「「ファントムメナス」か影のうっすい「バットマン・ビギンズ」か」アメイジング・スパイダーマン しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
「ファントムメナス」か影のうっすい「バットマン・ビギンズ」か
結局そういう運命の映画。
比較をしない方向でいくつもりだが、アクションシーンについては比較どうこうというより、まあ、このぐらいはやるだろう、という域に留まった、という印象。それ以上はない、というか、3Dを効果的に見せる演出が2Dでみるそれと大して変わらない。改めてライミ版の変態アクションと「トランスフォーマー ダークサイドムーン」の3D演出の凄さを再認識した。
内容だが、まあ、あんまり面白くない、が正直な感想。たぶん続編ありきの急展開もあるんだろうけど、それでも「猿の惑星ジェネシス」のような、単品のみでドキドキさせるようなものがなければ、さすがにオレのような一般人は楽しくない。
スパイダーマンだろうが、バットマンだろうが、高嶺竜児だろうが、マンガのヒーローにはそもそも興味が無いオレはこの手の映画を見るときは、おねえちゃんと一緒なのだ。
また、続編ありき、と考えたなら、既に1号が終わったあと、一文字隼人の2号の誕生秘話をやっても、ほぼおんなじことをすると、やっぱり盛り上がらないわけで、急展開のためだけの伏線でしか本作の存在意義はないことを露呈する。
これって運が悪ければ、「ファントムメナス」。運がよければ「影の薄いバットマン・ビギンズ」にしかならないのではないか?
「ファントムメナス」が公開されたときは期待に期待され、開けてみると、
「まあお祭りだしぃ、待ったぶん観れて良かったしぃ」
という映画の評価を下すこと自体が野暮、というか犯罪のような雰囲気だった。
「ファントムメナス」が今日の扱いの位置にいるのは、ジャージャーのせいが90%ぐらいだろうが、のこりの10%はそのあとの「クローンの攻撃」のチュッチュが原因だろう。次が「シスの復讐」だったら「メナス」はそこまでの扱いにはならなかったように思う。
そういう意味では、すでに本作は、「ファントムメナス」の穴に片足突っ込んでいる。本作ははじめっから次回作でしか評価されない映画なのだ。
本作は「ファントムメナス」のように「待ちに待った」ではない。
むしろ「なぜ」の疑惑の中、製作され公開された。
それをうけ、本作を評価する人ってなぜか決まって「その部分」を強調して、「思ったほど」とか、「期待してなかったけど」とかいう前置きをしている。
そんなことわざわざ言わなくてもいいのにさ。
ますます「メナス」臭がするなあ。
確かにアンドリューはジャージャーに似ている。
ほかいいところ
一生懸命考えたけど、普通に背の高く顔にちっさい、頭がよくって、正義感が強くって、ワイルド兄ちゃんともじゃれあい、惚れたねえちゃんに臆せず告れた兄ちゃんがとくに問題なく普通にクモに指されて、熱出してうなされたあと、変異し・・・・
ええっとどこを面白いといえばいいのか分からない。
あえて本作だけで言うなら、「アンチダークナイト」というべき作風が興味深く面白いんだけれど、続編以降は「ダークナイト」路線でいくと思われるので、その感想もムダだな、きっと。