「救世主」マン・オブ・スティール もんさんの映画レビュー(感想・評価)
救世主
見事にスーパーマンが蘇りました。
制作陣にクリストファー・ノーラン、デビッド・S・ゴイヤー、ハンス・ジマーを入れたことにより、従来のシリーズよりも本作の質は格段にupしています。
クリストファー・ノーランとデビッド・S・ゴイヤーにより、今まで神のような存在だったスーパーマンは人間味あふれる、リアルで感情移入しやすいキャラクターへとシフトチェンジ。
自分の力に戸惑い、苦悩するクラーク・ケントを観るのは新鮮だった。
また、自分の力を受け入れる(スーパーマンとして立ち上がる)までがしっかりと丁寧に作られていてスゴく良かった。
クラークを良い方向へ導こうとするまわりの人間をはじめ、クラークを取り巻くまわりのキャラクターも魅力的だ。まずキャスティングがぴったりで違和感がない。役者の演技もとても自然で、感情移入しやすくなっている。
自分が特に気に入っているのがヒロインのロイス・レインだ。従来のロイスはただ単にスーパーマンに守られるプリンセス的存在だったが、本作のロイスは保護者ようで、スーパーマンの理解者的立場になっていた。今までのロイス・レインのなかで、一番魅力的なヒロインになってのではないかと思う。
また、ケビン・コスナー演じる、クラークの育ての父も素晴らしい存在だった。
本作は物語の壮大さだけでなく、随所に流れる音楽も壮大で、心揺さぶるいいものばかりだ。『ダークナイト』シリーズのときような暗く、悲しい感じとは違い、今回ハンス・ジマーが手がけた音楽は優しく始まり、そこからだんだんと力強く、壮大なものへと変わる素晴らしい音楽だった。
脚本、音楽も最高級のものだったが、監督のザック・スナイダーのこだわりにより、映像もとてつもないものになっていた。『300』で名を轟かせたザック・スナイダーの売りは、変態的なまでの映像へのこだわりだ。
建物の破壊をはじめとする各シーンのCGも目を疑うほどリアルで、細かいところまで描かれていた。
また、スーパーマンが飛び立つ時の砂や雪の振動や地面の割れ方、衝撃波なども細かく作られていて映像面も圧巻だった。
アクションシーンは今まで見たことないような凄まじいもので、終始画面に釘付けとなった。ストーリーはリアルテイストでありながら、壮大なものになっていて物語の流れも自然に。
『ダークナイト』シリーズに匹敵する、最高傑作になっている。