「劇場無料配布のチラシは煽りすぎです」ラブリーボーン septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場無料配布のチラシは煽りすぎです
劇場で配布されているチラシには
「本年度アカデミー賞最有力!!」と
書かれていますが、私の耳に届く評価は酷評だらけ。
旧Q-AXのアイドル枠作品を
鑑賞するくらいにハードルを下げて上映開始を待ちました(苦笑)
☆彡 ☆彡
いい作品だよなぁ
どうせなら3Dにすればよかったのに
宣伝方法これでよかったのかな
原作に忠実なのかもしれないけど
詰め込みすぎじゃないかなぁ・・・
世界で1000万部以上を売り上げた
ベストセラーとのことですが、原作は未読。
家路につくとき、既読者の女性2人組が歩いていました。
「原作とは、変えられてるところがあったね」と1人は
不満気に、1人は満足気に会話をしていました。どこが変更されていたかは知らないけど(苦笑)
◇ ◇
原作未読だからこそ感じたのですが、
主人公のスージーが殺されてしまうことは
伏せていたほうがよかった気がしました。
殺されると知らせている=早々に殺されて次の展開へ進む
そう思っていたのですが、殺されるまで30分近くかかります
(試写会場、デジタル時計が点灯したままなので確認しちゃいました)
ここで待ちくたびれ、ダラッ&イラッとしてしまいます。
知らなきゃ、もっと、ハラハラしながらスクリーンを凝視できた気がするんです。
チラシで、事前に殺されること・犯人が誰かを教えてしまうこと
既読者にターゲットをしぼったのか、それとも知っていても
感動させる自信があるとの、製作チームの判断だったのか、
定かではありませんが、結果からすると失敗に感じました。
◇ ◇
『さまよう刃』(09)
『あの空をおぼえてる』(08)
ともに心を突き動かされた邦画。
今作、この二つとイメージが重なりました。
終盤に見せるお父さんの行動は
『さまよう刃』の寺尾さんソックリ。
スージーが殺されてから見せるお父さんの行動は
『あの空をおぼえてる』の竹野内豊さんソックリ。
ラスト、スージーの部屋に入ってからのお母さんの行動は
『あの空をおぼえてる』の水野美紀さんソックリ。
家族全員でスージーとの思い出の地を
訪れたりなんかしちゃったら完全に『あの空をおぼえてる』でした(苦笑)
だから、父親の行動、母親の行動で
感動し、ウルッとはしました。でも落涙せず。
それは、ファンタジーなら、そちらに絞り込めばいいのに
クライムサスペンスっぽい要素も盛り込まれ、恐怖と感動の
感覚がごちゃ混ぜになってしまい、スムーズに感覚が動きださないから。
その極めつけが
ごみ処理場にスージーの遺体が入った金庫を犯人が捨てようとする場面。
直前まで、スージーの妹が、犯人の家に無断で忍び込み、
スージー殺害の証拠を探します。しかし、犯人に見つかってしまい命辛々逃げ出します。
ここ私の両隣の女性。
1人は口元を両手で覆っていました。
1人は身を乗りだしてスクリーンを見つめていました。
私も「見つかるなよ、捕まるなよ」と心臓バクバクさせながら見ていました。
と、
そこまで恐怖感を煽っていますから、
犯人が金庫を捨てようとする場面は、
例えば、いきなり金庫の扉が開いたり
例えば、ルースがレイに「金庫の中にスージーの遺体がある」と
叫んだりするような、事件解決犯人逮捕よりのシーンを期待しています。
しかし、結果は
スージーがルースの体に入って、キスをする。
妹のキスシーンを見て、複雑な涙を流す
前ふりがあったので、こうくるのは理解できるし、
感涙する場面なのでしょうが、違うんじゃない?と
問いかける自分もいて、感動しきれませんでした。
☆彡 ☆彡
スージーを演じた
シアーシャ・ローナン。
初めてみたのですが、メチャメチャかわいいですね。
中盤以降、徐々に登場シーンが減るのが悲しかったです。
開始早々、彼女目当てに目的が変わっていましたから(苦笑)
いい作品ですが、アカデミー賞となると・・・。
前売券の1300円での鑑賞ならアリだと思いますのでBとさせていただきます。