「一番苦手な部類の映画。何がどう苦手なのかは眠くて何も覚えちゃいない」ツリー・オブ・ライフ 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
一番苦手な部類の映画。何がどう苦手なのかは眠くて何も覚えちゃいない
今年観た映画の中で一番アカンかった。
何がオモロいのかサッパリわからない。
厳格な父親(ブラッド・ピット)と優しい母親のいる平凡な一家だったが、次男の死をキッカケに家族の絆が崩壊する。
後に社会人となった長男をショーン・ペンが演じており、幼少期と現代との2つの時代から確執に迫り、ドロドロの骨肉の争いに突入するかと思いきや、家族そっちのけでなぜか宇宙空間へワープ。
ビッグバンによる地球誕生の歴史が延々と続き、我々の頭には“??”がどしゃ降り。
イグアノドンが大地を疾走する件で、さすがにシビレを切らし、
「ブラピ一家はどこ行ったんや?!」
と捜索願を提出したくなった。
家族に焦点が戻っても、頑固で子供達に絶対服従を強いる陰湿なブラピの親父っさんに、イヤイヤ付き合い、成長するに連れて、距離感に疑問を抱く。
その生活がホント〜につまんなそうで、子供達の無表情振りが否応無しに脳髄に染み込んでいく。
家族とは退屈の極みの集合体の象徴であるとすら感じた。
常に宇宙と家族との繰り返しで、次男の死の真相はそっちのけ。
家族のいざこざなぞ所詮、宇宙から観たら土星の輪っかの破片みたいなものって意味かもしれないが、飛躍しすぎにも程がある。
んで、結局、「おお、神よ…」
っと空に祈って、はいオシマイ。
って何じゃそりゃ、そのサゲは!?
物語性は皆無に等しく、家族につきまとう不協和音や苛立ちは、表情や空気で察してくださいっと言い残し、一枚一枚の絵を静かに何千枚を並べていき、ニュアンスで観客個人に理解度を委ねていく。
芸術的と称すれば、聞こえは宜しいが、丸投げやないか?無責任や、基本的な起承転結ぐらい作れと言い捨てちまえば、それまでである。
なぜ産まれてきたのか?
なぜ生きているのか?
生命とは?
自立とは?
僕って何?
親って何?
家族って何?
そして、愛って何?
答え無き議題に粘着質に自問自答し続ける。
ネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチと…。
そんなんエヴァンゲリオンの最終回観たら30分で済む。
こんなん批評ちゃうね。
まあ、いいや
最後に短歌を一首
『神に問ふ 愛奪うのも 道なのか 木陰に集ふ 宇宙(そら)をみる距離』
by全竜