「救世主・レイフ ファインズ」愛を読むひと SAOSHIーTONYさんの映画レビュー(感想・評価)
救世主・レイフ ファインズ
「リトル チルドレン」「レボリュショナリー ロード~」と絶好調のケイト ウィンスレットがアカデミー賞・主演女優賞を受賞した作品とだけあって期待していましたが、本編終了後私は思わず首を横に振ってしまいました。果たしてこの作品の演技で彼女が受賞するべきだったのか疑問を感じました。これは私の推測ですが、おそらく彼女は今まで何度もノミネートされてきたので“よくがんばりましたね”という気持ちを込めての受賞だったのではないかと思います。逆にレイフ ファインズがなぜ何の賞にもノミネートされなかったのかが疑問でした。彼こそがこの作品の救世主であり最も評価されるべき人物だと思います。
舞台は第二次世界大戦直後のドイツ
あるきっかけで15歳の少年マイケルと2回りも歳の離れたハンナが偶然出会う所から物語りが始まり、そこから、何十年にもわたる彼らの不思議な関係が焦点となっています。。もっとわかりやすく言うと本作は3つのパートに分かれていて“ひと夏の恋編”“裁判編”“そして、20年後編“へと繋がっていきます。
注目はレイフ ファインズの熱演くらいでしょうか?特にレイフ ファインズの演技が印象的で観終わった後「ナイロビの蜂」を始めて見た時のことを思い出しました。「ある公爵夫人の生涯」は未見なので何とも言えませんが、本作での何とも言えない渋い演技は見ごたえありました。まさに救世主!この人が出てこなかったらこの作品は危なかったと思います。ケイト ウィンスレットや15歳のマイケルを演じたデビッド クロス君もなかなか良い味は出していましたがラブシーンの演技に力が入りすぎたのか言葉での演技は大したことありませんでした。
さて、ストーリー展開はどうだったのかというと特に目新しいものはありませんでした。裁判もあるユダヤ人の大量虐殺事件に絡めた内容ですが、イマイチパッとしませんでした。本当に最後の30分意外見所は特にない作品だと思います。
それから、例のラブシーンについてですが、初め見たときは予想以上にリアルだったので驚きましたが、本編終了後には頭の中から消えて無くなっていました。おそらく監督はリアルなものにしたかった一方でポルノにはしたくなかったがためにああいったものになったのだと思いますが、実に中途半端でした。あんな事をするくらいならカットするべきだったのではないでしょうか?でも、あのシーンを撮ったのが「リトルダンサー」と同じ監督とはとても思えませんでした。
結局のところレイフ ファインズの演技意外見所なしの作品だと思います。
残念でした。