劇場公開日 2011年8月12日

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「心の目で観て、感じて、楽しむ映画」ツリー・オブ・ライフ waxcafeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0心の目で観て、感じて、楽しむ映画

2011年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

予告編を見て結構期待していた作品なんですが、レビューでは賛否両論。
恐る恐るも、この目で観てみなくては…という思いで鑑賞。

全体的にとても穏やかな作品です。そして言えるのは、
この作品に起承転結とか、オチとか、わかりやすさを期待していると、
見事に裏切られるかもしれないということ。

最後はどうなるんだろう…と考えるよりも、
場面、場面から受けとる感覚や思いを大切にして、それを楽しむ。
僕の場合は、そんな観方が最適な映画だなと感じました。

さて、予告編にあるように、挿入されたイメージ映像は、雄大かつ幻想的で素晴らしいです。
冒頭はそんなイメージ映像が多いこともあり、不覚にも睡魔に襲われました…
美しい映像とサウンドがあまりに心地良いので、トランス状態になるんです。
くれぐれも睡眠は十分にとってから鑑賞しましょう。

そんな睡魔も、本筋の家族の話に移ってくると、いつの間にか目がパッチリ。
なるほど、こう繋がるんだ~ってやっと理解。
家族のお話はなかなか感慨深いものがありました。

信条の異なる父と母。それが子供たちの心に大きな葛藤を生むんですが、
この父と母の存在がとても魅力的。
父役 ブラッド・ピットの円熟した演技に、こんなオヤジ役できる程、年とったんだね…
なんて感心しましたが、考えれば実際子供いるんですよね~
母役 ジェシカ・チャステインも素敵。こんな優しく美しい母がいたらな~

この父と母を見ていると、
人にはそれぞれ必要な役回りってのがあるんだなと、つくづく感じます。
その影響を受ける者たちが結果どうなるかは、「神のみぞ知る」なんでしょうけども。

芸術的な映像が目立つ本作ですが、
地味ながら、何気ない日常を切り取った場面にも、中々の妙があります。
国が違うはずなのに、なぜこんなにも懐かしい思いに駆られるのか…
加えてその空気感。
蝉の声や、枝葉の擦れる音、水の滴りなど、わずかに聞こえてくる効果音が絶妙なんでしょうね。

見る人によって見方も異なるかと思いますが、中々無いタイプの貴重な作品でした。

waxcafe
マスター@だんだんさんのコメント
2011年9月18日

私よりも、私が言いたかったことを的確に書いてくださいました。
まったく、その通りだと思いました。共感です。

マスター@だんだん