「自分には合わなかった」ツリー・オブ・ライフ マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
自分には合わなかった
今の自分は、いったいどこから来たのか、心はどのように形成されていったのか、そのルーツを辿る。だがこの作品、単にルーツを辿るドラマとは言い難い。抽象的な表現が多く、そのルーツも“生命誕生”にまで遡る。神の存在も見え隠れする。
これはむしろ現代版「2001年宇宙の旅」といえる。
ネーチャー的な映像が主で、ドラマがそれを補完する独特の構成は、多角的な目線で捉えた映像が実に美しい。気持ちがよくなって眠ってしまいそうだ。
このテレンス・マリック監督、映画の製作にあたって通常の絵コンテを描くのだろうか? すごく興味深い。
もちろん、できあがった作品にカット割りはあるのだが、そのどれもが通常より遙かに長回ししたフィルムを素材に、それらを紡いで一本の作品にしたように見える。明らかに通常の編集作業とは異なる気がしてならない。もし、そうだとすると、もの凄い量のフィルムを消費して作品が作られたことになる。VFXのパートも、そこまでやるかというほど多い。
そこまでしてテレンス・マリック監督が訴えたかったものは何か? そこに共有できる価値観があれば素晴らしい作品なのかも知れない。
だが、自分には合わなかった。睡魔と闘うので精一杯だった。
ビスタ・サイズとは思えない画面の広がりと奥行きは賞賛できる。
p.s. 若きジャックと中年ジャック(ショーン・ペン)も似ているが、オブライエンの才能を引く次男R.L.の顔がブラピにそっくり。
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