「芸術的で何回も見返したくなる面白さ」シャッター アイランド Oliverさんの映画レビュー(感想・評価)
芸術的で何回も見返したくなる面白さ
"Killers of the flower moon" で、マーティンスコセッシ監督とレオナルドディカプリオの黄金コンビのタッグが6作目とあり、
過去にどんな作品を出していたのかと調べてみたら、内容が実に面白そうなものがあったじゃないですか。
古いだけあって合成感や死体の人形感や、池で死体を演じた少女の演技が下手でまだ微妙に動いたりしてるのが気にはなったがそこは置いといて、
結論、めちゃくちゃ面白かった。二度見がまた違った視点からの面白さでよく作り込まれている。
まさか、4の法則だけでなく、
タイトルの“Shutter Island"(=Truths and Lies またはTruths Denials)までもがアナグラムだったとは!
初見では、何だかんだいって病院側の洗脳によりレオ様は口封じの為にはめられてしまったのかなぁと思っていた。
なんかいかにも怪しい病院だし。
人間の脳は壊れてしまったら現実か妄想かだなんて区別もつかない。それが事実だ。
実際に五感を司るのは脳であり、目でなく脳で見ている、耳でなく脳で聞いている…
一度精神崩壊してしまったレオ様は何が何だか分からず迷路に迷うネズミそのものだった。
人を洗脳するのも脳をいじれば容易い。
しかしネットで考察を見たら辻褄が合う部分が多く、なるほどそうだったのかと謎が解けた。
“炎“(=妄想)と“水“(=現実)の描写など、細かい作りには映画の芸術性までも感じられる。
二度見してみたら、面白いこと面白いこと。
最初はレオ様の視点で見ていたから気づけなかった部分もいろいろと見えてきて、映画がミスリードするように作られてるとはいえなぜ気づかなかった?人の先入観はすごいな。
この世の中でも精神異常犯罪者が数多くいるわけだが、どのように対処し治療していくのか、治療とは何か、モンスターとして生かしてこれ以上被害を増やす前に、“善人として(彼らの精神を)殺す“選択はやむを得ないのか。
興味深くていろいろと考えさせられる傑作だった。