「政界版パルパティーンとアナキン!」スーパー・チューズデー 正義を売った日 movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
政界版パルパティーンとアナキン!
キャストにジョージクルーニーが出ているならハズレはないでしょと見ることにした作品。
政治の黒さはどこの国も一緒ねと妙に安心して見られる一方、なぜディカプリオはこのタイミングで今更この内容を作りたかったのか、はて。彼は日頃スポットライトが当たっていない裏の面についても、映画を通して皆に考えて貰う事が映画生涯をかけたライフワークになっていて、得た立場の使い方を尊敬する。
最後まで見て、伝えたかったのはきっと、政界という特殊な世界を背景に見せつつ、その黒さには、実は誰しもふとした拍子に迫られる判断で堕ちかねないという警鐘なのかも?と思った。判断基準に忠誠心、大事!
印象的だったのは、ライアンゴズリングの顔の左右非対称を、カメラワークに上手く取り入れて見せていた点。変化が際立つ!
あとは、仕立ての良いコート!あんなコート着れてるのに、なぜ500ドルを選挙資金から出した?1900ドルのうち、中絶費用は90ドル、余りの帰郷代は100ドル。どこが自腹でどこが政治資金?
そして、死までも利用される女の子、正直軽いし自業自得?とはいえ、女の子がハニートラップなのか観客を訝しげにさせるにふさわしい、理知的な雰囲気のエヴァンレイチェルウッド。キャスト勝ち。
選挙がダメでも戻れる場所は高給取りのコンサルで悪くないのに。最初は純粋に知事を信じ、正当な大義を全うできる国にするため、知事の選挙に賢い頭で貢献していたのに、政界に大義などないと知り、自信も肩書きと引き換えに信念と正義を売り、心が堕ちる。一度それをすれば、引き返せない。最初にヘッドハンティングされそうになった時、いつもなら影の思惑に気付けたはずなのに、自尊心で目が眩んだせいで。信じた知事は実はクズで、選挙のためならなんでもすると評した上司のポールの方がよほど、まっすぐだった。この設定、エピソード3のパルパティーンとオビワンとアナキンみたい!翻すコートもマントに見えてくる!
あとで知ったが、ポールはセントオブウーマンの憎き同級生役!そして2014年に亡くなっている。時の流れにびっくり!