「展開がいまいち、ついでに小地蔵が書くこのレビューもいまいちでした(^^ゞ」ラスベガスをぶっつぶせ 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
展開がいまいち、ついでに小地蔵が書くこのレビューもいまいちでした(^^ゞ
原題は「21」。「24」とは毛色が違います。まずはラスベガスのカジノのゴージャスな雰囲気に酔わせてくれる作品です。そこに天才的な数学知能を持った学生が、知識を活かして挑み一時は大金を射止めるというお話しなんですが、これが実話に基づくと言うから驚きです。
どうもブラックジャックに関しては飛躍的に勝率をアップさせる数学的な統計手法が存在しているようですね。
でもそれをまともにストーリーにしたので、数学とブラックジャックのルールに知識がないといまいち主人公たちがむいまどんなゲームをしていて、どんなテクを使って勝ち抜いているのかがよく解りませんでした。
この物語の核は、ベンたちカジノプロ化した数学チームとカジノのルール違反を取り締まるコールの息詰まる対決を期待していたのですが、どうも通り一遍の描き方で期待はずれでした。
なんといっても、コールが簡単にベンのカードカウンティングを見抜き過ぎるし、なぜかベンたちが来店していることがわかっていても、すぐに排除せず、物語の都合のいいところで登場しているところが気になりましたね。
驚愕のクライマックスを除き、ストーリーもほぼパターンどおり。貧乏学生が窮余の策で飛びついたカジノ必勝法で大儲けして、すっかり贅沢な暮らしにのめり込む。美女も手に入れて逢瀬を楽しんですよ。けれどもそれは長続きせず、元の木阿弥に行き着くところまでは、予想通りの展開です。イレギュラーな方法で大金を手に入れ、学業や友情よりもお金が全てと思ってしまったことに対する反省も教訓もあまり強調されていません。
但し、前後の流れから濡れ手にアワのような儲け方をしたものは、報いを受けるのだというチラリと必罰を感じさせる説教じみた展開ではなかろうかと臭いましたね。
そういうメンタルな方向でなく、エンタティメント志向であったら、オーシャンズシリーズのようにテクニックをもっとスリリングに演出するとか、もっと変装に力を入れるとか手を入れるところはあったでしょう。
ただこの作品の主人公は、やはり天才。転んでもただでは起きませんぞぉ!一見破滅へと向かいつつも、自分の得難い経験を活かして大逆転します。まさに苦難や困難を肥やしにすれば、人生に敗北などないという見本ですね。このラストは見物ですよ。
主演のベンを演じているジム・スタージェスは当たり役で、貧乏くささが漂うバイト生活時代とカジノで大金を獲得して、スーツに身を包み自信溢れる様をメリハリをつけて演じておりました。
結論としていまいち面白くないけれど、退屈はさせない微妙な感じです。