもいけない。その部分が難しいと思いました。あとはハイヒールを履いて走ることが大変だったかしら(笑)。ビットリアと私は似ていないけれど、共通点としては自分が決めたことはやるという決意のあるところかしら。あとは私も頭は切れると思います(笑)」

――映画のプロモーションでは初来日とのことですが、日本はいかがですか?

「ええ、プロモーションの来日は初めてですが、実は以前に来たことがあるんです。演技を学び始めたころ、日本で1カ月間モデルの仕事で滞在していましたが、それは私の人生でのターニングポイントでした。その仕事でもらったお金でニューヨークへ渡り、演劇の勉強をすることができましたから。また、日本で出会ったある女性が、人生においてとても苦痛を受けた経験があり、その方の苦悩や葛藤を見聞きしたことで、後にその経験を舞台に生かすことができました。私はその時、女優になろうと真に決意しました。ですから、今回の映画のPR活動が始まったらぜひ日本に行きたいと、自ら立候補したんです。日本でのそうした体験が、私の女優としてのスタートとなったのですから、また何かを持ってもう一度日本に来たいと思っていました」

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